プロローグ
まだ設定が甘いですが宜しくお願いします。
タイトルはまだ仮ですので変わることがあります。
お姉ちゃんは優しく笑う。
お腹に大きな穴があき、今にも力尽きそうな表情を伴って笑う。
私の頬を伝う涙をお姉ちゃんはゆったりと手を持ってきて拭う。
「泣かないで」
お姉ちゃんはまたも笑う。
「あなたは強い」、「強く生きて」とお姉ちゃんは今にも途切れそうな声で紡いでいく。
私の左手を握るお姉ちゃんの手の力は言葉を紡ぐ事に弱くなっていく。
「死なないで!お願い!お姉ちゃん!」
「なか……な…いで」
さっきよりも弱くなるお姉ちゃんの言葉。
私の視界は涙でぼやけていく。
涙が頬を伝うたびにお姉ちゃんは少ない力を使ってそれを拭ってくれる。
涙を堪えなきゃ。
いくら堪えようとしても私の頬を伝う涙は止まらない。それどころか増えていく一方だ。
「ひと…り……に……させ………ちゃうね」
お姉ちゃん自身が一番わかってるんだ。
もう死んでしまうことを。
「こ……れ」
お姉ちゃんは地面に落ちていたブローチを手にとり、私の手に握らせた。
「ま……せ――」
「まかせる」と言いたかったのだろう。
お姉ちゃんの手は言い終わるお前に力弱くと私の手を握る手はするりと離れていった。
お姉ちゃんの表情は死んでもなお優しい。
地面にあるお姉ちゃんの手に手を重ねる。涙はまだ頬を伝う。
これからどうすればいいのか、全く分からない。
けど、私はまかされたんだ。この町の平和を。この託された力を使って守る事を。
手に握るはお姉ちゃんの温もりを宿す力。
ブローチを胸に当て、私は目を閉じた。
「私は欲する、力を。私は求める、守る力を。私は願う、悪を払う力を。私は渇望する、復讐の力を。私はあなた受け入れる。私はあなたを知る。私はあなたと共に歩む。私はあなたと罪を背負う。」
何故だろう。
言葉が頭に浮かんでくる。
この言葉を紡げと。
「天を仰ぎ、天に憧れる。生を謳歌し、生を求める。力を手に、守る力へと。覚悟を命へ、罪を魂に刻む」
言葉をきると、手に強く握るブローチからは溶け私の中に流れてくるような感覚が送られてくる。
『その言葉に偽りはないか?』
少女の声は優しくも問う。
迷う事は無い。
「はい。私に力を」
少女は呼応する。
『ならば力を与えよう。憤怒の力、余す事無くソナタに与える事を誓い契約とする』
ブローチは煌き、色を無くしていたブローチについた宝石は色をえる。青と白金の色が混ざり合い宝石を輝かせる。
『私はあなたの力。あなたが望むことを叶えることのできる力としてあなたの矛となりましょう』
「ありがとう。これで私は願いを叶えることが出来る。お姉ちゃんにまかされた事も大丈夫」
「大丈夫」と何度も何度も心の中で呟く。
お姉ちゃんのためにも。私はやる。
あの女どもを皆殺しにする!
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