第五話 コケンの歌
上空を旋回していた二羽のカラスが、急降下で降りて来て、ミケを取り囲んだ。
(やばい…どうしよう…
でも、やるしかない!)
ミケは、予想外の展開に戸惑ったが、油断せずに三羽のカラスを見回した。
その時、初めからいたカラスが、ミケに襲い掛かろうと飛び上がった。
それに合わせて、二羽のカラスも動き出した。
“ピピピピピピピッ”
【油断するな。
落ち着いて、一羽一羽の動きをよく見るんだ。】
ミケの頭の中に、いつもの声が聞こえて、消えて行った。
ミケは、声に従い、三羽の動きをよく見た。
ミケは、最初に飛び掛かってきたカラスの攻撃を、しゃがんでかわし、
横から飛んできた二羽目の攻撃を「ダダッ」と前に駆け出して避け、
後ろから低空飛行で飛んできた三羽目のカラスを、ジャンプで避けた。
ミケは、1回目の攻撃を避け切った。
(いけるっ!)
ミケは、この調子で避ける事に専念すれば、何とかなると思った。
その後も、二回三回と繰り返されるカラスたちの攻撃を、ミケは何とか凌いだ。
こっそりと覗いていたモモは、小声で応援していた。
「ミケさん危ないっ!
右、左、あ!今度は後ろから!?」
(このままじゃ、ミケ姉が危ない…僕がなんとかしないと…!)
マロは、密かにミケを助ける事を決めた。
…
繰り返しミケに襲い掛かるカラス達だったが、中々捕まえられない事に業を煮やした一羽のカラスが「カァ。」と鳴き、空へ飛び上がると、残り二羽も続いて飛び上がった。
カラス達は、木の枝に止まり、ミケを「チラ」「チラ」と伺いながら、何かを話しているように、「カァ、カァ。」と鳴いている。
一旦カラス達が離れた事で、ミケは気を抜いて緊張を解いてしまった。
カラス達は、その瞬間を見逃さず、「ギャー、ギャー、ギャー。」と大きな声で鳴き、一斉に飛び上がった。
油断していたミケは、その声に驚いて「ビクッ」となり、カラス達を見失ってしまった。
(カラスはどこに…?)
ミケは、キョロキョロと辺りを見回し、一羽のカラスが、こっちに向かって飛んできているのを見つけた。
「ハッ!あそこだ!
でも、他のカラスは…?」
ミケが、周りを見回しても、残り二羽は見つからない。
その間にも、カラスはどんどんミケに近づいてくる。
その時、隠れて様子を見ていたマロが、花壇の下から飛び出し、叫んだ。
「ミケ姉!カラスは一直線に並んでる!三羽同時にきてる!気をつけて!」
マロの言葉で全てを理解したミケは、カラスの方を向き、身構えた。
そして、ミケは目の前に迫ったカラスを、ジャンプでかわした。
しかし、そのすぐ後ろには、次のカラスが待ち構えていた。
ミケは、ジャンプで飛び越えた、一羽目のカラスの背中を踏み台にし、クルリと体を回転させ、二羽目のカラスの横をすり抜けた。
しかし、流石のミケでも、空中では思うように身動きが取れず、三羽目のカラスの攻撃を避けきれず、カラスの鋭い脚の爪がミケの右耳を掠った。
「キャッ」と声を上げ、ミケは地面に叩きつけられた。
「ミケ姉!大丈夫?」
マロは、ミケのそばに走り寄った。
「なんとか…大丈夫…」
そう言ったミケだが、実は体力もかなり消耗していて、激しく動けそうにない。
「僕も戦う!」
マロは、いつになく「キリッ」とした顔でそう言った。
「それじゃあ私も!」
いつの間にかやってきていたモモも、マロに並んでそう言った。
「みんな、でも…」
そう言いかけたミケの言葉を、マロが遮った。
「見て!奴らは待ってくれないよ!」
マロの見ている方に目をやると、三羽のカラスが待ち構えていた。
「じゃあ、僕が一番手前のカラスに突っ込むから、残りの二羽をお願い!」
二匹の反応を聞かず、マロはカラスの方に走り出した。
「じゃあ、私は右のカラス!」
モモも、そう言って走り出した。
ミケは、二匹を止めたかったが、今は体が思うように動かず、流石にカラス三羽の相手は出来そうに無いと思い、マロのいう通りにする事にした。
「じゃあ私は左ね、みんな無理しないで!もうすぐ駄菓子屋さんのおばちゃんが帰ってくるはず。それまで耐えて!」
ミケは、そう言い、左のカラスへ向かって行った。
…
三匹は、連携を取りながら、ちょこまかと走り回り、カラスの攻撃の的を絞らせない。
お互いをフォローしながら、相手のカラスを見失わないようにしていた。
「へへ〜ん、余裕余裕〜
こっちこっち〜!」
マロは、カラスの動きに慣れてきて、尻尾をふりながら、余裕の表情でそう言った。
「マロくんっ!油断禁止っ!
後ろからカラスが来てる!」
ミケは、一羽のカラスを牽制しつつ、マロに注意を促した。
「あわわわわわわっ!」
後ろのカラスに気づいたマロは、あたふたと慌てた。
「危ないっ!横によけてっ!」
モモの言葉でマロは、「危なっ!」と、慌てて横に飛び退いた。
…
「ふむ、
何とか戦えているようだな。コケッ」
鋭い目つきで猫対カラスの戦いを見つめていた、一羽のニワトリが「ポツリ」と呟いた。
駄菓子屋さんのニワトリ小屋に住んでいる、ニワトリの「コケン」だ。
「わしゃ、ここを動けん。猫達よ…頑張れ!」
と、ニワトリ小屋の檻の中から、密かにエールを送った。
…
カラス達の激しい攻撃が続く中、「カチャ、カチャ、カチャ」と、駄菓子屋さんの屋根の上から物音が聞こえてきた。
ミケは、物音に気づき、「ハッ」として屋根の上を見てみると、そこには黒々とした、大きなカラスが三羽こちらの様子を伺っていた。
新しいカラスを見たミケは、「ガガーン」と、衝撃を受けた。
(やばい、やばい、やばい。このままじゃもたない!
やられる…!)
その様子を見ていたコケンは、
「コケッ!こりゃまずい!コケコケコケッ!
待っておれ!!わしの歌で追い払ってやるコケーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
そう言って、コケンはバタバタと翼をバタつかせ、首でリズムを取りながら「コケンの歌」を歌い始めた。
「コケッ、コケッ、コケッ、コケッ、コッコー
コケッ、コケッ、コケッ、コケッ、コッコー
コケッ、コケッ、コケッ、コケッ、コッコッコ〜
コケッ、コケッ、コココ、
コケッ、コケッ、コココ、
コケッ、コケッ、コココッコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!コケ。」
コケンは歌い切った…やり切ったのだ!
が、カラス達は全く意に介さず、ミケ達を取り囲むように屋根の上から飛び降りた。
六羽のカラスに囲まれたミケ達は、一箇所に集まり身を寄せた。
「まずいよ!どうする?」
マロは二匹に問いかけたが、答えは返ってこない。
「ダメかもしれない…」誰かの呟きに、みんな同じ考えのようで、暗い顔で頷いた。
その時、六羽のカラスが一斉に襲いかかり、身を縮めて丸くなっている三匹に向けて、翼を打ち付けてきた。
カラスの強い力で三匹は吹き飛ばされ、ゴロゴロと転がって行った。
「うぅ…」
三匹は、吹き飛ばされた勢いで、体をしこたま打ち付け、呻き声を上げた。
その様子を見ていたコケンは、
「やや、カラスども中々やるな…
このままでは猫達が危ない、もう一度、今度は魂を込めて行くコケッ!」
そう言うと、大きく息を吸い込み、再び「コケンの歌」を歌い出した。
「ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴッゴー
ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴッゴー
ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴゲッ、ゴッゴッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴゲッ、ゴゲッ、コココ、
ゴゲッ、ゴゲッ、コココ、
ゴゲッ、ゴゲッ、コココッコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!ごほっごほっ。」
コケンはまた歌い切った… 今度はどうだ?
…
近くでギャアギャア騒ぐニワトリに、イライラしてきた一羽のカラスが、ニワトリ小屋の屋根に飛び乗り、「カァカァ」鳴きながら揺らしてきた。
「ヒィ、勘弁してくれ〜」と、コケンは情けない声を出した。
カラス達は、そんな様子を見ながら勝ち誇ったように「カァーー!」と、一際大きく鳴いた、
(うるさいなぁ、静かにしてよ…)
ミケは、連戦の疲れと、吹き飛ばされた痛みで薄れていく意識中で、遠くから聞こえてくる懐かしい声を聞いた。
「まぁ、カラスが来とらぁ〜!ゴミあんなに散らかして〜!
いけんいけん!ごまちゃん追い払って!」
遠くに犬を連れた、おじちゃんとおばちゃんがいた。
「ミ………ん!?ミケちゃ…!ミ……」
…
「ん…?あれ?ここどこ?」
ミケが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋の中だった。
「やっと起きたか。」
横から声が聞こえた。
ミケは、「パッ」と起き上がって声のする方を見た。
「あなたは…?」
ミケが見た方には、老犬が心配そうに座っていた。
「わしは、ごましおじゃ。
ごま爺じゃよ。思い出せんか?」
ミケは、目覚めたばかりで頭が回らず、不思議そうな顔をして問いかけた。
「ごま爺さん、ここはどこ?」
ミケは、体ごとごましおの方に向けながら言った。
「ここは猫山駄菓子屋店の、奥の部屋じゃ。」
ミケは、やっと思い出して、「ハッ」とした。
「ごま爺!愛護センターから帰ってきたの?」
ミケは、餌をもらいにきたときに、ごましおと何回か会ったことがあるのだ。
「そうじゃ。」
そう言いニコッと、笑みを溢した。
「どうしたの?」
「いや、実は愛護センターでな…。」
…
ごましおが話し出したと同時に、モモが目を覚ました。
「ん。
へ?ここどこ?
マロ、起きて!」
モモは、そう言いマロを揺さぶり起こした。
「んえ?
まで寝たいよ〜!じゃあおやすみ〜!」
そう言って二度寝した。
モモは「全く〜」という顔をしながら、猫パンチで、マロを無理やり起こした。
「マロっ!!」
「はいぃぃ〜」
マロは、ひんやりとした布団の中から飛び出して、急いでミケの後ろへ逃げ込んだ。
「やっと起きた〜」
モモは、そうポツンと呟きながら、ミケ達の方へと歩いて行き、ミケの隣にいた、一匹の老犬と目があった。
「え!?ごま爺!?」
モモがそう大きな声で言うと、ごましおもモモの存在に気付いた。
「お?なんじゃ、モモか?お前どうしてここに…。
九郎兵衛とチビは一緒じゃないのか?」
そんな二匹の会話を聞いたミケは、「二匹は知り合いだったの!?」と驚いていた。
マロは、話についていけずに、だらしなく、口をポカンと開けて聞いている。
モモは、マロのことは無視して、昨日の愛護センターでの出来事を「かくかくしかじか」と話し始めた。
…
「なるほどのぉ。あいつら猫商店街に帰ったか。
で、そっちの子がマロくんか。よう頑張ったのう。」
ごま爺は、そう言ってマロを見た。
その時マロは、あまりの話の長さに居眠りしていたが、ごましおの声で目を覚まし、「はいっ!聞いてます!」と、姿勢を正して答えた。
「全くも〜」と、呆れ顔なモモが、「ごま爺とミケさんは、知り合いなの?」と聞いた。
ごましおとミケは、顔を見合わせて「ミケは、ここに時々お世話になってるんだよ!」と言った。
「そう言えば、あの後どうなったの?」
ミケは、ごましおの方を改めて向いて、そう言った。
「そうじゃのう。みんな起きた事じゃし、話をするかのう。」
そう言って、ミケ達が気を失った後の事を、話し始めた。
…
時を遡り、ミケ達が六羽のカラスに囲まれ、ピンチになっている時、
ごま爺を連れて、駄菓子屋さんの秀夫おじちゃんと春子おばちゃんが、愛護センターから、家(駄菓子屋)までもう少しの所に帰ってきていた。
その時、「ゴゲー、ゴゲー」と、コケンの歌が聞こえてきた。
「まぁ〜、あの子、朝でもないのにあんなに鳴いて〜。」
春子は、昼間めったに鳴かないコケンが、大きな声で鳴いている事に驚いた。
「鳴くときゃ鳴くわ。」
秀夫は、あまり気にしてないようだった。
しかし、ごましおはすぐに異変に気づき、ぐいぐいとリードを引っ張って、先に進もうとした。
「ありゃりゃりゃ!
ごまちゃん、急にどしたん!?」
ごましおに引っ張られ、家の近くまで行くと、猫達に襲いかかるカラスと、撒き散らされたゴミ箱のゴミが、目に飛び込んできた。
「まぁ、カラスが来とらぁ〜!ゴミあんなに散らかして〜!
いけんいけん!ごまちゃん追い払って!」
春子が、そう大きな声で行った。
「こりゃあいけん!ごま、行くぞ!」
そう言って、秀夫はごましおの首輪からリードを外した。
「ワン、ワンワンっ!」と吠えながら、ごましおは、カラスに向かって走りだした。
それを見た、秀夫も後に続いて、ニワトリ小屋の近くに置いてあった竹箒を手に取り、
「この、カラスのおんつーがぁぁぁぁぁぁぁ」と叫びながら、ほうきを振り回した。
突然の乱入者に、びっくりしたカラス達は、一斉に木の枝や、屋根の上に飛び退いた。
しばらく様子を見ていたカラス達だったが、執拗に吠え続けるごましおと、ほうきを振り回す秀夫の姿を見て、「これ以上は、ここにいられない。」と思ったようで、「クワァ!」と一声鳴いて、猫山の方に飛んで行った。
しかし、そのうち一羽が春子の方に飛んで行った。
突然飛んできたカラスに驚いた春子は、「あぁあぁ、あぶなぁ!こっちきょおらぁ!」と言って、身を屈めた。
その瞬間、手に持っていた買い物袋から、リンゴが一つ落ちて、コロコロと転がって行った。
それを見たカラスが、素早く足でリンゴを掴み、飛び去って行った。
「まぁ〜、ほんま、ヒデさんのりんご、持ってってしもうた。」
それを聞いた秀夫おじさんは、ほうきを投げ捨てて、カラスに言った。
「コラ!そりゃあわしのじゃ!
返せ!このカラスのおんつーがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そう、怒鳴り声を上げた秀夫だったが、その後投げたほうきを拾い上げて、散らばったゴミの掃除をし始めた。
そして、猫を見つけた春子が、奥の部屋に連れて看病を始めた。
…
「そう言う感じだったんじゃ。」
みんな、ごましおの話を真剣に聞いていたら、「ぐぅぅぅぅ。」誰かのお腹が鳴った。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!お腹すいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ねぇねぇ、もうご飯にしようよー!ね?ね?」
マロが、そう駄々をこねながら言った。
「そうじゃのう、話しが長すぎたのぅ。まずはご飯じゃ。
じゃあ、おばちゃん呼ぶから、待っててくれ。」
ごましおは、そう言って立ち上がり、隣の部屋に向けて吠え始めた。
「ワンワンっ!ワンッ!」
ごましおが吠えると、「はいはいはい」と、声が聞こえてきた。
ドアを開けて、顔を覗かせたのは春子だった。
「ありゃ?起きたんね〜。
じゃあ、ご飯持ってくるけぇ、待っといて。」
そう言って、どこかに行ってしまった。
「ハァ〜。どんなご飯かなぁ〜!楽しみぃ〜!」
マロは、春子のご飯を妄想し、よだれを垂らしながら「これ以上の幸せはない」みたいな顔をしながら待っていた。
それを見ていたモモは、「マロ!よそ様の家でよだれ垂らさない!」と言った。
ミケは、「あ、あはは…。」と苦笑いをしながら見ていた。
そして、ミケは、思い出したように言った。
「そう言えばモモちゃん」
「はい?」
モモが、そう返事を返した。
ミケが話をしようとすると、「ガラガラガラ」と音を立てながら、ご飯を持った春子が入ってきて、みんな一斉に注目した。
「また、後で話すね。」
ミケは、そう小声で言って、春子の方を向いた。
春子に、すぐさまマロが反応した。
「ご飯だぁ〜!」
マロは、しっぽをふりながらそういった。
「ほい、ご飯持ってきたでぇ。」
春子はそう言って、小声で「まてまて」と言いながら、三匹の目の前に、キャットフードを置いてくれた。
その後、春子は部屋を出て行ってしまった。
入れ替わりで秀夫おじちゃんが、「ごま、ご飯だぞ。」と言いながら、部屋に入ってきた。
そして、ごましおの目の前にご飯を置いて、秀夫おじちゃんはその場に座った。
「やれ。」
春子おばちゃんがそう言いながら、自分たちのご飯を持って、秀夫おじちゃんの隣に座った。
みんなが揃ったところで2人が言った。
「さぁ、お食べ!」
「いただきま〜す!」
四匹揃ってそう言った後、マロとごましおは、ご飯を豪快に食べ始めた。
ミケとモモは、そんな二匹を見て、呆れていたが、空腹には逆えず、ゆっくりとご飯を食べ始めた。
マロは、あっという間にご飯を食べ終わってしまった。
そして、隣でゆっくりご飯を食べているモモの餌に目をやり、「まだいっぱい残ってるじゃん、僕が食べてあげるよ!」と言って、お皿に顔を近づけた。
モモは、「結構よ」と言いながら、軽く猫パンチをした。
「私はゆっくり食べるの!」
と言って、再びご飯を食べ始めた。
そんな様子を見ていたごましおは、「なら、わしのを食え。」と、マロにご飯を差し出した。
「いやぁ、でもドックフードだからな〜…」
そう言いながら、クンクンと匂いを嗅いだ。
「若いんだから、遠慮せずに食え。ドックフードもキャットフードも似たようなもんじゃ。」
ごましおの言葉で、マロは恐る恐るドックフードを食べてみることにした。
「じゃあ、一粒いただきます…
ん?美味い!これはいける!」と言って、ガツガツと食べ始めた。
それを見ていたごましおは、「ガッハッハ。」っと、豪快に笑った。
隣では、ミケとモモが呆れ顔で見ていたが、気にせずご飯を食べることにした。
ご飯を食べながら、モモがミケに「さっきのお話って、なんだったんですか?」と聞いた。
ミケは、「あ、あれはね…」と話し始めた。
「モモちゃんは、いつも敬語使ってくれてるんだけど、使わなくていいよ、って話だったんだよ。」
ミケがそう言うと、モモは顔を輝かせて「じゃあ!」と話し始めた。
「じゃあ、ミケさんのこと、ミーちゃんって呼ぶね!私のことはモモたんって呼んでいいよ!」
モモは、嬉しそうに話した。
「分かったよ!モモたん」
ミケは、少し照れ臭そうにそう言った。
…
その時、駄菓子屋の外のニワトリ小屋から「一件落着」とコケンの声がコケーと一声聞こえた。
…
ご飯を食べ終え、みんながくつろいでいる中、ミケは窓の近くに行き、外を眺めた。
(森がざわざわしてる…
もしかして…!)
事件の知らせかも…!
おんつーとは、“オス”という意味です。
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