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友達1日目

俺には昨日高校に入って初めての友達ができた。

「よかったらわたしと友達になってくれない?」

「よろしくね、黒川」と二宮夏希は俺に涙ながらに訴えかけてきた。

俺は二宮のことが嫌いだった。なぜなら、彼女は性格は最悪だが、美人であり、スポーツ万能な優等生つまり、俺とは住む世界が違う人間だと思ったからだ。だが、そんな彼女の容姿と性格ゆえクラスの男女は彼女に近づこうとしなかった。二宮が悩んでいるときに俺は偶然遭遇してしまった。この時俺は二宮の友達になってあげたいと思った。正直俺の生きる希望をバカにした奴とは友達になりたいとは思わなかったが、彼女もまた、俺とは違った世界に住む孤独な人間だと思ったからだ。


俺はその出来事があった夜、またあの女の子の夢を見た。しかし、いつものプロポーズの夢ではなかった。

俺はふとある子供数人が遊んでいるところに例の女の子が子供たちの遊びに入ろうとしているところを見かけた。

「わたしも一緒にあそんでもいい...?」

彼女はこれでもないかというくらいの勇気を振り絞っているかのように見えた。

しかし、彼女の言葉を無視し、子供たちはその場を去っていった。

あまりにも彼女がかわいそうであった。その時、俺は今にでも泣き出しそうな彼女に慰めるつもりで、こう言葉をかけた。

「よかったら、俺と遊ぼうぜ。あんな奴らなんかよりも俺と遊んだほうが何倍も楽しいからさ」

「俺の名前は司。君の名前は?」

泣きそうだった彼女の顔が俺の言葉により笑顔になり、

「うん、ありがとう。わたしの名前は...」

俺はそこで目が覚めてしまった。


今日もまた彼女の名前がわからなかった。けど、女の子と昨日の二宮の泣きそうな姿はどこか似ていた。

「まさかな...。」

俺はいつものように涼太と学校へ向かっていた。

「司朝から冴えない顔してなんかあったの?」

「うるせぇよ、べつになんもねーよ。ところで二宮夏希って知ってるか?」

「それはもちろん。二宮夏希って美人で有名だよ。けど、その容姿ゆえに声かけにくいってクラスの女子が言ってたなぁ」「もしかして、司って二宮さんのこと気になってるの?」

「そんなわけないだろ、ただ俺は二宮が他のクラスでどういう扱いなのか気になっただけだ。あいつクラスに友達がいないのもあいつのどぎつい性格とその性格に釣り合っていない顔のせいだからな。」

「へぇ、司って二宮さんのこと詳しいんだね」

っと涼太がにやつきながら俺のことをからかうかように言った。

「それは、まぁあいつの高校生活初めての友達になったこの俺だからそれくらいのこと知っているにきまっているだろ」

「へぇ、二宮さんの友達にねぇ、、って友達⁈⁈司いつの間に二宮さんっと友達になったの⁈」

いつも冷静な涼太が珍しく取り乱していた

「き、昨日だけど、、。」

「司これはチャンスだよ!司のそのひねくれた性格も二宮さんみたいなかわいい女の子と友達になれば治るかもしれない。」

「余計なお世話だ」


俺は教室に入りいつものようにホームルームが始まるまで外の景色をぼーっと眺めていた。

そして、二宮は俺が教室に入った5分後に教室に入ってきた。俺は友達となった二宮に友達らしく挨拶をしようと思ったが生まれてこの方女子と会話をしたのなんて愛佳くらいしかいない。

俺はなんて二宮に声を掛けていいかわからなかった。そうこうしているうちに

「ねぇ、なんで声かけてこないのよ。友達なんだから挨拶くらいしなさいよこのバカ。」

っと二宮はなぜか赤面させながら言った。

「わ、わりぃ。」

すると二宮はボソッと、

「やり直し...」

「なんだって?」

「やり直しっているのよバカ。」

「やり直しって何を、」

「だから挨拶のところからもう一回」

っと言って二宮は教室を出て、もう一度教室に入ってきた。

俺には何をしたいのかがわからなかったが、また適当に流すと面倒だと思ったので俺は仕方なく二宮の相手をした。

「おはよー。二宮」

「お、おっはよう黒川」

彼女はなぜか顔が赤かった。それについてはあえてふれなかったが、彼女は満足気な顔をしていた。

その日の会話はそれだけだったが、授業中二宮と目が合いそうになるたび彼女に目をそらされた。


そして帰りのホームルームの時間担任の鈴木が「来週からテストなのでしっかりと勉強するように」

といった。

家ではいつも愛佳が勉強をしているので、テストが近づいていることに気が付かなかった。俺はテストというものの存在を忘れていた。今日は金曜、テストまで今日を入れて残り3日、、。俺は一気に絶望に陥った。

途方に暮れていた俺は涼太は部活なのでいつものように一人で帰ろうとしたとき校門の前で二宮がいた。

朝のように面倒なことに巻きまれるのはいやだったので

「お疲れ、二宮じゃあな。」

っと言って帰ろとしたその時

「なにがじゃあなよ。あんたと一緒に帰るために待ってあげたのよ。」

「なんで、お前と一緒に帰らなきゃいけないんだよ。」

「そんなの、友達だからに決まってるでしょ」

「おぉう、、。」

っと俺はテストのことで頭がいっぱいだったのでここは二宮の言うことに従った。

土日にテスト勉強しようにも愛佳は陸上の合宿で家にいない。

俺史上最大のピンチに陥っていた。このままだと赤点は免れない。

「どうしたの、黒川そんな怖い顔して」

「テ、テストが...」

そうだ待てよ、なんだかんだいってこいつは成績優秀の優等生じゃないか。こいつに勉強を聞けば

「おい、二宮!お前明日暇か⁈」

「何よ、いきなり」

「折り入って頼みがある俺に勉強を教えくれ」

「なんで、あんたに勉強教えなきゃいけないのよ」

「友達として頼む」

「友達...」

また、二宮の顔がみるみるうちに赤くなって言った。

「しょうがないわね、友達として引き受けてあげる。その代わり教えなさいよ...」

「なんだって?」

「あんたのメアド教えろっていってるのよ」

「ああ、べつにいいけど。」

っと言って俺は二宮とメアドを交換し、二宮と途中まで一緒に帰った。

俺のアドレス帳には愛佳と涼太しかいなかったが、二宮がここに加わった。

そしてベットに横になっているとき二宮からメールが来た。

「ごきげんようよ、黒川。

  明日のテスト勉強の件なだけど13時に黒川の家に行っていいかしら」

二宮が俺の家に来るだと?!一様あいつは女子だぞしかもふたりっきりで、

けどまぁ、外に出かけて下手にクラスのほかのやつに二宮といるところを見られて誤解を招くよりましか。

「OK 了解。」っと俺は二宮そう返信した。

とりあえず今日は自分の部屋を掃除して眠りについた。

テストまで残り2日...




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