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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
5章:秋離れ、彼女と感じる冬の熱
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5−1話:雪 side

「それじゃあ、競技を決めていきます」


文化祭が終わって、秋もあっという間に過ぎていってもう直ぐ冬になろうとしていた。

制服も中間服になっている生徒が結構いて、冬服になるのもあっという間なんだろうなー……。

ぼんやりとそんな事を、窓の外を眺めながら私は考えている。

今は授業という授業じゃなくて、近いうちに行われる体育祭の競技決め中。


「えっと、玉入れは人数が多いのでじゃんけんで決めまーす」

「嫌だー!!」

「他のところに移動する?」


人気な競技や、楽な競技は特に人が集まって、じゃんけんでメンバーを決める羽目になる。

私は綱引きと対抗リレーに出ることが事前に決められている。綱引きはどうせ人が集まらないだろうと思って何気に手を挙げけど、対抗リレーはクラスで一番足が速い人が出ることになってる。

不思議なのは、うちのクラスには運動部もいるというのに、私が一番足が速いということだ。謎すぎる……


「ああああ!!負けたぁー!」

「よっし!」


教卓前で行われるじゃんけん大会をぼんやりと眺めることしかやることがなくて、頭の中では「早くおわんないかな」と少しだけ冷めた言葉をつぶやく。

その時、引き出しの中に入れていたスマホが震える。

授業中のはずなのに、なぜか氷華ひょうかからメッセージが届いた。


ゆきねぇ。玉入れと綱引きになった》


氷華たちも競技決めをしているみたいで、自分が出る種目をわざわざ連絡してきた。

まぁ暇だし。叱ることもなく、私も自分の出る競技を氷華に送る。送られてきたのは《さすが》というもの。なにが流石なんだか。


《くーちゃんは玉入れと借り物競走だよぉ》


次に送られてきたのはそんな内容だった。

聞いてもいないのに余計な事を。なんて内心で思いながら私は《そっか、ありがとう》と返信した。

本当は後で本人に聞こうと思っていたし、先に氷華に教えられてちょっと不服だ。


「はぁ……」


深いため息を零した後はスマホをポケットにしまって、またぼんやりと窓の外を眺める。


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