ディアハンター
今回、ご紹介するのは『ディアハンター』。
1978年公開。マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の映画です。
これを紹介するにあたっては、非常に悩みました。
なぜなら今回も、前回、前々回のような30年以上前の古い映画だし、
また、これは「わーい、すごーい」と、楽しんで観る映画じゃないからです。
疲れた時とか、気分転換に観るものじゃないし、恋人と一緒に観るものでもありません。
この映画は悲劇です。
『ハムレット』とか『ロメオとジュリエット』などと一緒。
一緒って言うと乱暴すぎるから、悲劇のハードボイルドと言ったらいいか。
悲劇の主人公は、アメリカの若者であり、ひいてはアメリカ国家そのものです。
アメリカンドリームの50年代は、朝鮮戦争とベトナム戦争で終わり、ここからアメリカの衰退が始まりました。
はっきりいって、楽しくない。
心が切なく、辛くなります。
でも、あえて紹介するのは、音楽が素晴らしすぎるから。
デ・ニーロたちの演技も、ものすごい。凄まじい緊張感で、ぐいぐいと引き込まれるでしょう。
でも、音楽。
映画は何度も観れないかもしれませんけど、そのテーマ曲は一生聴いていられるでしょう。
テーマ曲の名は「カヴァティーナ」。
作曲はスタンリー・マイヤーズです。
ジョン・ウィリアムズの素朴で美しいギターの音色が最高です。
(作曲家のジョン・ウィリアムズでなく、別人。ギター界の貴公子と呼ばれる方のギタリスト)
もう、この音楽を聴くためだけに、映画を観てもいい。
ジーンときちゃいます。エンディングでは、ストリングを背景に、ギターのソロ。フルートとかけ合いするところなど、目頭と胸が熱くなるでしょう。
もしならなかったら、二回観てもいいかも。
ちなみに、「カヴァティーナ」は、いろんな演奏家がカヴァーしています。
クールにカッコよく演奏する方もいますが、やはりこれは、感情を抑えて、素朴にしみじみと演奏するのが似合いますね。
ジョン・ウィリアムズが最高です。
でも、個人的には、イェラン・セルシェルの演奏もすばらしい。スウェーデンのギタリストで、いい味だしているんですよねー。
もう、一日中、それだけ聴いていられるでしょう。
これは絶対に聴きませんとね。
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みなさま、おすすめ、ありがとうございます!
Y(#^.^#)Y
さて、次回の曲は、なんでしょう~。
クイズです。
どなたが当たるかな?
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