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失踪事件⑤ 相談


自宅警備隊中央本部の入り口には警備員などは立っていない。

入り口ゲートは自宅警備員ならチェンジするための腕時計型のモニターがIDコードを自動認識してゲートが開く仕組みになっている。


クリーチャーや社会ゾンビが襲ってきても中央本部には広範囲の防御障壁が貼られているのでそう簡単には突破出来ない。

自宅警備隊中央本部は新トーキョーで一番安全な場所かもしれない。


十階のゲストルームに案内されると中にはイズミさんが既に待っていた。


「あら?第十二支部の皆さんお揃いで来てくれたの」


「ーーすいません。大人数で押しかけて迷惑でしたか?ーーイテテ」

僕がイズミさんに平謝りしていると顔を膨らませ明らかに不機嫌になっているエリカがお尻をつねってきた。

「デレデレしないでよね」

エリカはふんっと口を尖らせて腕組みしている。


ゲストルームの中は高級なソファーが並んでいて真ん中に長いテーブルがある。

イズミさんにソファーに腰掛けるように案内された。


「時間が勿体無いから早速本題から入りましょうね。カケルくんがこの前話したいことがあるって言う内容から聞きましょうか」

イズミさんが紅茶を運んでくれながら話を切り出した。


「僕たちは一度、鏡の中から現れた謎のローブを身に纏った人物と第十二支部コミュニケーションセンターで戦った事があります。奴はカーブミラーの中から現れて、更に術式銃を扱っていました。戦闘後再び、鏡の中に消えて行きました」


イズミさんは表情を変えず話を聞きながらみんなに紅茶を配り終えるとゆっくりとソファーに腰を下ろした。


「その後、僕たちのメンバーの一人が行方不明になっています。メンバーの名前は響 海斗。今、僕たちは彼の捜索にあたっています」


イズミさんは、紅茶を一口すすって僕を見た。


「いつもならメンバー全員が揃う時間になってもカイトの姿がないので不審に思いエリカのロケーション能力でスマホの位置情報を探りました。その場所はコミュニケーションセンターです。しかし、その場には彼の姿はありませんでした。エリカにスマホの位置情報でなくカイト自身の居場所を空間座標で調べてもらうと別の空間にいる可能性があると判りました」


イズミさんは目を閉じ納得して全て分かっているような表情を浮かべいた。

その顔を見てエリカは面白くないと不機嫌な顔をしている。

柊は女子に囲まれて嬉しそうに表情を崩している。


「ーー中央本部は本当は全て分かっていたんじゃないんですか?あのローブの人物は明らかに自宅警備員だ!クリーチャーとは違い攻撃パターンを予測して攻撃してきた。局長の会見もまるで鏡面世界の中を見てきたかのような口調だった。中央本部は何を隠してるんですか?」


イズミさんはつむっていた目を開き、ため息をついて重い口を開いたーー


「ーーだいぶ、色々調べたようね。これは私も最近知った情報なのよ。中央本部はあるプロジェクトを計画しているらしいのよ」


「プロジェクト・・・」

千夏はその言葉に反応を示す。


「プロジェクトの内容自体は分からないわ。ただ、そのプロジェクトを率いている人物がこの鏡面世界の失踪事件にも大きく関わっている可能性があるわ」


「誰なんです? その人物って」

僕は、思わず身を乗り出すーー






「Dr.ドリトル・ミトラよ」




★ ★ ★



鏡面世界ーー現実の世界とは別の次元にあるが現実の世界と全く同じ空間がそこには存在している。


同じように時間は流れている。


ある科学者が鏡面世界を発見したことから全ての謎が解明された。



Dr.ドリトル・ミトラーー人は彼のことを天才と呼ぶ。


しかしーー彼は天才が故に感覚が他の人と感覚が違う。


行き過ぎた実験、人をモルモットのように扱う人権侵害など数々の問題行動や発言に人はこう呼ぶようになった。



マッドサイエンティストー狂気の化学者。


実際彼の功績は大きい。

自宅警備員を導入させるきっかけになった魔導適性能力判定するヘッドギアを作ったのも彼だ。


レイブル、裏コードを発見したのも彼だ。


そして今回の鏡面世界を発見したのも彼だ。



2116年に閣議決定して自宅警備員制度は導入された。


Dr.ドリトルが人間には見えない能力があるそれは魔力値が若年層にあると発見したのはそれよりもずっと以前の話だった。


ーーでは、鏡面世界を発見したのはいつの話なんだろうか。



彼が鏡面世界を発見して、局長 京極政宗が記者会見するまでの空白の時間、その間の間にDr.ドリトルは何をしていたのか。



僕たちは、Dr.ドリトルの研究室があると言われている、中央本部の地下室に行ってみる事にしたーー

響 海斗(ひびき かいと)


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真面目な好青年。


適性ランクC

能力 、無し

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