第六十七話 鳩鳩リレー
いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!
前回の振り返り
ごましおは、秀夫と春子がたこ焼きを食べている間にポッくんを置いて来てしまった事に気づいた!
どうにかして二人に気づかせようとするが、なかなか気づいてもらえず…。
一方ミケたちは、くりとあんこの飼い主さんが決まったお祝いをしていた。
みんなでご飯を食べて、幸せな時間を過ごすことができた。
そんな中、ポッくんは友達にコケンたちが遠くへ行ってしまった事を教えられた。
ポッくんは、「父さんに会いたい」と決心するが…!?
今回も楽しんで読んで頂けると、幸いです。
「なんか、犬が言ってたんだってよ。『ポッくん』っつって。」
鳩の話を聞いて、「!犬って?どんな!?モコモコ?」とポッくんは食いついた。
「おう、らしいな。老犬だったって。その後すぐに老人が追いかけて来たと。」
ポッくんは考えるに考えた。
「…僕、父さんに会いたい!」
…
「僕、気づいたんだ。普段は恥ずかしくて素っ気ない態度を取ってたけど、本当は父さんが大好きなんだ!」
ポッくんの決心に、三羽も顔を見合わせて頷く。
「そうだな。…俺もついていく!」
誰からともなくそう言い始め、ポッくんは「え…でも…」と呟く。
「大丈夫だ!俺らの仲だろ?」
そう言って「ニカッ」と笑う友人に、ポッくんは「…ありがとう!」と微笑んだ。
「もしかしたら可愛い子に会えるかもしれないしね」
もう一羽の鳩がそう言うと、「空気を乱すな」と、他の鳩がツッコんだのであった。
…
〜ポッくんの五言〜
「可愛い子に会える」とか言ってたのは鳩丸。
全国各地に友達がいるのは鳩太郎。
鳩丸にツッコミをしたのは鳩ノ介。
僕たちは仲良しコンビだよ。
みんな覚えてね!
………
「みんな…ありがとう!」
ポッくんは改めて三匹にお礼を言うと、「ニコッ」と微笑んだ。
元気を取り戻したポッくんを見た三匹も安心して、釣られて微笑んだ。
「じゃあまずは、道を確認しようぜ!」
話を切り出したのは鳩太郎。
鳩太郎は友達が沢山いるため、知識が豊富!まさに歩く辞書だ。
「そうだな!ポッくんのお父さんはどこに行ったんだ?」
鳩ノ介に聞かれ、ポッくんは「そもそもその話を今知ったんだけど…。」と苦笑いをした。
「ハッ」とした鳩ノ介は、「あ、そうかそうか、ごめん」と謝った。
「てことは…鳩太郎、よろしくな!」
「ニカッ」と笑う鳩丸に、「おう!」と返事をする鳩太郎。
「確か…老犬を見かけたのは…う〜ん…あ、思い出した!岡山のあたりのサービスエリアらしい!」
鳩太郎の言葉に、「ふむふむ」と相槌を打つ三匹。
四匹は円になると、真剣に作戦会議をし始めた。
………
みんな、おはよう。あるいはこんにちは。あるいはこんばんは。ごましおじゃ。
わしは今、安心と焦りで葛藤しておる。
なぜかって?うむ。今から教えよう。
…
時を遡って数分前…。
「ごま…もしかして…わしの顔が鳩に似とるゆーとんか!?」
そんなことを言ってクネクネと動き回る秀夫に、「こりゃダメじゃ、全然伝わっとらん」と諦め、ため息をついた。
が、ごましおはあることを思いつき、鳩を見て、ダメ元で「君…ポッくんを知っているか?」と聞いてみた。
「え…誰ですかね…?」
首を傾げて考え込む鳩に、「あぁ、なら鳩太郎はどうじゃ?」と付け加えた。
すると、「あ、はい!知ってます!どうしたんですか?」と返事が返って来た。
「おぉ、よかった。そこでお願いなんじゃが…」
ごましおがそう言いかけていると、いきなり秀夫に抱き上げられ、「はよ行くぞ」と車へ連れて行かれてしまった。
「わしの存在を!鳩太郎に伝えてくれ!リレーじゃ!」
ごましおは、走った事で疲れが溜まっていたので、秀夫に抵抗する事を諦め、最後の力を振り絞って鳩にそう伝えた。
「あ、はい!」
…
「“はい”と返事が返って来たのはええが、どうなったかの?」
ごましおが窓の外を見ながら考え込んでいると、ふと一羽の鳩がこちらへ飛んで来ているのが見えた。
今は赤信号で車が止まっているので、ごましおは二人にバレないように、静かに窓を開けてみた。
すると、「わーーっ!」と鳩が車に入り込んできた!
「しー!静かにするんじゃ!二人にバレたら追い出されるぞ!」
ごましおは小声で注意すると、鳩も理解したようで、翼で口元をおさえながらコクコクと頷いた。
「君はさっきの鳩か。車に乗って大丈夫なのか?ここから遠くまで行くぞ?」
ごましおが尋ねると、鳩は「え!そうなんですか!?あたち日本一周目指してるんでいいですよ!」と小声で返した。
「そ、そうか。うむ。じゃあゆっくり話そう。まず、鳩太郎にわしの言ったことを伝えられそうか?」
すると、鳩から「あ、はい!何ならもう伝えましたよ!」という驚異的な言葉が返ってきた!
「もう伝えたんか!?」
ごましおは驚いたことで腰を抜かし、「痛いの…」と呟きながら、「どうなったんじゃ?詳しく教えてくれ。」としりもちをついたまま続きを催した。
「あ、はい!えっと、その前に…あたちは鳩子です!あなたはごま爺さんですよね?よろしくお願いします!」
鳩子のコミュニケーション能力の高さに驚きながら、ごましおも「そうじゃ。鳩子、よろしくの。」と微笑んだ。
「じゃあ説明します!まず、さっきのサービスエリアから、ごま爺さんが言っていた通り、あたちが近くの鳩に伝えて、その鳩が近くの鳩に伝えて、って感じでリレーしていきました!まあ、要はバトンを渡す距離が超短いリレーみたいな感じですね!それで、鳩太郎くんたちのところまで『老犬が“ポッくん”って言ってた』という情報を届けたんです!」
早口の説明に、「そうか…。…ん?…老犬…?」と混乱しながらも、ごましおは頭の中で情報を整理し始めた。
…
〜ごましおの頭の中〜
つまり、
鳩子→鳩A→鳩B→鳩C→…………→鶏太郎
ということか。
…ん?鶏太郎?あぁ、間違えた!鳩太郎じゃ!
いかん、“鳩”という漢字を見すぎて目がおかしくなってきた!
…
「で、返事が返って来たんですけど、『ポッくんがお父さんに会いたいらしいから、今からそっちへ向かう』だそうです!」
鳩子の言葉に、「ほうほ…うぅぅぅぅ!?!?」とごましおはまたもや驚いた!
「そりゃいかん!鳩子、じゃあ情報を伝えてくれ。端的に言うぞ。わしらは今引っ越しをしているが、すぐにわしが止めてそちらへ引き返す。だから、友達と一緒にそこで待っていろ。」
ごましおはそう言うと、「ふう。」と一息ついた。
「分かりました!すぐ伝えますね!」
鳩子は窓の外を見ながら、そう答えた。
丁度良いタイミングでまた赤信号になり、鳩子は「あ!そこの鳩!鳩太郎くんに『引っ越しを止めてすぐに引き返すからそこで待ってろ』って伝えてくれなーい!?」と大声で叫んだ。
「ポッポー(意味:りょうかーい)」
鳩子は「一仕事した!」と一息つくと、ある事に気がついた。
なんと、前を見ると秀夫と春子が一斉にこちらに振り返っていたのだ!!
バ レ た
………
同時刻、陽湖と杏湖は会話をしていた。
「どうする?春子さんたちにいつ連絡する?」
陽湖が聞くと、「う〜ん、今日の夜向こうに着くでしょう?明日は色々大変でしょうから…明後日とか?」と杏湖が答えた。
「でも、どうせ引き返してもらうんだし、向こうで生活する準備を整えてもらったら困るでしょ」
そんな陽湖の言葉に、「確かに!」と頷くと、「じゃあ、明日の朝、しちゃお!」とイタズラっぽく笑った。
…
「ねぇねぇ聞いた!?飼い主さんたちのはなち!いった!ベロ噛んだ!?!?」
マロが「わーっ!」と騒いでいると、「あちゃー、大丈夫?」とミケが聞いた。
「痛いよ〜!見て!血!血出てる!?」
マロがミケにそう聞くと、モモが横から来て、「もう、気をつけてよね!口の中の怪我は治りが早いって前飼い主さんが言ってたから、大丈夫だよ」と猫パンチをした。
「なんでっ!?」
行動と言葉が真逆なモモであった。
「んで、なんて言ってたんだ?」
カルべが聞くと、「あ、そうそう、ごま爺のところに電話するの、明日の朝らしいよ!明日は早起きだぁ!まぁ?僕は?いつも早起きだけどね???」とマロは自信満々に答えた。
「ケロッと治って良かったなぁ。…ん?オイラ韻踏んでね?」
そんなこんなで騒いでいると、ふとミケが「あ!みんな静かに!」と大声で言った。
「ミケ姉が一番声大きいよ?」
マロの言葉に「あっ」と恥ずかしくなったミケだが、「くりちゃんとあんこちゃん、寝ちゃった!」と四匹に教えた。
「え〜!可愛い〜!」
モモはそう小声で言うと、「ふふっ」と微笑んだ。
「よぉ〜し!僕も一緒にねーちゃおっと〜!」
勢いよくゴロンとくりとあんこの隣で転がったマロ。
「あ、マロずるい〜!モモも!!」
すると、モモも続いてポテっと寝転がった。
「あ、オイラも!」
「…しかたないな」
カラら、カルべも続いて同時に寝転がると、四匹は「ミケ/ミケ姉/ミーちゃんもおいで!」と微笑んだ。
「!!」
ミケは目を丸くして驚きながらも、喜びを隠せないようで。
「ありがとう!!…みんな、おやすみ!」
明日も良い一日になりそうです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
前回のクイズ
秀夫と春子はサービスエリアで何を食べたでしょう?
前回の答え
たこ焼きを食べていた でした!
クイズ
ごましおがサービスエリアで出会った鳩の名前は何でしょう?
答えは次回の後書きに書いていますので、よければご覧ください。
次回投稿は、完成次第の投稿となりますのでご承知ください。
小説は楽しく読んでいただけましたでしょうか?
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
よければブックマーク、評価をよろしくお願いします!
次回もよろしくお願い致します!




