セッション( Whiplash )
古い映画ばかりご紹介していたので、たまには新しいものにしましょう。
(古い名作はいっぱいありすぎて、年代順にだと、なかなか新作にたどり着けない……)
と言っても、2014年公開なので、4年前のもの。新しいかな?
『セッション』(原題『 Whiplash』)を観ました。
前評判も、情報も何も知らず、面白そうだと思って、つい観ちゃったんですね。
音楽学校に通って、プロのジャズドラマーを目指す青年と、次世代のチャーリー・パーカーを育てることに全てを捧げる鬼教師のお話です。
面白い。超面白かった。凄まじい緊張感。ラストまであっという間でした。
しかし、
わたしは、
いや……、本当に面白かったんだろうか? 気のせいだったかもしれない。
と思って、もう一度、観ました。
そして、確かに面白い。傑作だと思いました。
しかし、
そう感じたのは、わたしだけかも、他の人はどう感じるのだろう?
と思って、バンドをやっている女の子を拉致してきて、ヘッドロックをかませながら、無理やりビデオを見せてみました。
すると、すぐに抵抗を止め、映画に夢中になり、笑ったり、悲鳴を上げたり、興奮しました。観おわった後も、楽しそうに映画について語ります。
うん、これは、間違いない。これはチョー面白い映画です。
じゃあ、何でこんなに面白いのか?
ひとつは演技ですね。特に教師のフレッチャー役の J・K・シモンズ、鬼気迫る、本当に狂ったような迫力。
はじめ、あ、この人、テレビドラマの『クローザー』とか、映画『ギフト』に出て来た俳優さんだー、と思いましたが、こんなにもすばらしい演技をするなんて、びっくりしました。
学生役のマイルズ・テラーもいい。熱いです。
それから、よくよく見返してみると、光と影の使い方、そのバランス、シーンごとの色彩、構図、とても考えられて作られてます。これぞ映画って感じですねー。
で、一番はやっぱり、音楽。
ジャズなんだけれども、緊張感が半端ない。「キャラバン」や「ウィップラッシュ」などのジャズナンバーが演奏されます。そして、それらが見事に生徒と教師の対決を盛り上げています。
ラストの演奏は圧巻。すばらしいの一言。
音楽と俳優の表情だけでドラマを作ります。
(わたしはまだオッサンではないので、「ドラマーのドラマです」なんて言いません)
このサウンドに難色をしめすのは、(ジャズ通の方にいるかもしれませんが)
黒沢監督の『生きる』で、志村喬が歌う、あの感動的な「ゴンドラの唄」を、テンポも音程もずれている、下手だ、と言うのと一緒です。
映画音楽はそうじゃない。
映画の作品の一部であり、絵画であれば、色に似ています。映画を完成させ、人の心を動かす。
それが映画音楽の技です。
いいですねー。実にいい。
これは聴き逃がせません。
ぜったい観た方がいい。
(ちなみに、文中に出てくる「拉致」「無理やり」とかは、オーバーな表現であり、本文は、犯罪を推奨するものではません。あしからず~)
他の作家さまからの、オススメ映画音楽
『ブルース・ブラザーズ』 ( 金野文 先生 )
以下は、ココノハシゲル 先生の発掘されたカセットテープ「淀川長治の洋画劇場」収載の曲。
すべて名曲。わたしからもオススメです。
(とくに「スティング」は若い頃はじめて演奏しようと思った曲。なつかしー)
A面
スターウォーズ
未知との遭遇
キングコング
ジョーズ
スーパーマン
「史上最大の作戦」 史上最大の作戦のマーチ
アラビアのロレンス
「戦場に架ける橋」 クワイ河のマーチ
「タワーリングインフェルノ」 愛のテーマ
「ポセイドンアドベンチャー」 モーニングアフター
B面
007ロシアより愛をこめて
007ダイヤモンドは永遠に
007ゴールデンフィンガー
シシリアン
ゴットファーザー
燃えよドラゴン
「大脱走」大脱走のマーチ
スティング
地下室のメロディ
殺しの免許証
みなさま、おすすめ、ありがとうございます!
Y(#^.^#)Y
さて、次回の曲は、なんでしょう~。
クイズです。
どなたが当たるかな?
おすすめ映画音楽、まだまだ、募集しています!