表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想の自分  作者: 旅人
1/2

プロローグ

 あなたは存在するの?


 私は存在する。少なくともこの世界の中では。

 ――それはどういうこと?

 まだ私にもわからない。

 ――まだ? いつかわかる時が来るの?

 さぁ、ただ来るかもしれないし、来ないかもしれない、どちらの可能性も存在する。少なくともこの世界では。




 彼女は夢を見た。

 ――そこではたくさんのわたしがいた。もちろん現実にはあり得ない。

 ――でも夢に思えないのはなぜだろう?

 ふと、時計を見ると針は八を指そうとしていた。

 学校に行かなきゃと思い、急いで支度をして学校に向かった。


 彼女は家をぎりぎりに出たわりには意外と早く学校に着いたので、――もう少し家でのんびりしててもよかったかな、とも思いながら鞄を開けて文庫本を取り出した。

「おはようー」

「おはようー昨日なにしてたの?」

 クラスメイト達がわいわいと喋りだす。

 そんな中、彼女は文庫本をもくもくと読んでいる。

 ――わたしは友達が多いほうではない。いや、ほとんどいないが正しいかな。別のクラスの秋ちゃんくらいだけだ。いつもこのクラスではひとりぼっち、でも秋ちゃんがいるから大丈夫。

 ――後で、会いに行こうかな。


 体育の時間が彼女は嫌いであった。ただ運動自体はべつにそこまで嫌いな訳じゃない。

 でも――体育の時間は二人一組になることが多いからだ。

 彼女はだいたいいつも一人なので、先生と組むことが多い。そんなのは恥ずかしい。みんなに笑われているようにも思えた。――いや、実際に笑われているんだろうな。

 だから最近は仮病で休むことにした。

「ああ……秋ちゃんがいたらいいのになぁ」

 彼女はぽつりと呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ