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にゃんにゃん冒険隊 [事件解決!]  作者: みらい
第一章 爽やかな風と共に
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第八話 ポッくんの生まれた事

「マロくーん、モモちゃーん、あともう一匹の子、どこー?」

遠くから看護婦の美咲の声が聞こえてきた。


「あっ、さっきの看護婦さんだ!」

声に気づいたマロは、立ち上がり「ここだよ」とミャーンと鳴いた。


マロの声に気づいた美咲が、小走りでやってきた。

「みんな、ここにいたのね。あ〜、よかった。」

そう言って、みんなの前にしゃがんで頭を撫でた。


「今日は、陽湖さんお仕事で帰ってこないから、うちで預かることになったの。

 だから、みんな子猫たちと一緒に泊まって行って頂戴ね。」

そう言って立ち上がった。


マロとモモは、「どうしよう…」と言って顔を見合わせている。

ミケは、美咲の様子をじっと見ていた。


「あっ、そうそう、みんな頑張ってたからお腹が空いたでしょ?

 ご飯の準備をするね!」

そう言ってみんなを見渡したが、喜んでいるのはマロだけだった。


「じゃあ… その前に、おやつかな?」そう言って、美咲がポケットからある物を出した。

みんな大好きなおやつだ!

それを見た、マロは目を見開き、今にも飛びかかる勢いで、美咲の元へ走って行った。

モモも、目を輝かせて美咲のところへ行った。

そして、二匹は「おやつ!おやつ!」と「にゃーにゃー」鳴いた。

その様子を、ミケは口をポカンと開けて見ていた。



美咲は、二匹におやつをあげながら、遠くで様子を見ていたミケにチョイチョイと手招きをした。

「君も、こっちに来て食べてみて。」

そう言われたミケは、おそるおそるやってきた。

そんなミケに、おやつを食べ終わったマロが、口の周りを「ペロン」となめ、「ミケ姉、おやつ食べないの?」と言いながらやってきた。

「実は、食べたことないんだ…」

ミケは、寂しそうにそう言った。

「じゃあ、食べてみなよ、美味しいよ。」

マロは、美咲の手元のおやつを見ながらそう言った。

「じゃあ、食べてみるね!」

ミケは、思い切っておやつを一口ペロリとなめた。

「!?何これ、おいしい!」

ミケは夢中になって、おやつをなめ出した。

その様子を、マロが満足そうに見守っていた。



そんな猫達の様子を見ていた美咲は、(あの子、おやつを知らないみたい。もしかして野良猫だったのかも)と思った。

「じゃあ、みんな一旦成田先生の所に行こうか。」

美咲は、三匹をさっきまでいた部屋に連れ戻った。


「先生、三匹の猫ちゃん達見つかりました。

 君たちは、子猫ちゃんとここでまっていてね。」

そう言って、美咲ちゃんは成田先生のところへ向かった。


「先生、あのミケ猫の子、もしかして野良猫だったのかもしれません。ちょっと名簿を調べてみます。」

猫島には、動物病院はここにしか無いため、飼い猫ならここの名簿に登録してあるはずだった。

今日連れてきた、六匹の子猫も仮に陽湖の飼い猫として、名簿登録し、予防接種を行っていた。


「やっぱり、名簿に載って無いですね。この際、子猫と一緒に登録しておきますか?」

美咲は、名簿から目を離し成田に聞いた。

「そうですね、じゃあ陽湖さんの名前で仮登録しておきますか。

 それと、美咲ちゃん予防接種の準備をお願い。」

成田は、そう言うとミケを診察台の上に連れてきた。

「えーと猫ちゃん、名前は…」

そう考えていた成田の横から、予防接種の準備を終えた美咲が「『たま』はどうです?」と言いながら顔を出した。

それを聞いた、ミケ、マロ、モモはびっくりしたような顔で、違う違うと顔を横に振った。

「どうやら、違うみたいだよ。」

三匹の様子を見ていた成田は、笑いながらそう言った。

「じゃあ…」そう考えながら、ミケを見ていた美咲に、マロとモモが「これこれ」と、ミケの模様を指さした。

「ミケ猫だから、ミケでいいんじゃないですか。」

成田は、そうぽつんと言って、再び準備し始めた。

ミケは、(みんな、おんなじ考えなんだなぁ。)と思いながら、成田を見つめていた。

マロとモモも、満足げに頷いていた。

「じゃあ、ミケで名簿登録しておきますね。」

そう言って、美咲は名簿の登録を始めた。


「ミケちゃん、ちょっと痛いけど我慢してね。」

成田はそう言って、ミケに予防接種の注射をした。



「今日は、みんなここで休んでね。」

美咲ちゃんがそう言って、三匹を休憩ルームに案内した。

その部屋の中には、ごましおが待っていた。

「ごましおくん、なにかあったら、吠えて教えてね。」

美咲ちゃんは、ごましおの頭を撫でながらそう言って、部屋を出て行った。

ごましおとミケ達が知り合いだと分かった美咲は、「同じ部屋でも大丈夫だ!」と分かり、四匹を同じ部屋に入れた。


「ごま爺、もう大丈夫なの?」

三匹は、ごましおの元へ行ってそう心配そうに言った。

「あぁ、なんとかな。安静にしておけば大丈夫じゃ。

 もう、愛護センターの仕事は無理じゃな。あそこの檻のなかにいたのがこたえたみたいじゃ。」

遠くを見つめながら、そう言った。

「ごま爺無理しないで、ゆっくり休めばいいよ。」

モモは、そんなごましおの様子を見て、優しい声でそう言った。

「そうそう、ゆっくり休みなよ、今度遊びに行くからさ!」

「ごま爺お疲れ様でした!」

マロとミケも、それぞれごましおに声を掛けた。

それを聞いたごましおは、「しばらくは、猫山駄菓子屋店でおとなしくしておくわい。

 九郎兵衛のやつにも教えとかんとな。無茶してまた愛護センターに連れて行かれても知らんぞ。

 あいつは、今どこにおるんじゃったかの?」

ごましおの言葉に、モモがピクンと反応した。

「クロなら、別れ際に猫商店街に行くって言ってた」

ごましおは、モモの方を見ながら「ふむ」と考えるようなそぶりをした。

「猫商店街とは、ちと遠いの。」

ごましおが、困った顔をしていると、「じゃあ、僕が行く!」

マロがそう言って立ち上がった。

「マロったら、おバカさんね…クロの顔知ってるの?私も一緒に行くわ。」

モモもそう言って立ち上がった。

「じゃあ、私が道案内するね。」

ミケが、微笑みながら言った。


「ほほー、そりゃ助かる。急ぐ話じゃないが、みんなよろしくな。

 わしは、猫山駄菓子屋店でまっておるからの。

 あそこにゃ、コケンとポッくんがおって暇せんわい。」

ごましおの言葉にミケは思わず「プッ」と吹き出した。

「『ポッくん』って、まだあそこにいたの?」

そう言って笑い出した。


マロとモモは顔を見合わせて、首を傾げた。


「そうか、みんなが来た時は、ポッくんはおらんかったからの、コケンは知っとるじゃろ」

ごましおはニヤリと笑いながら、二匹に問いかけた。


「コケンってあの鶏だよね。」

「でもポッくんは知らない。」

マロとモモはそう言って、ごましおの方を向いた。


「そうか、今日はわしもここに泊まりじゃから、ポッくんのことを話してやるか…」

ごましおは、そう言って横になり、寛いだ体制になって話を始めた。



「コケーーーーーーーー!」

とある朝、コケンは叫んでいた。

「何故だ?何故ワシの下に卵がある?

 ワシはオスのはず、この雄々しく凛々しい鶏冠が物語っているはず…」

体の下にあった卵を見ながら、コケンは戸惑いながら呟いた。


「はっ!気づかないうちにワシが生んだのか?ワシは、オスメスの垣根を超えたのか?」

コケンはそう言いながら再び「コケー」と叫んだ。


それを見ていた他の鶏達が「ないわー、偶然卵が体の下に入ってたんだろ…」

そんな話をしていると、「まぁー、コケンは何を叫びょーるんね〜

 ん?あんた!それどしたん!

 ちょ、ちょっと、秀夫さん!早く、はよ来てー」

コケンの様子を見に来た、春子が慌てた様子で秀夫を呼びに行った。

「どしたんな」

と、秀夫がやってきて、コケンの様子を見た。

「なんでこいつ卵もっとるんな?」

卵に手を出そうとすると、コケンは威嚇して「コケー」と鳴いた。

「主人といえども、この卵は渡せん!」

コケンは、鋭い目つきで秀夫を睨みつけた。

「とりゃせんわ」

と言って、卵の様子を見た秀夫は、卵が鶏のものではないことに気づいた。

(こりゃ鶏の卵のじゃないの)そう思いながら、春子に言った。

「カンケーなーわ、ほっとけ。

 アイツの好きにさせとけ。

 わしゃ、これから菓子でも買いに行ってくるわ。」

そう言って、秀夫は家から財布と携帯電話を持って、「じゃあな。」と言って、体の向きをくるりと変えてカラオケへと向かった。

「まぁ〜、今行かんでもよかろうに…」

春子は、秀夫の背中に向かってそう言った。


その後春子は、一応秀夫が見えなくなるまで見送った。

そして、「はっ」とした春子は、「ハンカチ〜、ハンカチ忘れとるじゃ〜な〜!」

と叫んでいた。

「ふむ。危機は去ったようだな。誰であろうと卵は触らせん!」

コケンは翼をバタつかせながら、そう言った。


コケンは翼をバタつかすのをやめて、卵を温めようとした。

その時、“バキッ”っと小さな音がした。

「お、奥方!今卵がビキって言った!見てくださいぃぃ〜!」

コケンは、嫌な予感がし、青い顔をして、春子を呼んだ。

「まぁ、わかった、わかったから静かにしーや。」

春子は鼻に人差し指を当ててそう言った。


コケンは、卵を確認し、「我が孫よぉぉぉぉぉぉぉ!!いや、我が子よぉぉぉぉぉぉぉ!!」

と大きな声で言いながら卵の頭を撫で始めた。


「そこまでせんでもよかろうにのぅ…。まあええわ。部屋に戻っとこーきゃー」

そう言って、春子は家へ入った。


その時だった。

“バキッバキバキバキッ!”

「う…生まれる………我が子よーーーっ!」

コケンは、卵を天に捧げながら叫んだ。

“バキバキバキッ!”

卵に勢いよくヒビが入り、綺麗な灰色の嘴が見えてきた!

「コケーーーーーーーーーッ!」

コケンは「もう生まれる!」と思い、興奮して一応叫んだ。


嘴が卵の殻を突き破り、ついに鳥の赤ちゃんが姿を見せた。

「ポーーーーーーーーーーーーッ!」

コケンは、「う…うううう…生まれたー!でかした!我が子よーーー!」

そうはしゃぎながらも、生まれた子を優しく抱きしめ、地に膝をついた。

「なかなか良い声で鳴く…

 さて、名前…名前はどうするか…」

そう考えていると、「ぽーぽぽっぽぽ〜、ぽーぽぽっぽぽ〜、ぽー↓」そう歌い始めた。

「生まれた時も『ポーッ!』。今も『ポーッ!』か…。」

コケンは、生まれてきた子を地面に優しくおろしながらそう呟いた。

「うーん…コケッ」

コケンは、あごに手をやりながら「ポーッ」をヒントに名前を考えた。

「お前はオンツーか。」

コケンは生まれてきた子がオスだと分かった。

「じゃあ…ポッくん…ポッくんだ!」

コケンは名前を『ポッくん』にした!

「ポッくーん!ポッくーん!」

ルンルン気分なコケンは何回も何回もそう言った。


「ふんふふんふふんふふ〜ん!」

その時だ!

買い物から帰ってきた秀夫が上機嫌で鼻歌を歌いながらやってきた。

「ギョッ!」

ポッくんを見た秀夫は、10年に一回くらいしか出ない様な声を出してしまった。

「お…お…おおおお前。

 本当に鶏生んだのか…?」

秀夫はそう恐る恐る聞いた。

「は〜?そんなわけなかろーに。」

たまたま、秀夫の声が耳に届いた春子が、そう言いながら出てきた。

「ギョッ!?!?!?」

春子は、一生に一度くらいしか出ない声を出してしまった。


その時だった。

「ギョッギョッギョッギョ〜!」

ポッくんがみんなの真似をしながら歌い始めた!

「お…おぉう。」

秀夫は、そう言ってポッくんをまじまじと見た。

春子も続いて、「あはは。可愛いわねぇ」と言い始めた。


「そうであろう?ワシの子だ!立派な鶏になるぞ!」

コケンは、二人にそう自慢しながら胸を張っていた。

「この子はうちの子ね。」

「そうだな、うちの子だ!」

春子と秀夫に認めてもらえた。


その頃、その状況を密かに見ていた他の鶏は、「コケンのやつ、どうするんだろうな?」「さあ?あれハトだよな」そう言いながら、呆れ顔で外の景色を眺めていた。



そして、月日が経ち、ポッくんも成長したある日。

ポッくんは、小屋から外の様子を見ながら翼をバタつかせていた。

そんな様子を見ていたコケンは、ポッくんに語りかけた。

「はっはっは、息子よ、そんなに翼をバタつかせて空でも飛ぶつもりか?

 我らは鶏、飛べはせん…」

他の鶏達は(やっと気づいたか)と思ったが、結局気付いていないことに溜息をついた。

「おい、だれか教えてやれよ」

「いや、無理だ、前それとなく話したが、えらい剣幕で怒られた…」

そんな鶏達の声を聞いて、ポッくんは、コケンに話しかけた。


「とうさん、話があるんだ…」

神妙な顔で話し出したポッくんを、コケンは黙って見つめた。

「とうさん、実は僕ハトなんだ…

 その証拠に、これから空を飛んでみる」

そう言って、小屋の天窓の方へ飛び上がった。


「何をバカな…確かに姿は違うが、お前はワシの子だ、ワシが腹を痛めて産んだ鶏だ!」

コケンはそう言って「コケー」と鳴いた。

他の鶏達は(違うだろ!お前オスだろ、卵産めないじゃん!)と、心の中でツッコミながら様子を見ていた。


「とうさん、見てて。」

ポッくんは、そう言いながら天窓の外に出て、翼を広げた。

「止めろ、危ない、降りてこい…」

コケンが声をかけた次の瞬間。


バサバサっと、翼を羽ばたかせ、ポッくんが大空に舞い上がった。


「バ、バカな…飛んだ、だと…?」

コケンは、顎が外れる位に口を開け、呆然として呟いた。


そんな事は梅雨知らず、空を飛んだポッくんは、大はしゃぎで

「やった、飛べた。やっぱり鶏じゃなかったんだ。

 やっと、あの狭い小屋から出られた。

 これから自由だ」

と言いながら、飛んで行った。



「そういう感じだったんじゃ。」

ごましおは、話し終えた後、「はっはっは」と豪快に笑った。

「そうだったね〜。」

ミケも「あはは〜っ」とたくさん笑い、うっすら涙が出てきた。

マロとモモは、頭の上にまだ「?」があるが、どういう状況だったのかは大体理解できた。

「そうだったんだ?」

モモは、そう言って「プッ」と吹き出した。

「で、その後ポッくんはどうなったの?」

モモは、ごましおに聞いてみた。

「あぁ、結局その後すぐに帰ってきて、今も鶏小屋で暮らしておるよ。

 たまに外に遊びに行っておるがの。」

「へ…ヘェ〜」

マロは遠くを見つめながらそう言った。


「分かってないんじゃろ?」

ごましおは、「はっはっは」と笑ったままそう聞いた。

「ぎくっ!」

マロは、「ぜ、ぜぇ〜んぜん、そ、そんなことありませんけど?」

そう言いながら少し焦っていた。

「図星じゃろ〜」

ごましおはそう言いながらニコッと微笑んだ。



「よし、もうそろそろマロくん、モモちゃん、ミケちゃん、ごましおくんのご飯を持っていかないとね!」

美雪はそう言い、四匹分のご飯を二回に分けて持って行こうとした。

「美雪、私も手伝うわ。」

そう言って美咲は美雪の所まで行った。

「あ、お姉ちゃん!ありがとね!」

美雪はそう言ってもう二つの餌を渡した。

「よし、行こう!」

美雪は美咲がちゃんと餌を持てたかどうか、確認し、四匹の元へと向かった。



「そういえばお腹空いてきたね。」

マロは、お腹を「グーッ」と鳴らしながらそう言った。

「そうじゃのう、じゃが、もうそろそろご飯は来ると思うんじゃが…」

ごましおはドアの方を見ながらそう言った。

コツコツとうっすら足音が聞こえてくる。

「ご飯だよ〜」と声をかけて美雪と美咲が四匹分のご飯を持って部屋に入ってきた。

「どうぞ。」

二人はそう言いながら、四匹の前にそれぞれのご飯を一つずつ丁寧に置いた。

「ゆっくり食べてね。」

美咲がそういうと、美雪も続いて「ごましおくん、みんな食べ終わったら吠えて教えてね。」と言い、部屋から出て行った。


「いただきます!」

四匹揃ってそう言い、夜ご飯を食べ始めた。

「ちぇ、ドックフードがよかったのにな。」

マロはそうぶつぶつ言いながら食べていた。

ごましおにそれが聞こえ、「はっはっは」と豪快に笑いながらドックフードを食べた。

「美味しい、美味しいね。」

ミケはモモにそう言いながら、食べた。

「そうだね。これうちのより美味しいかも?」

モモは、そう言いながら「ふふっ」笑った。


少しして、四匹はご飯を食べ終え、しっかり水も飲んだ。

「ワンワンワン、ワオーン!」

ごましおは食べたことを伝えるため、大きな声で吠えた。

すると、「はいはーい」と返事がすぐに聞こえ、美雪と美咲が入ってきた。

「はーい、食べ終わったね。お水だけ置いとくね。」

美雪はそう言い、すぐに出て行ってしまった。

残された美咲は、「ごましおくん、お知らせありがとね。お水がなくなったらまたああいう感じで教えてね。」と言い、部屋を出て行ってしまった。


そして、何か思い出したかのようにすぐにまた美咲が来た。

「そろそろ寝ようか。電気も消すよー。ゆっくり休んでね!」

そう言いながら、美咲はササッと布団を用意し、部屋の電気を切った。

「じゃあまた明日。」

そう言い、すぐに部屋を出て行ってしまった。


「おやすみ〜。」

みんなでそう言い合った後、水を飲んで、順番にトイレに行って順番に寝始めた。

今日も無事、1日平和に終わった。


お布団はふかふかで、ひんやりしていて気持ちがいい。

そして、小窓から涼しい風が入ってきて寝やすい。

ドアの隙間から廊下の明かりと光が差し込んでくるのは眩しいけれど、それもまたいい。

今日はここで寝るんだ。

いい夢がみられますように。

そう願いながら、四匹は眠りについた。



「ミケー、今日は何して遊ぶ〜?」

とても優しい声。

「鬼ごっこ〜!」

とても元気な声。

「いいぞー!じゃあ、父さんも入れようぜ!」

お父さんの方を見た。

「いいね!そうしよ!」

お父さんの所に走って行った。

「あーそーぼっ!」

二人息ぴったり。

「いいぞー!じゃあミケ兄が鬼な!」

からかいの言葉。

「えーっ!?なんで僕ー?まぁいいけどねっ!」

そう言って10秒数え始める。

ミケは草むらに隠れた。

「じゅーうっ!」

微かに聞こえてくる声。


「へっへーん。ここなら見つからないぞー」

それから少したった。

「みーつっけたー」

見つかった。

「わー!ミケ兄だー!」

思わず、すぐにひっついて、すりすりしてしまった。

「へへん。次はミケが鬼ー!にっげろー!」

楽しかった思い出。

“でもそれはとうの昔の話。”



「み…ミケ…兄…?」

ミケは、思わず目が覚めてしまった。

「あ、…まだみんな寝てる。ミケも寝よ。」

その時だった。

“キィ”

ドアが開く音。

大きな影。

もしかして…

美咲と美雪は姉妹で同じ看護婦です。

次回は完成したら投稿します。

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[良い点] コケンとポッくん 面白いです  コケンは特に面白い 笑いながら読ませていただきました [一言] 2回目 読んでいます 面白いし続きが読みたくなります
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