おくりびと
今回ご紹介するのは、「おくりびと」。監督は、滝田洋二郎。
2008年公開の邦画です。10年前だし、みなさんご存じだろうから、紹介する必要はないんでしょうけど、ここは「あえて」です。
なぜかっていうと、わたし、久石譲の曲が大好きなんですね。
日本の映画音楽を語るうえで、さけては通れない巨匠。
この「おくりびと」の音楽担当も久石譲。
プロのチェロ弾きだった主人公が、楽団が解散して、音楽で食べて行けなくなったので、田舎に戻り、納棺師として働いていくってお話です。
宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を思い出します。
だいたいチェロが出てくると、童話でも映画でも、なんでも面白くなります。(乱暴な……)
主人公役の、本木雅弘が美しい自然の中でチェロと弾く姿が心に残っています。
静かで、素朴、そしてちょっと込み上げてくる感情。
胸があつくなります。
いいですね。
あまりに良いから楽譜を買っちゃったほど。
ところで、久石譲は膨大な映画音楽を作っていましけど、特に、宮崎駿監督と組んだ作品はハズレがありません。
「風の谷のナウシカ」
「天空の城ラピュタ」
「となりのトトロ」
「紅の豚」
「もののけ姫」
「千と千尋の神隠し」
「ハウルの動く城」
「崖の上のポニョ」
久石譲のたずさわった他の映画にも、美しい曲はいっぱいあるけれど、映像と一体化して、この音楽なしには、この映画が成り立たないっていうくらいの名画は、数えるほどかもしれません。と言っても、両手じゃ足りないほど、たくさん。
話が飛びますが、わたしカンフーや武侠ものって大好きだから、よく観るんですね。
以前、中国のドラマを観てたんですけど、たしか「鹿鼎記」だったと思います。トニー・レオンとアンディ・ラウ主演だったかな。武侠ものです。
楽しく観ていたら、突然、「天空の城ラピュタ」(だったかな……、久石譲の曲でした)の曲がBGMで流れてきました。
びっくりです。笑っちゃいました。
「これ、絶対にパクッテるよ」とか思いました。(ちゃんと許可取っていたら、ゴメンなさい……)
えーと、何が言いたいかというと、
著作物は無断で商用利用しちゃいけない、とかではなくて、
強いイメージがついた音楽を、別の映像作品に使うと、大きなリスクがあるってこと。
「鹿鼎記」はコメディタッチの作品だから、笑いは必要だけど、鑑賞中に「ラピュタ」を想起させちゃうのは、笑えるけれど、反則じゃないかなぁ、と思います。
そこだけ、作品が台無しになちゃいます。音楽は美しいのにね。
あと、「鹿鼎記」、おもしろいです。
「おくりびと」に戻ります。
遺体は、人形をつかっているようですね。生きている人だと動きを完全に止められないから、遺体のひげを剃るシーンが難しい。
ヒッチコックの逸話を思い出しました。
「サイコ」の撮影が終わり、試写会をしていた時のことです。
ヒッチコックや関係者は、これでいい、と思ったところ、ヒッチコックの妻、アルマだけは、「これじゃあダメ」、と言ったそうです。
アルマは、ヒッチコックの、良きアドバイザーだったんですね。
ヒッチコックが、「なんで、ダメなんだ」と聞いたところ、アルマは、「ジャネット・リーの、のどがヒクヒク動いているじゃない」と言ったそうです。(殺されて、死んでるシーンです)
そのシーンはすぐさま撮り直し。
「おくりびと」は、そういうところも妥協しませんね。
ひげを剃るシーンをカットするとか、手元を写さないとかしないで、人形を作ってしまいました。
今回も脱線ばかり。
まあ、とにかく、「おくりびと」おススメです。
音楽も、映画も、聴いて、観ておきませんとねっ。
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「ライムライト」、「モダンタイムス」( Kan 先生 )
みなさま、おすすめ、ありがとうございます!
Y(#^.^#)Y
さて、次回の曲は、なんでしょう~。
クイズです。
どなたが当たるかな?
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