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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
5章:秋離れ、彼女と感じる冬の熱
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5−30話:空 side

日中にも関わらず人の多い街の中。

日が出ているのに、肌を指すような寒さを布で隠せない部分で感じる。

だけど今はそんなものよりも、自分の身だしなみを整えるのに忙しかった。


「変じゃ、ないよね」


スマホのカメラ機能で自分を写して、鏡代わりに何度も自分の身だしなみを整える。


「お待たせ」

「っ!ぁ……」


不意に聞こえた声に顔をあげると、そこにはいつもの先輩の姿がある。

ニッコリと浮かべる笑顔に目を奪われると同時に、背をっているギターケースに目がいく。


「重く、ないですか?」

「会ってすぐがそれ?」

「あ、ご、ごめんなさい!」


くすくすと笑う先輩に反して、自分の発言に少しだけ恥ずかしくなった。

赤くなった顔を見せたくなくて、両手で自分の顔を覆ったけど、その隙間から今日の先輩の姿を見た。


(やっぱり先輩はかっこいいな)


いつもそうだけど、クリスマスのせいなのか、普段の三割増しでかっこよく見えるような気がする。


「ん?どうした?」

「い、いえ!……ギター、本当に重くないですか?」

「うん。でも、空色くしなとのデートでは邪魔だね。コインロッカーに入るかな?」

「ちょっと調べて見ますか?」

「そうだね」


いつも通りの会話。だけど、私の心臓はドキドキしてる。

聞かれてないかなと、不安に感じるぐらいに激しく……


「よし、ギターも閉まったし」


ぎゅっと、先輩が私の手を握った。


「行こうか」


見上げた先に広がるのは、キラキラと目を奪われるほどの眩しい光景。


「はい」

「時間も少ないし、たくさん回ろう。行きたいところある?」

「はい。実は……」


時間の制限はある。それでも、先輩との二人っきりの時間をたくさん楽しみたい。そして、これを当たり前にしたいな。


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