表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/30

自分のことは後回し

 今日は、3年生の卒業式前にフォークソング部主催で開催される『祝・卒業! 送り出しコンサート』のリハーサルが行われた。

 無事終了し、3年生の先輩方とも束の間の再会を果たし、今日はひとまずお疲れさまというところだろうか。


 明日がいよいよ本番。今日も夕方5時までみっちり練習のスケジュールを入れている。

 その後各自、自宅で軽めの練習をし、本番に備えることになるのだが、今夜はリラックスすることを心がけよう。


 明日は嫌でも朝から緊張するに決まっているのだから。

 でもなぜか、私はいつも本番当日は朝から出番前までが一番緊張して、いざ本番が始まると『ドキリ』ともしない。

 あがってしまって失敗するのは嫌だから、あがらないように。でも、人前で演奏して歌うのだから、適度な緊張は必要だ。


 しかし、いざ舞台に上がると『ドキドキ』よりも『ワクワク』が大きくなる。

 凄く楽しい時間になるのだ。


 そしてお客さんの拍手や歓声を聞くと嬉しいし、音楽をやっていてよかったなと思う。

 

 前回のコンサートの時、私は好きな人への想いを綴ったふうのオリジナル曲を披露したのだけれど、出番が終わった後、友人が私のところにやってきて、その曲に『凄く共感した』『良かった』と言って涙を流してくれていた。


 私が作った歌で、『人の心に何か響くものがあったのだ』と思えて心が震えるほど嬉しかった。


 だから、これからもずっと続けていきたいと思う。


 応援してくれる人たちのためにも、しっかり練習して良いコンサートにしたい。


 昨日のあおくんとの別れ際の会話も中途半端なままで、凄く気になるけど、今は自分のことは後回しにしよう。

 

 でも日にちが経ってしまうと、さかのぼって『あの時のあの会話のことだけど』なんて話せない。

 誤解を受けたかもしれないし、受けていないかもしれない。

 それを確かめることもできないまま、時間だけが過ぎていってしまうなんて。

 


 碧くんとゆっくり話したい気持ちと、コンサートに集中しなければという気持ちとで、もうなにがなんだか、なにをどうしてどうすればいいのか。

 私自身はどうしたいのか。

 じっくり考える時間もないままに……。




 『祝・卒業! 送り出しコンサート』の当日の朝を迎えた。

 



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!

14日に完結予定です♪

それまで毎日数話更新中。


ラストまでよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ