チートを望んだ男の日記 1年目
あらすじに書きましたが2話完結形式です。
初異世界物です。
5月2日
よーし、異世界記念として俺としては初めての日記を書いてみるか!
俺の名前は新堂ススム!気付いたら変な空間にいんだが、女神様とかいう女が現れて俺は選ばれし者だとかで異世界に行って欲しいっていきなり言うんだから驚いたぜ。
あの女神様むっちゃ胸でかかったなー、つかエロかった(笑)
5月3日
最初は、なにが起こったのか分からなかったし、かなり戸惑った。
でも「私はこれ以降あなたに助力が出来ません、ですが代わりにあなたには何でも望みのものを与えましょう」って女神が言うから、どうするか迷ったけど俺は女神に異世界で勇者として無双したいこと、特にネット小説とかで良くあるような「チート」な感じで無双したいことを伝えた。
すると女神は暫く考えていたようだが「分かりました。それでは、あなたにチートな異世界での勇者生活をお約束します」と微笑んだ。
うーん、まだ慣れてねーし、ゆっくり書いていく。
5月4日
んで次に気付いたら沢山の人の所に居た。そしたらいきなり皆が手を合わせて「おお勇者よ!」「選ばれし偉大なお方!」とか呼んできて恥ずかしかったけど、まあそう言われるのも悪かねーかなと思った時にだ!
1人だけいけ好かねえ奴が居た!もう思い出しただけでも腹立つ!
5月5日
昨日は書いててイライラしてきたから途中で書くのも止めちまった。
いけ好かねえ奴、そいつはこの国の王様の野郎だ!
あいつは俺と目が合った瞬間に何て言ったと思う!?
「すぐに元の世界に帰れ、この大馬鹿者!」だと!
何でいきなり罵倒されなきゃなんねーんだよ!胸糞悪い!
大臣とかってのと周りの奴らが止めてたけど、あいつは最後まで俺を睨んできやがった、ふざけんなよ! 俺はこの世界に選ばれた勇者なんだぜ?
まぁ選ばれし勇者の俺は寛大だからな特別に許してやった、我ながら懐が広いぜ!
5月6日
とまあ、ざっくりと書いてみたが今の俺はどこに居るかっていうと召喚された国の城下町の宿でこの日記を書いている。勿論、金の心配は必要ない!大臣からの計らいで宿代はタダだ、いやーありがたい!
逆にあの王様は金さえ出してくれなかった、ケチ野郎め!
5月7日
ちょっと憂さ晴らしも兼ねて国を散策してみることにした。やっぱ街を見てるとゲームや小説みたいな、石造りの街が多い気がする。国を色々と見て回ったけど、ちょっと生活すんのに不便じゃね?と不安を覚えたが、まあ俺のチートスキルがあれば何とかなるだろ。
5月8日
正直、半分ノリで異世界に来たとはいえ、元の世界に未練がない訳でもない。
でも退屈な日常から抜け出せたんだ!俺はこの世界で主役になれるんだろ?じゃあ、この世界は最高じゃねえか!
あー早く、俺が活躍する機会が欲しい!なんたって俺は勇者なんだからな!
5月12日
暑い日が続くし、そろそろ風呂でも入るかと宿の主人に聞くと明日まで風呂が使えないだと。
なんでも国には水の資源がないので国から遠く離れた川まで水を汲みに行くらしい。それを定期的に繰り返しているとか、それを聞いて俺は頭が痛くなった。
どんだけ未開なんだよ!異世界!
とはいえ、このままじゃ風呂も浴びれないのは流石に嫌なので、俺はスキル「最大索敵」で国の地下には豊富な地下水があるのが分かったので井戸を引くことにした。
ここでビックリしたのがこの世界の住人は井戸という物を知らないらしい。
......マジでこの世界やばすぎね?
でもまあ小説とかでも、こういう異世界じゃ主人公が技術を教えてくのが決まりみたいなもんだしな。 気を取り直して明日は井戸の説明からするか!
あーでも、風呂に入れなかったのは辛いな……。
5月13日
祭りの帰りに日記を書く、正直言って飲み過ぎて書けるか心配だけどな(笑)
今日の朝、俺はさっそく井戸を掘ることにした。俺には頭の中に物の作り方をイメージして、それを再現する万能スキルがある。それを基に井戸の作り方を教えていった。
そうして井戸が出来たら皆が大喜びで国中お祭り騒ぎになっちまった。
そんなんだから、さっきまで流石です勇者様!とか言われながら飲んでたが、流石にしんどくなって宿に帰って来た。
だがまあ、良い仕事をすれば気持ち良いもんだな!
5月18日
今更だが、この世界の主食はパンだ。だからこの世界にも小麦があることが分かった。ただ石臼で小麦をひいてる原始的なものだったのでより効率の良い風車を造ることを勧めてみた。
そしたら、あいつら何て言ったと思う?
「はへー? 風車ってなんですか?」だと。
はあー、やれやれ、また最初から説明しなきゃなんねーとは思わなかった。
5月20日
今日は風車が完成した祝いでちょっと朝から忙しい、日記はまた今度でも書く。
決して面倒な訳じゃないぞ!
5月24日
ようやく異世界に慣れてきた俺は、王国の近くにある森を探索してみた。
その途中、アンリとヘナという女の子達と出会った。どうやら2人は魔法を習得しようとしているらしくて、俺の上級魔法を見て呆気に取られていた。2人からは知り合った縁で一緒に冒険者のパーティを組まないかと持ちかけられたので速攻で返事をした。
遂に来たよ!夢にまで見た美少女とのフラグ来たよ!
5月26日
アンリとヘナの勧めで、ゲームに出てきそうな冒険者ギルドという所で冒険者を始めてみることにした。
受付で登録の最中、上級冒険者だというハゲ頭が来て俺に喧嘩を売ってきたので軽くのしておいた。流石に実力の違いが分かったのか、あのハゲは俺に会えば毎回頭を下げてくる。
あー、お陰で冒険者ギルドでも悪い意味で目立っちまった。
6月3日
アンリとヘナとパーティを組んでから1週間が経った。
そういえば冒険の最中に魔法を彼女達に教えていくことにした。
俺の教えた通りにすると彼女達は順調に魔法を使いこなしていく。彼女達の魔法の飲み込みは俺でも驚く程に早い。明日は中級魔法を教える予定だけど、どうなんだろうな?
そういや何だか最近は彼女達の距離が近いし顔が若干だが赤い気がする。
まあ気にしないでおこう!
俺は決してニヤケてないしな、本当だぞ?俺は気にしてなんかないんだけどなー。
6月15日
つ・い・に・来た!!!!
アンリとヘナに告白された!!!!告白してきた2人は顔は真っ赤だった!!
返事?勿論、俺は受け入れた!!!!
美少女との夢のイチャラブ生活が始まったよ!!!
くー!異世界最高!!!!
6月18日
アンリとヘナの2人が喧嘩していた、何でもどちらが俺に最も愛されてるのかと揉めていたらしい。
何だ、そんなことかと思い2人に近付いて「2人とも大事だよ」と囁いたらアンリとヘナも顔を赤らめて黙ってしまった。
はー、モテるって辛いぜ!
6月20日
俺は冒険者をしながら国の様子も見ていたがどれも原始的すぎて悲惨な様子だ。
まぁ、井戸さえ無かったこの世界にはあまり多くは望めないからな。
そこで俺は、農耕器具の使い方、馬車の作り方、石畳の道路の作成など、まずは今の国に必要な技術から開発していくことにした。
6月25日
俺は順調に技術を国の奴らに教えていった。
そうしているといつの間にか「素晴らしき偉大なお方!」「文明の父!」と俺には様々な敬称が付いていった。国の連中は次々に俺を褒め称え崇める。
ただ、あの王様だけは相変わらず俺を睨んできやがる。
やれやれ、良い年したおっさんの嫉妬は醜いぜ?
きっと俺の活躍が妬ましくて認められないんだろうな!あの偏屈オヤジは!
6月28日
はあー、国民は俺を褒め称えるし、2人の美少女とは毎日イチャつけるし、もうホントに異世界最高!!
今日の夜も2人の愛に応えるためにも頑張りますか!
6月29日
今日は世界の預言者という奴から魔王を討伐して欲しいと依頼があった。
そうそう!異世界ていうと魔王だよな!俺が望んでたのはこんな魔王を倒したりする冒険だったんだよ!
見ろ!世界よ!
俺は誰からも頼りにされるし皆から羨望の眼差しを受けている!知識だろうが魔法だろうが何でも来い!
「俺は何でも出来る勇者なんだ!」
読んで頂き、ありがとうございました。
引き続き2年目をお楽しみ下さい。




