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十七ノ太刀・中【水泳大会はじまったw】

 ――――――うん、暇なのじゃ。

 こんな何もない若造の部屋でゴロゴロしてても楽しくないのじゃ。刀を振るっても面白くないのじゃ。もう何か若造をからかわないと楽しめる気がしないのじゃ。

 そうじゃ。こんな時だからこそ若造達が言っていた学び舎に行けば良いのじゃ。

 今では寺子屋も進歩して"ぎむきょういく"という物があるらしいのだ。それを実施しているのが"がっこう"というものなのだそうだ。

 うむうむ、暇潰しとしては最適そうなのじゃ。

 そうと決まればさっさと若造を探さなければならないな。


「光陰に光る爪を輝かせし光の白虎、絡まりし数珠は数多の記憶。――――五宝刀、五太刀【数珠丸恒次(じゅずまるつねじ)】」



『はぁ〜いッ!今年も始まりました水泳大会!司会はわたし、女子生徒ポッチーで〜す!』

 憂鬱(ゆううつ)な心に止めを刺すようなデカイ司会者の声。くっ、この会場への破壊衝動が図り知れないものになって来た…ッ。

 あの人気菓子が好きなのか司会者はポッチーを食べながらポッチーと名乗っている。キャラ作りはそこまでしなきゃならなくなって来たのか。そう言えば最近のアニメのキャラの作り方凄いよな。地肌にリボン刺したりしてる幼児向けアニメとか。

『えぇ〜何故か男子の部が午前中より前に早々と切り上げたので女子の部が早く開始されることになりましたぁ〜!別に親とかいないから良いよね〜!ほら、皆面白そうな水泳大会でワクワクだよね〜!』

 策謀的な予感にゾクゾクだな。

 ちくしょう。何で男の水泳大会逃げられたと思ったら女の水泳大会なんだ。まぁ、可愛い子多いから良いけどな。これだけが天国だ。まぁ役得というにはハイリスクノーリターンなんだが。

「あの、榊原さんはオレンジジュースで良いですか?」

 俺は買って来たコップを会長に渡しながら少し距離を開けて座る。自分小心者ですから。女の子に慣れていませんから。従妹ゴジ○ですから。その妹二重人格ですから。

 外見良くても中身がやばいんだよ中身が。女性恐怖症になったらどうすんだ。

「あら、ありがとう冬子」

 ほほう、偽名とは言えいきなり呼び捨てか。良いぞもっとやれ。

「いえいえ。しかし、女子の部では出し物があるんですね」

 見る限り男の部ではなかったよな。差別激しいなこの学校。何だ女子推薦でもしてるのか。男女差別反対、女が強い時代反対。俺の弱い世界反対…って言ったらこの話が終わるのだろうか。

 俺は買って来たアイス珈琲を飲みながら周りを見渡す。


 ――――競泳水着最高。


 思春期男子を舐めるなよ。女子の水着姿なら一日中見ててやる。美少女のならなお更見る。もう目に穴が開いても見る。茉理に見付かったら本当に開けられてしまいそうだが。

 空は炎天下。助けてくれ太陽。俺はもう熱気に当てられそうだ。

「ん〜、今年も難なく水泳大会が開けて良かったですわ」

「えぇ……特にあの金髪の女の子のお尻の辺りがエロさをか持ち出していて――、」

「何か言いまして?」

 俺は首を横に振りながら爽やか笑顔で答える。ていうかあれ茉理だ。ツーテール下ろしてるから分からなかったな。

 こう、風呂上りのあいつとは何かが違う気がする。主に水で濡れた水着がエロを全面的に押し出している。

 どうせ俺も何だかんだ言って青春男児なんですよ。たまに茉理が風呂に入ってる時突撃したい衝動に駆られますし。いや、勢い余って突撃したら俺の行き先はあの世なのですが。


『では、第一競技50M自由泳ぎで〜すッ。参加者は飛び込み台の前へ〜!』


 あ、茉理がいる。何だ50Mに出るのか。大人気ない、あいつは本気になればきっと太平洋を渡ることだろう。渡れる筈だ。いや、違いない。

『この競技はそのまんま50M全力で泳いで貰うという競技です!賞品もありますから皆さん頑張って下さいね〜ッ』

 ほほう、男どもには何も無しで女子には賞品か。なんだこの差別。良いさ良いさ、どうせ男は何でもかんでもダメなんだ。ホモは汚くて百合は綺麗なんだ。

 一斉に飛び込む体勢を取った競技選手達の中でバカに目立っている金髪。

 競技開始のホイッスルで茉理が即座にプールに飛び込む。流石、反射神経が神がかっている。しかも早い早い。

「あら、一条院さんじゃありませんか。流石に他の選手では敵いませんわね」

 ていうかもうターンしてるぞ。クロールであんなに飛ばしまくれるとは体力がいかれてるとしか思えない。

「おぉ…早ぇ…」

 なんだ……ただの神か。

 いやしかし、これは普通に拍手物だ。良い物見させて貰いました。気持ち良ぃ!超気持ち良ぃ!とか言ってくれたらもう感極まって泣いてしまうほど良い物見させて貰いました。

 プールから上がった茉理は腕を挙げてそれを大きく振る。どうやらクラスメイトに向けてるみたいだ、皆が黄色い歓声を上げる。昔から女にモテるタイプなんだよな、あいつは。

「羨まし(シー)…」

 いかん、言葉があり得ないことになってしまった。

 茉理はタオルで手を拭いた後、ポッチーから何かを渡されている。賞品とか言うんだから結構豪華なものなのだろうか。


『盛り上がってきたところで次はメインとも言えるお姉さまお近付き競技!ラブラブ二輪百合花で〜す!競技者はプールの飛び込み台へ移動して下さい〜』


「冬子、一緒に来て下さる?」

 俺がアイス珈琲を飲んでいる時に隣の会長が急に立ち上がった。何だ、近くで見たいのかラブラブ百合を。俺は見たいけど変に動くと茉理にバレるかも知れないしなぁ。

「いや、あの…わたしはここで――」

「遠慮は無用ですわ冬子。ほら、早く来なさい。不戦敗なんてわたくしの顔に泥が張り付いてしまいます」

 俺は下手すると腹を突き破られてしまいます。主にパツキンのせいで。

 っていうか不戦敗って何がだ。もう良いよ、何かわからないけど不戦敗で良いよ。もし茉理にバレたら文字通りあの世逝きということになってしまう。この世から俺消えてしまう。

 しかし俺の心情を知らず会長は腕を引っ張って来る。まぁ、そんなに大きなこと起こさなきゃ良いんだし、大丈夫だろ。


 そう、大きなことを起こさなきゃな!

 プールの飛び込み台の前にいたらもう俺には阪神淡路大震災よろしくな精神破壊だ。

 何でいつの間にか俺エントリー参加者になってるの。うわ、やばいよ金髪にバレるよ殺される。今の内に油性ペンで遺書でも書いておくか。

『競技の説明です。え〜、この競技は二人の手に手錠を着けて、プールを往復して貰うと言う結構デンシャラス競技ッ。男は脚に手錠らしいですね〜』

 

 ―――――は?

 ロープじゃなかったっけ?手錠って、まさかあの鍵の付いたあれ?


 戸惑っている俺の腕に会長が重々しい手錠をガチャリッと嵌める。

「………は?」

「鍵はゴール地点に置いてあるみたいですから、心配ないですわよ」

 お前はあれか、サイ○人かサ○ヤ人か。手首とはいえ手錠を二人ではめて泳いだら沈みます。はい、轟沈(ごうちん)です、本当にありがとうございました。

『ちなみにこの競技の男子部版では保健室行きが6人出たようでーす♪』

 それはあれか。ペアの一人が沈んだらもう一人も道連れということか。よし、助けてくれ何でも良いから。この際手段は問わないから誰か助けて。

 いやしかし、茉理がこの競技に出ていて良かった。選手の名前は三位までしか呼ばれないし、同じ飛び込み台とは言えあいつからは他の選手を(へだ)てているからこっちは見えないだろう。これこそ灯台下暮らし作戦!

「冬子、わたくし達は1位を狙いますわよ」

 ごめん、4位以上だと俺が死んでしまうんですよ、一文前に灯台下暮らし狙ってるって言ったでしょ。

 しかしプールの競技で順位を落とす為に四苦八苦は辛いと言うか難しそうだな。どれぐらい俺は頑張れば良いんだろうか。精魂枯れ果てるくらいか。

「どうかしましたか?わたくしはもう準備出来ましてよ?」

「すみません今猛烈に遺書を書こうと思い立ちましたので少し手紙が書ける場所に行ってよろしいでしょうか?」

「ダメよ。わたくしが出られなくなるじゃありませんか。それに、これくらい安易でしょう?」

 こいつ、ツワモノだ…。

「それでは、よろしく頼みますわよ?冬子」

結局全3話構成になってしまった…乙。

やっくでかるちゃーの誠心に則り、正々堂々エロい小説を書くことを誓いますと選手宣誓をした今日この頃。

やり過ぎると消されてしまいますから加減が厳しい。


さて、水着をやったのですが、主人公はどんな外見なのだろうか、わかりません。

はい検討も付きません、本当にありがとうございました。

やばいやばい、次回上手く作れるか心配です。

乙…難しい設定にした上に書き切れない自分乙。

頑張らないといけない…じいちゃん、オラ、強くなりてぇ。


次回では生徒会長との死の瀬戸際。

冬兎はどうやって乗り切るのでしょうか…自分でも検討が付きません。

それでは次回でお会いしましょう。

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