初デート...?
日曜日、12時47分、目が覚めた。昨日は夜遅くまでゲームをしていた。
しかし、今日は何か予定があった気がすると思って、携帯を見てみると、二宮からの不在着信が大量に来ている。
「そうだ、今日は二宮と出掛ける予定じゃねーかよ!」
っと俺は慌ててベットから飛び出し、急いで支度をした。
全速力で駅に俺は向かった。さすがに、1時間も待たせてしまったので怒って帰っていると思ってた。
けど、二宮は待っていた。すぐさま俺は全力で二宮に謝った。
「すみません、寝坊しました...」
「ほんと、ありえない!女の子を1時間待たせるなんて!」
二宮は涙目になりながら頬を膨らめせていた。
「言い訳のしようがありません。」
「罰として今日全部おごってくれたら許してあげる」
「はい...」
俺は渋々受け入れるしかなかった。
「ほら、行くわよ」
「はい...」
最悪なスタートだった。
俺たちはまず映画館に行きホラー映画を見た。
俺は大の怖いもの嫌いだが今日は二宮に従うしかなかった。
隣にいる二宮はなぜか喜んでいるように見えた。
「こいつホラー映画見てなんで笑っているんだよ、サイコパスかよ」
俺にとっては地獄の2時間だった。
「なんであんたそんな顔色悪いのよ」
「あんなもの見て平気なお前のほうがおかしいだろ」
「ほんと、黒川ってビビりよね。情けない」
「うるせぇ」
俺たちは近くのカフェで遅めの昼食を取ることにした。
ここでも、俺は二宮に意外な一面に驚かされた。
「ハンバーグランチ2人前とナポリタン3人前とチョコレートパフェで」
「まじかよ...」
二宮は大食い気質だった。
「今月の小遣いが...」
次は二宮の買い物に付き合わされた。
女性ファッション専門の店で、試着中の二宮を待っていた。
周りが女子ばっかで俺への視線が集まり気まずかった。
「どうかしら...?」
今日の服装も悪くはなかったが、それよりもはるかに輝いていた。
「すげぇ、似合ってる」
二宮の顔はみるみる顔が赤くなっていく
「あ、ありがとう...」
なんだか、ほほえましそうだった。
どうやら、さっきのが気に入ったようでそのまま購入したみたいだ。
店を出ると二宮に対する男の視線が集まった。
俺は駅で帰りの切符を買おうとしていたそのとき
「ねぇ、君これからどこ行くの?よかったら俺たちと遊びにいかない?」
若い男の3人組が二宮をナンパしていた。
「すみません、人をまっているので」
「いいじゃん、別に俺たちがおごるからさ」
「結構です。」
「ほら、大人しくこいよ」
「いやです、やめてください」
強引に二宮を連れ出そうとしたその時
「助けて、黒川...」
俺は二宮の手を引き、改札まで走った。
「ありがとう、黒川」
それから二宮は俺から離れなかった。
急に甘えてくる二宮に俺はドキッとした。
恋愛経験のない俺にとってはきつかった。
家に着き俺はようやく一息つけた。
「なんだかんだ楽しかったなぁ」
「それにしても今日の二宮は可愛かったな」
「って俺はなに言ってんだよ」
すると二宮からメールが来た
「今日は楽しかった。ありがとう。最初の遅刻はありえないけど、助けてくれたから許してあげる。また今度、一緒に出掛けよう。」
「どういたしまして。こちらこそ楽しかった。」っと返信
一方、そのころ夏希は司が手を引いた時のことを思い出していた。
「そういえば、子供のころ、いじめられていた時に男の子に助けてもらったな」
「あの時も私は男の子に手を引かれて助けてもらった...」
「今日の黒川かっこよかったな...」
「って、かっこいい何言ってるのよ私」
この後、二人の関係を変える重要な人物が数日後に現れることをまだ知らない。