4−42話:雪 side
「おかえり」
空色がベットに入ったタイミングで私は彼女にそう尋ねた。
「すみません、起こしましたか?」
「ううん、大丈夫」
実は空色が部屋を出て行ったタイミングで目を覚ました。
私自身、一緒に寝てるだけで落ち着かなくて、いつもより眠りが浅かったこともある。
そのままずっと背を向けていた体を回して、空色の方を向く。
「寝れそう?」
「え、えっと……」
恥ずかしそうにする空色。暗闇でもわかる。その表情はとても愛おしくて、そのまま彼女の頭を撫でて抱きしめた。
「え、せ、先輩!?」
腕の中にすっぽり収まるからだ。ふわふわの髪の毛。優しい匂い……あぁとても落ち着く。
「よしよし。いい子、いい子」
子供をあやすように、頭を撫でたり、背中を優しく叩いてあげる。
恥ずかしそうに縮こまってるけど、実際私も平然を装っているけど心臓はバクバク。今こうやって抱きしめてるのも、心音を聞かれていないか不安に思う。
「……先輩」
「ん、どうした?」
「……好きです」
たった二文字。だけどその言葉はとてつもない破壊力がある。
しかも急に言われたから心臓の跳ね上がりが尋常じゃない。
「んっ、先輩……苦しい……」
「私も好きだよ」
強く強く彼女を抱きしめて、私は囁く項にそう返事を返した。




