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もうひとりの後輩

 実は私にはもうひとり仲良しの後輩がいる。。

 ソイツも私のことを『先輩』とは呼ばずに、『自分』という。

 自分って、自分自身のことを指す言葉だと思うのだけど、ソイツは私に向かっていつも「自分は?」「自分も行く?」なんて言う。


 ホントに我がクラブの男子の後輩どもは、ひとのことをどう思っているのだか。


 まあ、ソイツ、高本浩太たかもとこうたくんとは、今度定期コンサートで一緒に歌うことになっているから。

 それもあり、最近は特にふたりで過ごすことも多い。

 もともと仲がよかったから一緒に出ることも決まったわけだし。


 高本くんは自分で作詞・作曲なんかもして、その甘いルックスと歌声にファンも多い。

 サラサラヘアーで見た目は王子様風だけど、喋ると案外毒舌で。

 でも彼の毒舌を知っているのは……多分私だけ。


 そんな彼とどうして一緒にコンサートで歌うことになったのか。


 実は私も作詞・作曲をして学内のコンサートや、楽器店主催のコンサートなんかに出演している。

 それで、3年生の卒業式前にフォークソング部主催で開催される『祝・卒業! 送り出しコンサート』なるものに出演することになって。


 コンサートには、いつも部活の中でグループに分かれて練習しているメンバーで出演する。バンド形式やデュオ、ソロなどそれぞれが思い思いのカタチで出演するわけなのだが、ひとグループの持ち時間は30分と決まっている。まあ、挨拶や途中のしゃべりを入れて5曲程度の披露というところだろうか。


 私もいつもと同じように女子4人でボーカル兼ギター・ギター・ベース・ピアノのメンバーで出場する。

 が、しかし。今回はそれとは別に高本くんとふたりでも出演することに決まってしまったのだ。

 みんなに「ふたりのデュエットが聴きたい!」とかなんとか言われちゃって。


「まあ、いいけど」


 なんてね。

 あれよあれよという間に決まってしまって。


 それで放課後、クラブの時間に教室でギター片手に一緒に練習する日々。

 ウチのクラブには『倉庫』と呼ばれる部屋があるのだが、基本、そこにみんな自分のギターを置いている。部活が始まる前にカギを開け、ギターを持ち出し、2年生の教室で練習をするのだ。

 部活の後は持って帰って家で練習するもよし、また倉庫に置いて帰るもよし。


 ピアノを入れて練習するときは、音楽室の奥にあるピアノの防音室にて、ギター持ち込みで練習する。



 今回の演目を考えている時に、どこでどうなったのか、私が書いた『詩』に高本くんが『曲』をつけて私が歌い、彼がギターで伴奏し、ハモるということになってしまって。



 アイツ、あおくんこと田中 碧斗へきとくんはどう思っているのかな。



お読み下さりありがとうございました。


次話「『明日はバレンタインデー』」も本日更新します。

よろしくお願いします!

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