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宿泊研修 記憶が開く

学校に着き、バスが立ち並んでいた

いよいよ宿泊研修が始まる

俺はなんだか胸騒ぎがしたこの宿泊研修で何かが起こると

俺たちのクラスはくじによる1グループ4人のグループワークの班が決まった。

偶然にも俺は二宮と同じグループになった。

そのグループで一緒になったのが涼太と同じバスケ部に所属する神ヶ谷弘哉と愛佳と同じ陸上部に所属する雪沢咲だった。

俺は神ヶ谷の隣の席に座ることになった。

神ヶ谷はクラスの中心的な存在で誰からにも好かれるまじめな好青年だ。

要するに俺とは住む世界が違う人間だ。

「こうして、話すのは初めてだよね。改めてよろしく黒川司君」

「おう、よろしく」

「いやぁ、入学式のやつはびっくりしたけど、涼太からはいいやつだって聞いているよ」

「ところで、二宮さんとはどういう関係?」

どいつもこいつも二宮のばっか

俺らってそういう関係に見られているのか

「まあ、ただの友人ってところかな」

「なるほどね、友達以上恋人未満ってやつね」

「まぁ、そういうことにしてくれ」

俺たちが教室で話している姿とかで判断されているのか

そんなかんなで、俺と神ヶ谷は二宮や涼太の話であったり、偶然にも俺が最近ハマっているゲームに神ヶ谷もハマっていて意気投合した。


一方で二宮は雪沢と隣の席になっていた。

やはり、二宮も俺との関係を聞かれていたが、二宮は満更にも付き合っているのと聞かれても全力で否定する様子ではなかった。

二宮も読んでいる小説の趣味があったようで意気投合したようだ。

こうして、俺たちに新しい友達ができた。


宿泊先に到着し、当初は不安に思われていたグループワークも順調に進み、こうして1日目の活動を終えようとしていた。

俺は風呂場で弘哉と例のプロポーズの女の子の話をしていた。

「なるほどね、司は昔あったかもしれないその女の子に会えば幼い時の事故で失った記憶を思い出せるかもしれないってことね」

「そういうことだ弘哉。そして俺はその女の子に返事をする!それが俺の今の目標だ」

「で、それがもしかしたら二宮さんかもしれないとね」

「それはない!あいつは絶対ちがう!その女の子はもっと優しくてかわいげもあるし」

「ふーん、俺は二宮さん結構魅力的だと思うんだけどな」

弘哉には言えなかったが、最近の二宮はかわいいと思える一面があるということを

そして、最近はその女の子の夢ではなく、ある男の子とそしてある女の人の夢

それは、何かを暗示しているような夢


私は写真を見て、昔のことを思い出していた。

幼い時の司は明るく、誰にでも優しくて希望に満ち溢れていた。

けど、今の司はどこか、おとなしくて、人とは積極的には関わろうとはしない

この10年間で私の知っている司とは別人になってしまっていた。

けど、二宮夏希の存在が彼を変えてようと、いや、元に戻そうとしているのかもしれないと赴任した初日私は思った。

そして、今日のグループワークを見ていて神ヶ谷弘哉や雪沢咲の存在も彼にとって大きく変える存在になると私は思った。


俺は風呂をでた後、部屋に戻ろうとしたとき風呂場に忘れ物をしたことに気づき戻ろうとした。

廊下にある写真が落ちていた。

それを拾うと、ある男の子が二人と桐山彩夏だと思われる女の人が写っている写真だった。

そのとき、突然俺にある記憶がよみがえった。


それはあの夢の男の子が俺の大切な家族、双子の兄の隼であり

俺と隼いつも一緒だった。

俺にとっても、隼にとってもいいライバルであり、親友のような存在だった。

それはあの時の事故の記憶

俺は亡くなった両親と隼と車に乗っていたとき、対向車と衝突し崖に落ちそうになった時に、となりに乗っていた彼が俺を思い切り道路に向かって押した。

その時彼は「いままでありがとう。またな司...」と告げた

表情は笑顔なのに、目は別れを告げるような悲しい感じだった。

そう、その事故で両親、そして隼が亡くなった、俺は何もかも失った。

「思い出した...あの時俺は何もできなかったんだ」

急に呼吸が苦しくなり俺はその場で倒れた

その時偶然、二宮が通りかかった。

「黒川、どうしたの?!黒川、ちょっと黒川!!!」

「誰か救急車、救急車を呼んで!!!」

周囲も騒がしくなり、その後桐山も駆けつけた。

「黒川君、司!!!」

いつもクールな彼女が取り乱していた

そして俺は意識を失った。

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