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夢の記憶


友達に囲まれて楽しそうな僕がいる。

先生にも両親にも褒められて、妹は尊敬な眼差しで真っ直ぐ僕を見つめている。


何をやっても楽しくてどんなことをやっても思い通りになっていた。

決められたレールの上を歩いて行くんじゃなく、自分の手で未来を切り開いてやるとか思っていた。

実際、努力していたし頑張っていたと思う。


多分、僕の人生の中で一番努力していた時期だと思う。



充実した日々を過ごして毎日、笑っていたのを覚えている。

そんな日々を今は眩しく思う。


家に帰っても両親と妹と食卓を囲んでいろんな会話をしていた。


毎日が楽しくて。

何も不満なんてなかった。


それどころかこんな日々がずっと続けば良いとさえ思っていた。





なぜ・・・


どこで間違った・・・


僕は自分の人生をしっかりと歩んでいたはずじゃなかったのか?




ーーーー



たまに見る夢。


過去の出来事をなぜか振り返るように思い出す。

忘れていた?

忘れてたんじゃない、封印してたんだ。


ずっとーー


心の奥底にある箱にしまって鍵をしたんだ。

こんな辛く、痛く心を痛めるなら思い出したくなかった。


なぜ思い出したんだろ?


引きこもってから一度だって家族や友達のことなんて考えたことなかったのに。

僕は、僕で一人で誰にも干渉されず、誰にも関わらず生きてきたのに。


「糞っ、」


僕は、寝ていたベットから立ち上がり冷蔵庫からペットボトルを手に取り、勢いよく水を飲んだ。


空になったペットボトルを思いっきり握り潰した。

なぜか分からないが無性にイライラするのはどうしてだろう?


親が自宅警備員になる時に喜んでいたからか?

僕が引きこもっても何も叱ってくれず何も言ってくれなかったからか?


僕はなぜこんなとこでよく分からない何かと戦っているだろう。

自分の事ですらまともに何も出来なかったのに人の命を守っているなんて・・・



リビングに飾られている時計に目をやった。


午前二時を回ったとこだった。

一応、現在のゾンビやクリーチャーの発生状況などを腕時計型のモニターでチェックする。


自宅警備員として働き出してもう三ヶ月が経っていた。

その間に僕はスコアリーダーとなり魔弾のカンザキの名は瞬く間に広がった。


充実している?


嫌・・・ただ使命感が働いているだけだ。

誰も行かないだから行くだけ。


この前の旧東京のマンションで学生時代の同級生に出会ったのが原因だろうか?

それとも、妹の夢か?


こういう日は、家でネットでチャットして過ごすのが一番だな。


パソコンを起動させた。

最新のニュースがテロップが流れてきた。

『相次ぐ行方不明者。これで十人目』

僕は、そんなニュースを無視していつも通りネットサーフィンから始めた。



このニュースがこの先の僕たちの運命を変える出来事になる事も知らずに・・・

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