第十三話 世界は変わる
「う…うそ…!?」
陽湖は最悪な展開に思わずそう叫んだ。
「マロくん…ミケちゃん…」
美咲も思わず叫んだ。
「記憶喪失…」
二人はそう言いながら。涙を目に溜めた。
陽湖はすでに涙がボロボロと溢れ出ていた。
「それって…記憶喪失って…治るん…ですか…?」
陽湖がそう言葉をつまらせながら言った。
「頑張れば…治る可能性があります…。」
成田はそう言って、一瞬だけ苦笑いをした。
話が聞こえてきたモモは、二匹が記憶喪失になってしまっている事がわかり、涙を流した。
涙が検査台に敷かれている布に染み込んできている。
「マロ……!ミーちゃん………!」
モモはそう叫びながらも、「モモのせいだ…」と自分を責め始めた。
なんで?なんでなんでなんで
二匹は…モモを、庇おうと…?
やめてよ、悲しくなるじゃん、苦しくなるじゃん、
大切だから、あなた達に辛い思いをして欲しくなかったのに、
なんで、モモじゃないの、
二匹がいなかったら、モモ…
ううん。
これは、神様からの挑戦状なんだ!
『仲間の大切さ』
そんな挑戦状なんだ!
モモは…。
絶対に絶対に、マロとミーちゃんを助けてあげるんだからっ!
…
子猫は男の子に抱かれたまま、その子の家まで連れて行かれてしまった。
「ミ…ミ…」
子猫は鳴きすぎて、喉が枯れ、声が出なくなってしまっていた。
「ここが僕の家だよ〜!」
男の子は自慢げに言った。
いたって普通の家だ。
「おかーさーん!」
男の子がそう叫びながら、玄関の扉を開け、靴を脱ぎ、靴を揃えて部屋の中に入って行った。
「まぁ、可愛いじゃない。」
台所で料理をしていた女の人は、そう言いながら振り返った。
男の子のお母さんだった。
「この子達、うちで飼っていい?」
男の子がそう言って首を傾げた。
「…ちゃんとお世話できる?」
お母さんは、そう聞いた。
「僕が、責任を持ってお世話する!」
男の子の言葉に、お母さんはにっこりと笑った。
それと同時に「その猫ちゃんは、野良猫?飼い猫?」とお母さんが聞いた。
それに対して男の子は、「うーん…飼い猫…なのかなぁ…。」と首を傾げていた。
それを聞いたお母さんは、「じゃあ飼い主さんが見つかったら、ちゃんと返すのよ。」と言って、男の子に小指を差し出した。
「うん!約束!」
男の子はあんことくりを、一旦床に下ろして、お母さんと約束をした。
「指きりげんまん嘘ついたら針千本呑ます!指切った!」
二人はそう言い切って、もう少しして、ペットショップへくりとあんこの生活に必要なものを買いに行くことにした。
…
その場で立ち尽くしていた陽湖の携帯が、病院中に音を響かせて、鳴った。
「杏湖か…。」
陽湖はポツンとそう言って、「もしもし…。」と、悲しげな声で言った。
「駐車場で待ってるよー。」
杏湖の声が、何故か、遠く感じた。
「うん…じゃあ行くね。」
陽湖はそう言って、早々と電話を切った。
「帰りますね。」
陽湖は、「もうこれ以上ない」と言うような切なげな声でそう言い、三匹を連れて、部屋を出た。
受付に向かい、お金を払い、下を向いて、杏湖の車へと向かっていった。
その時だ!
ブゥゥゥゥン
そんな音を出しながら、陽湖の真横に紅色に染まった一台の車が走ってきた!
「…。」
陽湖は気がづかないまま、轢かれそうになった!
そんな時だ!
「シャーッ!」
モモは毛を逆だてて、陽湖の腕の中から飛び出た。
「モモ!?」
陽湖はそう言いながら、車を目にした。
その様子を見ていたマロとミケは、いつのまにかモモの隣に並び、毛を逆だてていた。
「マロ!?ミーちゃん!?」
モモはびっくりして、そう大きな声で言ってしまった。
「シャーッ!」
二匹は一生懸命だった。
モモは、目を閉じた。
“もう、どうにでもなれーッ!”
ふわっ
気持ちのいい感触に、モモは、目を開けた。
三匹は、いつのまにか宙に浮いていた。
「わ!」
モモはそう言って、車を見た。
あの車はどこにもいなかった。
じゃあ飼い主さんは?
モモは、辺りをキョロキョロ見回して、陽湖を探した。
え?
陽湖はどこにもいなかった。
もしかして…。
モモは最悪な場合を思い浮かべた。
轢か…れた…?
「飼い主さーーーんっ!」
モモは目に涙を思いっきり溜め、そう叫んだ。
遠くからモモの声が小さくなって返ってくる。
でも、そこには飼い主さんの声はなかった。
モモは、「きっと妹さんの車の中に、先に入ったんだ!」と思い、手足をバタバタさせて、宙から降りた。
「あ!あそこだ!」
モモは、杏湖の滑らかな白の車を見つけた。
モモは早速駆けつけた。
キュィィィン!
変な音がして、モモは思わず足を止め、振り返った。
「え!?」
見ると、大きな渦巻きの中に、マロとミケが吸い込まれていっている!
「マロっ!ミーちゃんっ!」
モモは、一人取り残された。
何も言えない状況の中、モモは妹さんの車へと向かっていった。
駐車場の尖った石が、モモの足に突き刺さって、痛い。
「う…後もうちょっと…。」
モモはそう言いながら、車の間をすり抜け、妹さんの車にたどり着いた。
「飼い主…さん!」
モモはそう言い、ジャンプして車の窓につかまり、中を覗いた。
「誰も…いない…?」
モモはそう言い、車から滑り落ちてしまった。
「いった!」
モモはそう言って、ついたしりもちを撫でながら、叫んだ。
「みんな………どーこーーーっっっ!?」
そう、ここは………モモ以外誰もいない…“無限の世界”だから。
…
くりとあんこは、用意されたおもちゃで恐る恐る遊んでみることにした。
「た…楽しい!」
くりとあんこは口々にそう言った。
その様子を見た男の子も、「ホッ」と安心しているようだ。
「修〜!」
…
“無限の世界”に取り残されたモモは、どうすればいいかわからなかった。
「絶対諦めない!」
モモはとりあえず車の狭い間からすり抜け、一旦駐車場の出口に行くことにした。
「あ。」
モモは出口を見上げた。
それは、出口の門の鍵がかかってしまっていたからだ。
…
「どうしよう…!」
モモは、いよいよ慌て出してしまった。
さっきまでは「どうにかなるか。」と思っていたこの世界は、モモが思っていた以上に、厳しいからだ。
「まずはマロとミーちゃんを探さないと…!」
モモはそう呟き、「しっかりしろ!モモ!」とほうを思いっきりビンタした。
「よし、目が覚めたぞぉっ!」
モモはそう言って、一回背伸びをし、成田病院の中へと向かうことにした。
…
中へ入ると薄暗い病院が目の前に広がった。
「本当に誰もいないんだなぁ。」
モモの声が、病院全体に響いた。
ふと床を見ると、モモの周りだけが明るくなっていた。
あぁ、ああいう感じか。
ゲームってやつで、建物を探検するって感じかな?
それなら楽勝!
じゃないよ!
だって…これって…モモしかいないでしょ?
誰もいない病院イコールホラーでしょ?
こわいよぅ…。
でも、進んで行かなきゃ何にも始まらないよ!
モモは、自分にそう言い聞かせて、とりあえず周りをキョロキョロしながら前に進んでいった。
モモは気付くと猫ルームの前まで来ていた。
無意識にここまで来ていたなんて…。
「なんか、懐かしいなぁ。」
モモは、そう呟き、通り過ぎようとした。
が、その時、微かに後ろから“スタ、スタ、スタ、スタ”と足音がしている気がした。
「ヒッ!」
モモは恐怖のあまり声が出なかった。
恐る恐る、ゆっくりと足音のする方に振り返った。
「ッッッ!?」
黒い小さな影が見えて、モモは息を止めた。
「ふぅ。」
そう聞こえて、モモは声のするほうを見た。
すると、一匹の老猫が座っていた。
その猫は、茶虎で、優しい目つき、耳はピンピンとしていた。
それは、少し疲れた様にも見えた。
モモは思わず声をかけてしまった。
「あの…どうしました?」
モモがそう声をかけると、老猫は、驚いた顔で、「まぁ!」と言った。
「あなた…私が見えるの…?」
老猫はそう言って、モモの方をまじまじと見つめた。
「は…はい。」
モモは少しだけ目を逸らした。
「そっかぁ。」
老猫はそう言って、ニコッと微笑んだ。
「私も名前は『たま』!あなたの名前は?」
そう聞かれたモモは、慌てて「あ…わっ私は『モモ』です!」と答えた。
「そうなのね!可愛らしい名前ね。」
たまにそう言われ、モモは思わず満面の笑みを浮かべた。
「ところでモモちゃん、どうしてここにいるの?」
たまは首をかしげながらモモに聞いた。
「それが…わからないの…。」
モモは下を向いてそう言った。
「でも!仲間を探しに来たんだよ!」
パッと顔をあげたモモに対してたまは、ニコッと微笑んで、「なら、私も手伝うよ。」と言ってくれた。
「う…うんっ!」
モモはそう言って頷いた。
…
「そう言えば、誰を探しているの?」
たまはふと気づき、歩きながらそう聞いた。
「えーっと、マロっていう、双子の男の子と〜、モモの友達のミーちゃ…あ!…ミケっていう、女の子です!」
モモはニコッと笑いながら言った。
「そうなのね!じゃあマロ助くんとミケちゃんを探そうか。」
たまはそう言って、周りをキョロキョロ見た。
それを聞いたモモは、「あ、マロ助くんじゃなくて、マロくんです。」と苦笑いで言った。
「あの…」
モモが気まずそうに声をかけると、「どうしたの?」とたまが聞いた。
「マロは、狭いとこが好きなので、狭いところ行きません‥?」
モモがそう言って首を傾げた。
「そうなのね、早速行きましょう!」
たまはそう言って、狭い場所へと向かっていった。
それをモモはチョコチョコとついて行った。
たまが足を止めて、モモは、まわりをキョロキョロと見た。
「へぇ〜、こんなとこあるんだ!」
モモは思わずそう言ってしまった。
それを聞いたたまは、「ふふっ」と笑って「ここは、裏口だよ。」と言った。
「ふぅん。」
モモはそう言って、裏口をまじまじと見ながら、細かくマロとミケを探し始めた。
マロが特に好きそうな所でも、マロは見つからなかった。
物と物の隙間にも、狭い道にもいなかった。
「どこに行ったんだろ…。マロ…。ミーちゃん…。」
モモは、思わず暗い顔で呟いてしまった。
「ハッ」として、モモはたまの方を見た。
「まぁ大丈夫よ。必ず見つかるよ。」
たまは、モモの方を見ながら、笑顔でそう言ってくれた。
「うん…うん!」
モモはそう言って頷いた。
「ここにはいなかったからー…。逆に広い所とか〜、細かい所とか言ってみる?」
たまはそう言って、首を傾げた。
「はい!そうですね!」
モモはそう元気な声で言った。
「じゃあ行こう!私についてきてね!」
たまはそう言って、歩き出した。
「はい!わかりました!」
モモはそう言って、早速たまの後ろへとついていった。
モモは逸れない様にたまの後ろを一生懸命ついていった。
たまがいきなり足を止め、モモは不思議そうにまわりを見た。
すると、目の前には五、六個の蛇口がある手洗い場とそのすぐ隣にぞうきんやタオルが山ほど入ったダンボールが一、二個あった。
手洗い場のすぐ手前には、男性用トイレと、女性用トイレがあった。
「ここ?」
モモは首を傾げながらそう言った。
「うん、そう。」
たまはそう言ってトイレと手洗い場を見渡した。
「大体の《・》子がここにいるんだ。」
それに続けてたまは聞こえないくらいの声でボソッとそう言った。
「?」
モモは、たまをマジマジと見つめ、首を傾げた。
モモの視線を感じたたまは、慌てた様子で「あ、なんでもない、なんでもない!」と言った。
(口が滑ったぁ〜!)
たまはそう思いながら「ふぅ」と一息ついた。
早速二匹は手洗い場の下を見てみることにした。
「き…ぎゃーーーーーーーーっ!」
モモは思わず叫んでしまった。
そこには、蜘蛛の巣がたくさんあり、その中に巨大蜘蛛がいたからだ。
「何何!?」
たまは驚いた様子でモモの所へ駆けつけた。
「たまさん!蜘蛛が…蜘蛛がっ!!」
モモはあたふたと慌てながらそう言った。
「プッ、あ、あははははは!」
吹っ切れた様な笑い声が聞こえ、モモはたまの方を見た。
「あははっ!ごめんごめん!虫が苦手だったとは〜。」
たまは、笑って目に涙を溜め、「あ〜、お腹いた〜!」と言いながら、目をゴシゴシこすっていた。
「へへっ。」
モモは照れくさそうに笑って、またマロとミケを探し始めた。
二匹は手洗い場や段ボールの中など、探すに探したはずだ。
「う〜ん…いない…。」
モモは顔をしかめて「う〜!」とうなった。
…
「あ、でもトイレはまだじゃん?」
たまはそう言ってトイレの方を指さした。
「あ、そっか。じゃあ行きましょう!」
モモはそう言ってトイレまで走っていった。
「じゃあ〜、まず女子トイレからね。」
たまはそう言って、さっと女子トイレの方へと向かっていった。
「は、はい!」
モモは急いでたまに続いた。
「たまは右行くから、モモちゃんは左行ってね!」
たまはそういうと、早速一列目のトイレの扉の前に行った。
「は、はい!」
モモも遅れないように急いで一列目の扉の前へと行った。
「こっちはいないよ〜?」
たまは「そっちは?」と尋ねた。
「こっちもいません。」
モモがそう答えると、「じゃ、二列目!」とたまが言った。
「はい!」
モモは元気良く返事をした。
「こっちはいませんよ〜?」
モモはたまが何も言わない事に「変だなぁ。」と思い始めながらそう言った。
「?」
何も聞こえなくて、モモは耳をすました。
「…。」
やっぱり何も聞こえない。
「だ…れか……助け……て…。」
誰かの声がした。
とても不気味な声だ。
「え!?」
モモは思わずそう言った。
「か…帰ろう…!」
モモはそう言って、扉に向いてた体をくるりと出口へと回転させた。
でもやっぱり気になる。
「う〜っ!一か八か!」
モモはそう言い、3番目のトイレの扉をちょっぴり開けた。
「アハハハハハハ」
また不気味な声が聞こえた。
「ぎゃーーーーーっ!?」
モモはそう言って急いで女子トイレから出ようとした。
が、
「ふふふっ!」
左側の3番目のトイレからは楽しそうな声がした。
「たまさんかな!?」
モモはそう言って扉をちょこんと開けた。
「アハハハハ!!!」
また変な声だ!
「ぎゃーーーーーっ!?」
モモはあまりの恐ろしさに頭が真っ白になり、倒れ込んでしまった!
…
「モ…ちゃ…!モモちゃん!」
たまの声が聞こえた。
「はっ!?」
「ハッ」としたモモは、そう言って急いで起き上がった。
「どうしたの?疲れちゃったかしら?うなされてたわよ」
たまはそう言いながら、心配そうに首を傾げた。
「へ!?な…なんともないです!ただトイレの………あ!」
モモは焦りすぎて言葉がおかしくなった。
「ま、まぁ落ち着いて。じゃあトイレに行く?」
たまにそう言われてモモは顔を真っ青に染めた。
「は…はい…。」
モモは怖いが「マロとミーちゃんのためだ!」と思い、そう言い切った。
「じゃあ〜、まず女子トイレからね!」
たまはそう言って、さっと女子トイレの中へと向かっていった。
「は…はぃ。」
モモは少しプルプルと体を震わせながら女子トイレへと入っていった。
また同じパターンだ。
モモはさっきのことがトラウマになってしまい、震えが止まらなかった。
が、モモは「ハッ」とした。
「もし、マロ達がこんな所にいたら…二匹の方がもっと怖いはず!モモがちゃんとしないと!」
「うん!」と頷き、モモは背筋を伸ばして歩き始めた。
「たまは右行くから、モモちゃんは左行ってね!」
たまはそう言い、早速一列目のトイレの扉の前に行った。
「は…はい!」
モモはそう言い、恐る恐る一列目のトイレの扉へと向かった。
「こっちはいないよ〜?」
たまは「そっちは?」と尋ねた。
「こっちも…いません…。」
モモはまた体をプルプルと震わせながらそう言った。
「じゃ、二列目!」とたまが言った。
「は…はいっ…」
モモは、だんだん、怖くなった。
「こっちはいない。モモちゃんの方は?」
たまはそう言って振り返った。
「わーーーっ!」
モモは思わずそう言ってしまった。
「え!?何何!?どうしたの?」
たまはそう言って慌て出した。
「何でもないです!こっちはいません。」
モモは歯をガクガクと震わせながらそう言った。
「じゃあ三列目!」
たまは元気良くそう言った。
ヤバイ。
また同じ事になる気がする。
やだ、怖いよ。
“ダレカタスケテ!”
「じゃあ、最後の列だから『せーのっ!』で開けるよ!」
たまはそう言ってにっこり微笑んだ。
モモは怖くて何も答えられなかった。
「せーのっ!」
ガチャリ。
「きゃぁぁぁぁぁっっっ!」
モモは思わずそう叫んでしまった。
「うわぁ!大丈夫!?どうしたの!?」
たまはモモの声で驚き、モモの近くに急いで寄ってきた。
「あ!権次郎爺さん!」
たまは嬉しそうな声でそう言った。
「ご…ご…ごん??」
モモは、思わぬ展開に訳が分からず、目をパチパチさせていた。
「あ、結局いなかったね。じゃあ次男子トイレね!権次郎爺さんもね!」
たまはそう言って男子トイレへと向かっていった。
「待ってくれ。悪いが、わしは男子トイレには入れんぞ。」
権次郎爺さんが重い口調でそう言った。
「なんで?」
たまがとっさに聞いた。
「それは、この病院での歴史じゃ。この病院では数々の…」
権次郎爺さんが話し出すと、たまは「はいはい。わかったよ。じゃあ権次郎爺さんは、男子トイレの外で待ってて。」と、押し付けるように言って、たまは男子トイレへと入っていった。
モモはぽかんと口を開けたまま、二匹を見ていた。が、モモは「ハッ」とし、急いでたまの後をついて行った。
「じゃあ、たまが右でモモちゃんが左ね!」
たまはそう言って、さっと一列目の扉を開けた。
「いないよ〜」
たまはそう言ってモモの方を見た。
「こっちもいないです!」
急いで扉を開いたモモは、少し息を切らした声でそう言った。
「じゃあ二列目!」
たまはそう言って、またすぐに扉を開いた。
「いない!」
たまはそう言って、「モモちゃんは?」と振り返った。
「いません!」
モモはいよいよ3番目だと思い、唾を「ごくん」と飲んだ。
「三番目は………いない!」
たまはそう言って、モモの方へと近づいてきた。
「いる?」
モモにそう聞いたたまは、権次郎爺さんの方をチラチラと見た。
「きゃぁぁぁっ!」
再びのモモの叫び声にびっくりしたたまは、「わぁっ!?」と言ってしまった。
「え…!?小春鯉婆さん!?」
たまは思わずそう叫んだ。
いきなりの出来事に、モモはまた口をぽかんと開けた状態になっていた。
「でもやっぱりいないね。」
たまはそう言って首を傾げた。
「…」
何も反応しないモモに対して「あれ?おーい、モモちゃーん?」とたまは呼びかけた。
「あ、はい?」
モモはそう言ってたまの方をマジマジと見た。
ダメだ。
まだ頭が真っ白。
いろんなことが起こりすぎて、きっとまだ状況が理解できてないんだ。
これなら何かやらかしそうだな…。
「な…成田病院の受付前で待ってます!」
モモはそう叫んで、一階にある受付へと走って行った。
「ハッ」としたモモは、足を止め、「大変な事言っちゃった…。戻ったほうがいいかな…?」と思い始めた。
が、このまま戻るのは気まずすぎて気が持たない。
「…。受付前まで行くか。」
モモはポツンとそう呟いて、止めた足を受付まで運ばせた。
…
受付前までついたモモは、「たま達がきていないか」と辺りをキョロキョロと見回した。
「う〜ん…いない。」
モモは悲しげにそう呟いた。
(なんであんなこと言ったんだろう…。)
モモはそう思いながら、首を傾げた。
その時だ!
モモがエレベーターの方をたまたま見た時だ!
「マロ!?ミーちゃん!?たまさん!?権次郎お爺さん!?小春鯉お婆さん!?」
目覚えのある顔の猫達が仲良く話していた。
“今行くからね!”
五匹の話しているところにモモはたどり着いた。
が《・》、
「え?」
続きは出来たら投稿します!
前回の答え
コケンはニワトリで、ぽっくんはハトです!
クイズ
ミケとマロは、なんの病気だと宣言されましたか?
答えは次回!
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次回もお楽しみに!




