第三十二話 打ち明け記念日 ②
いつも読んで下さって、ありがとうございます!
そして、今回の投稿が訳あって遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回の内容は、「第三十一話 微笑ましい思い出」の雪菜や惺が登場するストーリーの続きです。
第十五話 協力の積み重ね の、雪菜、修達が登場する場面を少し変更したので、是非ご覧ください。
今回も、楽しんで読んでいただけると幸いです。
出産の準備のため、美咲は成田に猫を任せて猫が入るくらいの段ボール、温かい毛布を用意した。
そして成田は猫を抱いたまま、段ボールの中に毛布を敷いた。
成田は美咲が持ってきた段ボールに、そっと優しく猫を入れた。
「よし、美咲ちゃん、ありがとう。この子が安心して産めるように、一旦この部屋から離れましょう。」
成田がそう言うと、みんなで部屋を退室した。
野良猫はうろうろした後、「ニャーー」と一鳴きした。
まるで、「ありがとう」とお礼を言ってくれたようだった。
成田はほのかに微笑み、「頑張ってね」と囁いた。
出産の準備が終わり、後は出産を待つだけだ。
惺と雪菜も心配しながら待っていた。
一方、猫はぐったりしているが、ソワソワしている。
もうそろそろ生まれる証拠だ。
出産までのカウントダウンが聞こえてくる気がする…。
5、4、3、2、1、0
すると、子猫の姿が現れて来た!
母猫も痛みに耐えながら、必死に子猫を産んでいる。
「みっ…」
母猫がそう鳴くと、可愛らしい子猫が生まれてきた。
「あ!成田先生生まれました!子猫が生まれましたよ!」
美咲は子猫が生まれたことに気づき、飛び跳ねながら、静かな声でそう言った。
「あ!本当ですね!」
それに合わせて惺と雪菜も喜んだ。
「よし、よく頑張ったね」
成田は微笑みながら、もう一枚毛布を持って来た。
「これ、使ってね」
成田は、子猫についている膜をペロペロと舐めている母猫の元へ、子猫を温めるための毛布を渡した。
「みー」
その姿は、「ありがとう」と言っているようだった。
「では、僕は次の患者さんの方へ行かせていただきます。失礼します!」
成田が頭を下げると、「あ、はい!ありがとうございました!」と惺も頭を下げた。
成田が行った後、美咲が思いついたように話し出した。
「あ!そうそう、母猫と、子猫の名前、どうします?」
美咲の言葉に「何にしましょうかね…」と悩む惺。
「じゃあ子猫の名前は…トリプルちゃんとか…どうですか!?」
美咲の提案に二人は顔を見合わせて笑った。
「え!?どうしました!?私、何か変なこと言いましたか!?」
あたふたと慌てている美咲を見て、惺は「今は8月ですから…ハチくんとか…」と名前を考え始めた。
そんな惺の純粋な名前決めを聞き、「お!いいですねぇ」と美咲は微笑んだ。
「あ、ちなみにこの子達の性別って…」
惺は子猫を見ながら美咲にそう聞いた。
「はい。元気な男の子です。」
美咲は微笑み、そう言った。
「なら…ハチくんっていいね!」
雪菜は喜びながら、子猫に笑いかけた。
「じゃあ…ハチくんにしようか。じゃあ…母猫は…?」
惺は雪菜を見て微笑み、母猫の名前を考え始めた。
「この子、今何歳ですか?」
雪菜の問いに美咲は「生まれたのが一匹なので…二歳辺りだと思いますよ」と答えた。
「二…に…ニニちゃんとかは?」
雪菜は嬉し二人にそう言い、みんなの顔を見た。
「いいんじゃない?」
「かわいいですね!」
二人とも賛成したことを確認し、雪菜は「じゃあ、『ニニちゃん』と『ハチくん』ね!」と嬉しそうに話した。
惺が子猫の事を色々聞いていくうちに、(猫って…以外と可愛いかも…?)と思い始めた。
雪菜は自分自身に猫は嫌いと言い聞かせていたのである。
(本当は…ずっと猫を好きになりたかったのかも)
雪菜はニニとハチを見てそう思った。
それと同時に雪菜はニニを抱いてみた。
「みー」
そう静かに鳴いて、雪菜の頬をぺろ、ぺろ、と舐めた。
どうやら「助けてくれてありがとう」と言っているようだった
雪菜は一旦ハチを下ろし、それがきっかけで猫を好きになった。
こうなると可愛くて可愛くて仕方がない。
「ねぇ、お母さん!この子うちで飼うよね…?」
思わずそう聞いた雪菜に惺は「もちろん。責任を持って引き取らせてもらいましょう」と答えた。
(やった!)
心の中でガッツポーズをした雪菜は、(私、猫嫌いだと思ってただけで、好きだったのかもね…)と改めて思った。
「今日連れて帰ってもいいんですよね?」
「はい。あ、でも、まだあまり触ったりしないようにしてくださいね!二匹が警戒してしまうかもしれません」
惺と美咲の話し声を聞き、雪菜は今から楽しみになり、思わず微笑んだ。
「それと、健康診断、ノミやダニの駆除と予防、予防接種、避妊手術など、色々あるんですが、どうしますか?」
美咲の言葉に、「そうですね…健康診断と、ノミやダニの除去と予防をお願いできますかね?」と惺は答える。
「わかりました。」
美咲は微笑むと、何かをメモし始めた。
「あ、そうそう、後は…猫ちゃんの生活に必要な道具は揃っていますか?」
美咲は心配そうに惺に聞き、一つのゲージを用意し始めた。
「あ、はい。ベットにトイレに餌におもちゃ。あとゲージも大きなものがあります。」
惺は指を折って数えた。
「あ、それなら大丈夫ですね。それでは、これは私からのプレゼントです。」
美咲はそう言い、さっき用意していたゲージを惺に渡した。
「え!いいんですか!?ありがとうございます!」
惺はペコペコと何度もお礼をしながらゲージを受け取った。
「このゲージは私からのプレゼントで…実は成田先生からもあります」
美咲は微笑みながら、子猫用の哺乳瓶と、ミルクの粉を雪菜に手渡した。
「こんなにたくさん!本当にいいんですか?」
惺が聞くと、「いいんですよ。私たちがしたかったんです。それに、この子達を助けて下さったから、そのお礼です」と二人に微笑みかけた。
二人はそんな美咲に「ありがとうございます!」と深く礼をした。
「では、健康診断などもよろしくお願いします!」
惺が深く礼をした後に「それでは、待機室で待っていてくださいね」と美咲は言い、向こうに行ってしまった。
惺と雪菜は微笑みあった後、待機室の椅子に座って気長に待ち始めた。
…
雪菜はこの時間を機に、『猫が嫌いだった』と言うことを勇気を持って、思い切って惺に打ち明けることに決めた。
「ねぇねぇお母さん、実は私…」
雪菜が気まずそうにそう言うと、「ん?どうしたの?」と優しい声で雪菜の方を向いた。
「実は私ね、猫が嫌いだったの。」
雪菜がそう言うと、惺は「え!?そうだったの?!」と驚いた様子だった。
「うん。家族みんな猫好きだから…私、演技してたの。」
雪菜は演技が上手と言うことから、誰も雪菜の演技に気づいた試しがない。
しかも雪菜の将来の夢は女優で、3歳の頃からこっそり動画を見たりしながら演技の練習を始めていたのだ。
「まぁ、それは辛かったね…。気がつかなくてごめんね」
惺はそう言って雪菜をそっと抱きしめた。
「うん…。」
雪菜は抱きしめられたままうるうる目になった。
…
「成田先生、ニニちゃんの健康診断と、ノミやダニの駆除と予防をお願いします!」
「わかりました。準備を始めましょう」
成田がそう言った瞬間の出来事だった!
「みゃっ!」
ニニとハチが椅子から落ちそうになった!
前回の答え
マロは、びっくりしてオナラが出てしまった でした!
クイズ
千尋と修は何の晩ご飯を作っていたのでしょう?
答えは次回の後書きに書いているので、ぜひご覧ください。
次回投稿は、完成次第の投稿となりますので、ご承知ください。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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次回もよろしくお願い致します!




