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歌詞(こころ)から掬いあげる言葉(きもち)  作者: 暁紅桜
4章:夏は溶け、秋空に歌う彼女の恋
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4−40話:雪 side

「あれ?」


お風呂から上がって、そのまま部屋に戻るとなぜか空色くしなが布団の上に座っていた。しかも、なんかすっごい緊張してる。なんでだろう。


「どうしたの?」

「……布団で寝ます」


そう言われて、私は内心考えた。ベットの方が休まるし、というよりもお客さんを床で寝かせるわけにもと思って進めたけど……。


「臭かったかなぁ……ちゃんと洗濯したんだけどな」

「そ、そういうわけじゃないです」


心の中で言ったつもりだったけど、口に出ていたみたいで、空色がすぐに否定した。


「そうなの?」


それじゃあなんでベットで寝るのは嫌なんだろう……

恥ずかしそうにしながら俯く空色をじっと見下ろしながら考える。

頭の中で理由を考えているけど、別の脳では別のことを考えている。

服は少しだけ大きめ。氷華ひょうかの服を借りたんだろうけど、小柄な空色には大きかったみたいで、やや萌え袖状態になっている。正直可愛い。

脳内が、色々とこんがらがってるせいか、この後言った一言は、完全に無意識だった。


「じゃあ一緒に寝る?」


その問いかけに、びくと肩を震わせて、目を大きく見開いて私を見上げる空色。

お互いに見つめあった後、ほぼ同時にお互い顔が赤くなる。


「い、いやごめん!完全に無意識に言っちゃった!」

「い、いや大丈夫です、はい、大丈夫です」

「ホントごめん!嫌だよね、私と寝るなんて!」

「そんなことないです!」


ぎゅっと、空色は私の腰に腕を回して抱きついてきた。え、なにこの体勢……。


「い、嫌じゃないです……せ、先輩と一緒に、寝たいです……」


わずかに震えている声。嫌だけど言ってるんじゃない。もう随分と一緒にいるし、歌詞から空色の感情は色々と伝わっていた。

これは、嫌なんじゃなくて、恥ずかしがってるんだ。

嬉しい……無意識の発言とはいえ、空色がそう言ってくれて。

私はお腹の位置にある空色の頭を優しく撫でてあげた。


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