第三十二話 怪我は努力の証 ④
いつも読んでくださって、誠にありがとうございます!
今回の内容は、「第三十一話 微笑ましい思い出」の、モモや友花、結衣が登場するストーリーの続きです。
今回も楽しんで読んで頂けると、幸いです。
二匹は結衣の元に吸い込まれ、争い場(結衣とフクロウがいる所)についてしまった。
「ギャーッ!お兄ちゃん大丈夫?!」
「大丈夫大丈夫……って……大丈夫じゃねぇよ!!!」
そんな兄妹の会話を聞きながら、モモは眉間にシワを寄せた。
なんたって自分達の大っ嫌いなフクロウが目の前にいるからだ。
それは警戒しても仕方がないと言えるだろう。
「ねぇフクロウさん!お兄ちゃんをここから出して!」
友花は、フクロウに向かってガミガミと怒鳴り始めた。
「なぜだ。なぜ出さないといけない?」
フクロウが口を開く。
友花は、言い返してきた事に「ヴゥゥゥッ!」と唸り始める。
「フクロウさん!なんの目的!?」
モモも友花達の仲間入りをし、そう言った。
「なんだお主は。お前達には関係ない。こいつはわたくしの大切な宝物を奪おうとしたのだ!」
フクロウがクワッと怒鳴りかけてくる。
友花とモモは悔しそうにフクロウに歯を向ける。
「おい!フクロウ!これは何のつもりだ!俺達を閉じ込めても何もならねぇぞ?!」
結衣が声を上げると、首の角度を結衣の方にグッと変えた。
「「「うわっ首が…」」」
三匹全員が小声でそう言う。
「お前達は『フクロウ』と言うものを知らないのか!フクロウは首が360度まわろう!」
フクロウは呆れた様に言うと、「それと、フクロウは猫に飛びかかると、一撃さ!」と本当らしい冗談をついた。
一気に寒気が増した友花とモモは、「ヒィィィッ!」と後退りを一歩、二歩とする。
「どんなもんだい!飛び掛かれるもんなら、飛びかかってみろ!」
結衣が強気で言うと、フクロウは「ムッ!」とはぶてる。
「良いのだな?」
フクロウが鋭い爪を向けた。
「お兄ちゃん!何してるの!ダメだよ!飛びかかって、一撃になっちゃうよ!?」
友花は一瞬だけ心配すると、何かを思い出し、(あ、そっか。大丈夫なんだ。)と一息ついた。
「そうだよ!結衣くん!ダメだよ!」
モモは『消える』と言うことを知らずに言う。
(どうせ消えるんだし、大丈夫だろ。透けるし。)
結衣はすまし顔で、フクロウがかかって来るのを待っている。
(こいつ、ただ者ではないな?)
フクロウは微かにそう思うと、結衣に飛びかかった。
モモは目を瞑る。
シュッ
そう音がしただけで、何とも音がしない。
友花は「良かった…」と微笑む。
やはりフクロウが飛びかかっても、結衣はすまし顔だ。
フクロウの足は、結衣に一つも触れない。
それどころか『透けて、結衣の体にフクロウの足が刺さっている』、状態だと言えるだろう。
「なぬっ!?お主…おぬっ…おかしいぞ!?」
フクロウが驚きそう言うと、「ふっふっふっ!これが俺の力だ!」と結衣は決めポーズをした。
そんな結衣を見て、フクロウは渋々自分の定位置に戻る。
モモはそんなやりとりが聞こえ、片目ずつ、少しずつ目を開ける。
モモの瞳の中には、結衣が決めポーズを決めている所しか映っていない。
倒れていない。どこも怪我もしていないし、毛もはげていない。アザだってできていなかった。
モモは目を片手で擦り、もう一度結衣を見る。
やはり、結衣が決めポーズを決めている所しか映っていなかった。
(あれ?おっかしいな〜…でも怪我してなくてよかった!)
モモは深くため息をつくと、目をキリッと開いた。
「フクロウさん!あなた何のつもり?!モモたちを食べても何にも美味しくないよ!?」
「そうだよ!モモちゃんの言う通り!」
モモはフクロウにうんざりし、そう言うと友花も「うんうん!」とうなずきながら思わず笑ってしまった。
「おーい、ここから出してくれー」
結衣は自分のことを忘れてられていることに、棒読みで言い出す。
「あ!そうだった!」とばかりにモモと友花は結衣を見る。
「お主、ワシをなめていたら困るのぉ、」
フクロウはまだ引き下がらないままだ。
そんな時、モモ、結衣、友花は「HAHAHA!」といきなり笑いだす。
そんな三匹にフクロウは「!?」と何も言えない状態になっていた。
そう、これはフクロウがこちらを見ていない隙に考えた、三匹の作戦なのだ。
訳して、『おとり作戦』。
内容は、『三匹がいきなり狂ったように笑い出して、そのままモモだけはフクロウの後ろに向かう。友花は、フクロウがモモを見ている隙に、結衣を檻から出す』と言う作戦だ。
早速モモはフクロウの後ろへとゆっくり歩いて行く。
フクロウはモモを見つめ、後ろを向く。
「よっしゃ!友花、いまの隙だ!」
結衣がそう手で合図を送ると、友花は「うん。」と頷いた。
三匹の笑い声が迷路の中で響く中、友花はこっそり、慎重に鍵を開け始める。
が、その時だ!
「引っかかるとでも思ったか!」
フクロウの怒鳴り声が聞こえてきた。
「「「!?!?」」」
三匹はフクロウに注目を集める。
「ん…?待てよ。この口癖…もしかしてフクロウ、お前俺らのいとこか?!」
結衣がふと思い出し、思わず大声でいう。
「なぬ…!?もしかして…お主は…結衣と友花か!」
フクロウがハッとしてそういうと、合わせて友花も「あ!そうだった!確かにいとこいたねぇ!」と頷く。
話が全く読めず、モモは「え?」とばかりに目ばたきを何度もする。
ふとモモの存在を思い出し、友花は「あ!モモちゃんごめんごめん!忘れてたけど、フクロウさん。うちのいちこだった!」と、申し訳なさそうに言う。
「え、ええ?えぇぇぇ?!?!?!」
モモは驚き思わずしりもちを勢いよくつき、ゴロンと転がってしまった。
「まじかよっ!フクロウさん、いとこだったの!?」
「まじだよ??フクロウさんいとこだよ??」
モモと友花そんな会話を交わし、フクロウに目を向ける。
「すまぬ、すまぬ。確かに結衣と友花に似ておるなと、勘づいておったんじゃがな。まさか本当だったとはなぁ。」
フクロウは照れながらそう言う。
「いやそこは気付けよ!」
結衣はずっこける。
「あ、そこの白猫、二匹とどこで会ったのじゃ?」
フクロウは首を傾げながらそう聞くと、モモは「え…キラキラ光っていた…動物病院の病室…です…?」と目を丸くして言う。
「そうか、そうか…。では、結衣、友花よくやったな。もうそろそろで消えるんじゃろぅ。今までお疲れさんじゃったな。」
そんなフクロウの発言に、モモは「なに言ってるの?このフクロウ」とばかりに首を傾げた。
「わーーーっ!?!?それ以上言っちゃダメ!ゲームオーバー、ゲームオーバー!」
フクロウの声を打ち消すように言った友花に、フクロウは「なぁに、なぜじゃ?」と不思議そうにする。
「まだモモにはその事、一切言ってないんだよ。バカッ」
結衣が小声でフクロウに言うと、「なんだ!馬鹿とはなんだ!馬鹿とは!」と怒りだす。
友花と結衣は、そんなフクロウにお腹を抱えて笑い出した。
そんな二匹にモモはつられて笑い出してしまった。
「よし、お主たち、三匹なら信用できる。宝物を、よろしくな。」
フクロウは手を組み、「うん。」と満足げに頷き、消えていった。
「あ…先にいっちゃったね。」
「そうだな…。」
友花と結衣は隣同士にちょこんと座り、呟きあった。
そんな二匹を不思議に思ったか、モモは首を傾げる。
「あ、なんでもない!なんでもない!」
友花が笑って見せると、モモは「ふ〜ん…」と目を細める。
(やばい…バレちゃった…?)
友花はそう心配していたが、その心配は、必要なかった。
モモは疑うことなど全くせず、信用していたからだ。
そんな時に、結衣は好き勝手に歩き回れないことに気付いた。
「あぁ…ぁぁ…」
結衣が枯れた声を出すと、二匹はびっくりし、急いでパッと振り返る。
「お兄ちゃん?」
「結衣くん?」
二匹が聞くと、結衣は「失敗した」とばかりにか細い声を出す。
「鍵が…鍵がかかったままだった…」
前回の答え
雪菜は、親猫の名前を、『ニニ』と名付けた でした!
クイズ
マロとミケは、何個の人形をくわえたでしょう?
答えは次回の後書きに書いているので、ぜひご覧ください。
次回投稿は、完成次第の投稿となりますので、ご承知ください。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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次回もよろしくお願い致します!




