第六十三話 勘案
いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!
前回の振り返り
思いは固く、結局引越してしまった二人。
だが、陽湖たちもまだ諦めていなかった。
そして、「もうダメだ」と言うモモに、ミケは「未来を変えよう」と一言。
四匹は再び希望を取り戻す。
引っ越しを止めるチャンスは春子たちに“電話”をする時…!?
今回も楽しんで読んで頂けると、幸いです。
「みんな!チャンスは、マロくんとモモちゃんの飼い主さんが電話をする時だよ!」
…
そんなミケの言葉に、「ふむふむ………。」と真剣に考え始める四匹。
「そうだぁ!電話越しでオイラたちが楽しそうに会話するのはどうだぁ?」
カラらは四匹の様子を伺いながら言ってみた。
「…どゆこと?」
マロは首を傾げながら「キョトン」とする。
「楽しそうにして、“懐かしい”とか、“いいなぁ、帰りたいなぁ”とか、みんながいる場所が、やっぱり一番楽しいって思ってもらうってこと?」
モモがそう尋ねると、「そうそう!」と、カラらは自分の思いが伝わって嬉しそうに頷いた。
「ま、いいんじゃない?」
「いや上から目線!!」
カラらはマロにそうツッコんだ。
「良いと思うよ!ごま爺にもその会話が聞こえたら、向こうは向こうで作戦立てるかもだし!」
「ニコッ」と微笑むミケに、カラらは「ホッ」とした。
「確かにな。オレもいいと思うぜ。」
カルべがそう言うと、モモも続いて「モモもいいと思う!」と頷いた。
「みんな〜!お昼ご飯にしましょ〜!」
陽湖の声に、「ご飯!?!?ご飯!ご飯!!」とマロが飛び跳ねる。
そんなマロを横目に、「もう、うさぎじゃないんだから。」とモモは呆れる。
「じゃあ、とりあえずこの作戦で様子をみよう!」
「うん!」
ミケの言葉を聞いて、四匹は口々に返事をした。
…
ごましおは考えている。
「どうにか引っ越しを止めたい」と。
ごましおは、グルグルと勘案する。
少し、ごましおの考えを覗いてみよう。
…
ううむ。しかしどうするかの。
今更「嫌じゃ嫌じゃ」と駄々をこねても通用せんじゃろう。
ここはミケたちに頼むしかないか…?
取り敢えず、向こうの様子を見るしかないか。
そこからどうにかするしかない。
それはそれで情けない気もするしの…。
そうじゃ!
部屋の隅にずっと固まって、怯えたようにすれば良いかもしれん!
じゃが、わしの性格からして、そこまで深く見られんか…?
うーん。どうしようか…。
…
とにかく、ごましおは考えるに考えていたのだ!
…
「カリカリ」と勢いよく何かの音が聞こえる。
その正体は…マロだった!
マロは、「ガツガツ」と効果音がつくくらい、食べっぷりがよかった。
「…。マロ、あんまり急いで食べてたら喉詰まるよ?」
呆れ顔でマロを横目で見るモモに、「だって、美味しいんだもん!」とご飯を口の周りにたくさんつけて言う。
「誰も取らないから大丈夫だよ!」
そんなマロを見て、ミケは「フフッ」と微笑みながらご飯を「パクパク」と食べる。
すると、くりとあんこまで一生懸命ミルクを飲み始めたのだ!
「ほら、二匹まで真似しちゃってるから!落ち着いて!食べて!」
モモは「もう、口の周り、ついてるよ」と言いながら注意をした。
「僕はいつだって落ち着いてるよ?」
「何を言っているのかわからない」とでも言いたげなマロを見て、モモは「こりゃ、もうダメだ」と諦めたのだった。
すると、ふと、陽湖と杏湖が話しているのが耳に入った。
「そういえば!黒猫くん、足を怪我してたわよね。元気すぎて忘れてたケド…。病院に行ったほうがいいよね…?」
陽湖の問いに、「う〜ん、まあ、そうよね…」と悩みながらも答える。
「飼い主さんも近くにいなかったみたいだし、かといって、自分のお家に帰ろうとはしてないみたいだし…、やっぱり野良猫かしら?」
カルべを「ジッ」と見ながら、「はぁ、」とため息をつく陽湖。
「色々と大変だねぇ」
そんな陽湖に、杏湖は「あはは」と苦笑した。
「あ!そうよ、病院に行くのなら、黒ちゃんの名前を決めないといけないわ!」
ふとそのことに気づいた陽湖は、再び「う〜ん、う〜ん」と悩み始めた。
「普通に“クロ”とかでいいんじゃない?シンプルが一番よ!」
杏湖の言葉に「確かに」と納得する陽湖。
「“クロ”にしちゃう?」
そうカルべに問いかけると、カルべは全力で首を振っていた!
「いやいやいやいや!オレはカルべだ!正真正銘の!誰が“クロ”だ!」
物凄く嫌そうな顔をするカルべに、ミケたちは苦笑いをした。
「う〜ん、でもなんか違うような…。なんかこう、もっと変わってるのとか…」
「…ん?誰が変わってるって?」
眉間にシワを寄せながらカルべはそうツッコむ。
「…カルべ。」
ふと杏湖が呟いた。
「へ?」
「“カルべ”がいいと思うわ!だってこの子、胸のところだけ白い毛だから!あの、朝のニュースに出てくるカルベさんの蝶ネクタイに似てるの!」
杏湖の説明に、「あ〜!確かに!いいわね!」と陽湖は満足げに頷く。
「すごいっ!よかった!カルべくん!」
ミケはカルべを見ながら微笑む。
「カルべって、カルベさんに似てるからカルべになったの?」
マロの純粋な疑問に、カルべは「違うわっ!」とキレ良くツッコんだ。
「じゃあカルべくんね。あ、カラスくんも…」
ふと、カルべの隣で「パクッパクッ」とご飯を食べている、カラらの名前も決めていないことに気づいた陽湖。
「う〜ん、カラスだからカララとかでいいんじゃない?」
「そうね!」
「なんかオイラだけ適当じゃね?あとカラらな」
そうして、奇跡的に二匹の名前が改めて決まったのだった!
…
「じゃあ、お昼ご飯を食べ終わったら病院行きましょうね!カルべくん!」
そう言って微笑む陽湖。
「うっす。…病院ってどこだ?」
首を傾げるカルべに、「そこから!?」と三匹はずっこける。
「いや、オレとカラらは、ずっと野良やってきてるからそーゆーの分かんねぇんだよ」
そう言ってカルべとカラらは苦笑する。
「そう言うことね!う〜ん、僕も良く分かんないけど、………こ!!!わ!!!い!!!」
「うおびっくりしたぁ〜」
突然のマロのビックボイスにカルべは驚く。
「そんなに怖いところなのかぁ?」
カラらは顔をしかめながら聞く。
「うん、すっごい怖い!しかも痛いし最悪だよ〜…。注射とかされるんだよ!」
そんなモモの言葉に、「えぇっ!?」と二匹は驚く。
「怖っ!え、注射って、あの針みたいなやつ…?」
「そうそう!」
四匹の会話を聞きながら、ミケはカルべの足を遠目で見ていたのだった。
…
昼食を食べ終わると、陽湖と杏湖は病院へ行く支度を始めていた。
「行きたくねぇな、てかもう痛くねぇし!」
カルべは「はぁぁぁ」と大きくため息を吐いた。
そんなカルべに、マロは「ま、頑張れっ!」とウインクした。
そんなマロを見てイライラしているカルべに、ミケは「あはは…」と苦笑いした。
…
頑張って抵抗するカルべを無理矢理車に乗せると、病院へ出発した。
車に乗ってしまうとすぐで、あっという間に動物病院へ到着した。
「ほら、カルべくん!行くよ!」
陽湖に抱っこされ、優しく撫でられると、カルべは「ホッ」としてしまった。
自動ドアを通ると、受付に看護婦さんが待っていた。
「今日はどうなさいましたか?」
優しく微笑みかける看護婦に、陽湖は「ペットの新規登録と、猫の足の怪我をお願いします」と言う。
「はい、分かりました。では、少し待っていてください。」
看護婦さんは、爽やかな笑顔を絶やさないまま、待合室へ手で案内した。
そして、陽湖はいつも通り「ペコッ」と礼をすると、待合室の真っ白な椅子に「チョコッ」と腰をかけた。
その隣に、ミケたちを連れて杏湖も隣へ座る。
「相変わらず、ここは綺麗ね。」
杏湖はそう言うと、「フフッ」と微笑んだ。
「そうね。ありがたいわ。」
そんなことを話していると、どこからか声が聞こえてきた。
「こんにちは!今日はどうなさいましたか?って、」
この声は…!
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
前回のクイズ
カラらとカルべは人間語でなんと言ったでしょう?
前回の答え
「行かないで!」と言った でした!
クイズ
秀夫と春子は車内で何を食べていましたか?
答えは次回の後書きに書いていますので、よければご覧ください。
次回投稿は、完成次第の投稿となりますのでご承知ください。
小説は楽しく読んでいただけましたでしょうか?
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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次回もよろしくお願い致します!




