淡々と
その後は特に代わり映えのない日を当り前のように過ごし、いや、『祝・卒業! 送り出しコンサート』が終わったらすぐさま、入学式の後の『新入生歓迎会』で行うコンサートの練習に入る。
ここでの『クラブ紹介』では、新入生を「あっ!」と言わせる出し物で、ひとりでも多くの部員を確保しようとどのクラブも力が入るもの。
我がフォークソング部も当然いろいろと考えるわけで。
しかし私たちは4月から3年生になるので、5月の『引退コンサート』をもって部活は引退する。
従って、新入生歓迎会、いわゆる『新歓』は今の1年生が中心となって進めて行く。
当然初めてのことで解らないことも多いが、そこで私たち2年生の出番となる。
といっても、少し助言する程度だけれども。
そして気になる次期部長には、やはり予想通り碧くんが指名された。
責任感が強いところと、みんなの意見をよく聞いてまとめる力があるところを買われたようだ。
* * *
それから碧くんは新部長として、引き継ぎやらなんやらで忙しそうな日々を送っているよう。
クラブの時間に顔は合わすけれども、挨拶程度の会話ぐらいで、以前のように冗談を言い合ったりすることもなく、私の前を日々は淡々と通り過ぎてゆく。
あの日以来まともに話す機会もなく、なんとなくもやもやが残ったままになっている。
来週は一週間クラブ活動がないので、その間は多分会うこともないだろう。
いつもは気にはしないけど、こんな時、学年が違うっていうのは痛い。
試験休みも終わりテスト返却のため、普通に学校に行く。
でも、他の学年とは教室の階数が違うので、殆ど顔を合わせる機会もない。
部活があるその次の月曜日まで……。
伝えたいこの想い
伝えてほしい気持ち
うしろを振り返っても
なにも変わりはしない
わかっていても
わかっているから
余計なことを考えてしまう
素直になれない
意気地なしな心
わかっているのに
天邪鬼な態度をとって
あとで悔やんでみたりして
思うようにはいかないもの
次話もよろしくお願いします!
明日、14日に合わせて完結予定です♪
本日、あと2話更新できればと思っています。
ラストまでよろしくお願いします!




