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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
5章:秋離れ、彼女と感じる冬の熱
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5−39話:雪 side

「………」


ライブは無事に終了。

先輩たちもライブの後の開放感に変なテンションになってしまっていた。

だけど、私は時計に目を向ける。後一箇所、どうしても空色くしなと行きたい場所があった。


「ねぇ、雪凪せつな。打ち上げなんだけどさ」

「すみません、私は今日はこの辺で失礼します」


荷物をまとめて、先輩たちのお誘いを断って急いでエントランスに向かった。

空色は入口近くで待っていて、時間のこともあったからそのまま手首を掴んで走り出した。


「あ、あの、せ、先輩?」

「ごめん、もうちょっと我慢して!」


走って急いだのは、とあるショッピングモールにある海辺の観覧車。どうしてもここに一緒に来たかった。


「はぁ、はぁ……はぁ……」

「ごめんね。何も言わずに走らせて」

「い、いえ……大丈夫です」


終了ギリギリ。なんとか間に合ったけど、これが一周すれば終わり。もう一周はできない。


「はい、これ」


ほぼ密室状態の観覧車の中、私は準備していたクリスマスプレゼントを渡した。


「お昼、私タイミングがなくて。今になってごめんね」

「あ、いえ!私もその、渡せなかったの……」


空色も、カバンから綺麗に包装されたプレゼントを渡してくれた。

お互いにプレゼントを受け取り、中身を確認する。


「わ、マフラーだ。それにすごい綺麗な色」

「えっと、お姉ちゃんやお母さんに手伝ってもらって、何度か……あまり綺麗じゃなくてすみません」

「え、手作りなの?」


私好みの綺麗な色。しかも空色の手作りだなんて、嬉しすぎる。

まだ少しだけ体は暑いけど、もらったマフラーを首に巻いた。


「どう?」

「と、とても似合ってます!」

「ありがとう。大事にするね」


恥ずかしそうに顔を隠する空色。そんな彼女の頭を私は優しく撫でてあげた。



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