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失踪事件③


コミュニケーションセンターから一旦僕の部屋に戻った。


戻る道中、お喋りなエリカですら一言も喋らなかったーー

そんな重苦しい空気の中、僕はイズミさんに連絡を入れることにした。


「あっ、イズミさんですか?神崎です。お久しぶりです。今、大丈夫でしょうか?」

電話の向こう側は何やら騒がしい。


「カケルくん、ごめんなさいね。今取り込み中なの、また後でこちらから折り返すわね」


こちらの要件は何も話せず終わってしまった。

また、折り返してくれるのを待つか。

ただ、何となくだけど第三支部の件かな?


「カケちゃん、電話どうだった?」

エリカが心配そうに駆け寄って来た。

こういう時のエリカは、とても可愛いのだが・・・。


「中央は、何やら慌ただしくて掛け合ってくれなかったよ」


「ーーそうなんだ」

エリカは、残念そうに肩を落とした。


「コレ見て」

千夏が、パソコンの画面を指差す。


「神崎さん、これってーー」

柊が目を丸くして画面を見ている。


僕とエリカもすぐに駆け寄り千夏のパソコンの画面を見る。

「カケちゃん・・・」

「中央は、一体何を考えてるんだ?」




★ ★ ★


「知られてはならない情報が知れ渡ってしまっている。当局が今までずっと隠していた事だ。知られることはあり得ないはずだった。そうだよね、Dr.ドクトル」


「まあ、原則的には・・・ただ例外があったと考えられます。強いチカラに引っ張られて磁場が緩んでしまったのかもしれないですね」


「強いチカラ・・・か。まあ、遅かれ早かれ鏡面世界(ミラーワールド)の事は公表すべき内容だった。ただ早すぎた?」


「ええ、現段階では・・・」


「どこまで出来ている?」


「80パーセント、ランクA相当かと。しかし、一体はかなり損傷が激しく使い物にならないかと」


「被験体は送り込んでいるはずだが?」


「ーーええ、、まあ・・・そのランクCやらBではもうその・・・耐え切れる段階では」


「ーーーー」


「・・・」


「ーー強い肉体、精神があればランクBでも耐えれる?」


「物理的には可能かとーー」


「現在世界中探してもランクAは五人のみだ。貴様の遊び道具にはやれん。ならいっそのこと公表し自ら来てもらおうじゃないか、こちら側の世界に」


「ーーなるほど」


「その中で競わせて一番肉体、精神が強い者が分かる。それを使えば良い」


「御意のまま」


「Dr.ドリトル次はないと思え」



★ ★ ★


『ニュース速報です。先ほど自宅警備隊中央本部より緊急記者会見が行われました。こちらがその会見の模様です』


無数のフラッシュが飛び交うーー


「この度は、お集まりいただき誠にありがとうございます。中央本部局長の京極 政宗です。 今回の連続失踪事件に関する事実が判明したのでお知らせします。

今回の一連の事件は、全て新種のクリーチャーによる出来事だと判明しました」


会場にどよめきと騒めきが起きたーー


「実際、我々は日本各地に自宅警備隊を小部隊に編成し各地域ごとに調査して来ました。

その中である部隊が例のクリーチャーを発見したのです。その時の音声です、お聞き下さい」


『第三支部小隊ーー壊滅。隊員が拉致された。うわあああ来た、助けてくれえ、誰か誰かああ、俺も鏡の中にー』

騒めきから一転、声にならない驚きが会場を包み込んだ。


「ーー以上が音声になります。最後の鏡の中にとあるようにこのクリーチャーは自由に鏡の中を出入り出来る新種のクリーチャーだと判明しました。我々の仲間も何名も犠牲になっています。なかにはまだ鏡面世界で生きている者もいるかも知れない。一刻も早くクリーチャーを討伐したいと思います。

今後、なるべく夕方以降は鏡の近くに寄らないようにお願いします」


『ーー以上、報道フロアからお送りしました』



鏡面世界の事実が全ての人に知れ渡った。


千夏のパソコンから見たニュースは余りにも衝撃的な内容だった。


この中央本部の発表により世界は更に加速して変化するのだったーー

柊 楓(ひいらぎ かえで)


177/70 ( 21 )


金髪/サイドを刈り上げて襟足を伸ばしている。

左耳にピアス。

適性ランクC+

能力 ・( ブレード )

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