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恐怖との葛藤

ブルードラゴンから飛び立った一機の白い小型機が地上へと向かったそのころ‥‥‥


「来てくれた!救助隊が、ブルードラゴンが来てくれた!」


喜び空を見上げるミュウに神ジンは、いまだになぜミュウが喜んでいるのかわからないで空のあの青い龍‥‥‥ブルードラゴンを見ていたその時、


「ズゥズウウウン!」


地面に伝わる響く音の方を見るとケルベロスが後ろ足を全て地面につけていた。


『この程度の魔物、この世界でなければ一捻りに出来るのだが‥‥‥』


ケルベロスの前足もすでに限界に来ているのか、前足が震えだす。だがケルベロスは自分の前に立つ魔物から己を護る為に、後ろにいる一人の少女を護る為に魔法防壁だけは消さなかった‥‥‥自分の体内に残った全ての魔法力を魔法防壁に使用する為に集中していた。

そんなケルベロスの姿を見た神は手に拳を作り自分に対して怒りをあらわにしていた。だが、見たこともない魔物への恐怖からか足がすくみ、声も出ないでいた。


『なんでなんだ!なんで体が‥‥‥声が出ないんだ!』


神は自分の心に問いかける。なぜ自分の体が動かないかと。そして神はわかっていた。あのでかい生き物がぶつかり合うたびに地面が軋み揺れ大地が悲鳴をあげるかの様な感じを目の当たりにして、恐怖を感じていたことを。

だが‥‥‥


「舞が‥‥大事な妹が悲鳴を上げ助けを求めているんだ!動けよ!動けって!俺の体!」


恐怖と葛藤している神を見たミュウは


『無理もないわ。この世界の人なら魔物やケルベロスが争っている所を間近で見たのなら』


当然とした顔をしてミュウは心の中で呟く。

だが神は恐怖に対してまだ諦めてなかった。


「くっそう!動けよ‥動けよ‥動けよ!‥動けっていうんだよ!!!‥‥‥舞‥‥‥舞‥‥‥舞‥‥まあああああああああい!!!」


神は恐怖に打ち勝つために叫んだ。大事な妹を守りたいがために!

その叫びが舞に届いたのか、舞は今自分が置かれている状態を漸く気づいた。


「‥‥お兄ちゃん?‥‥えっ?‥‥なんで?私‥‥‥」


『気づいたか‥‥小娘‥‥』


「貴方が‥私を護ってくれたの?」


『小娘‥‥逃げろ‥‥私は‥もたない‥』


ケルベロスは舞に苦しみながら言うと、遂に前足も地面に「ズズズズズズシーーーーーーン」とついた。それを見た魔物キマエラはさらにケルベロスに突進する。

「ドオーーーン!ドオーーーン!」

ケルベロスが必死で張り巡らせている魔法防壁も薄くなり始めていた。


『小娘‥早くに‥げ‥ろ‥』


「あああ‥お兄ちゃん‥お兄ちゃん‥お兄ちゃん!!!」


叫ぶ舞!キマエラの攻撃に必死に耐えるケルベロス!神は‥神は‥両手の拳が更に力が入り震え、


「ちくしょお!ちくしょお!ちくしょおおおおおお!!!」


叫ぶ!その時、神の両手から光る魔法陣が現れた。そして神は無意識に両手を広げると、神の後ろにあったコンクリートブロクが二、三十個空中に浮かぶと、神は両手をクイッとキマエラの方に向け倒すと、コンクリートブロクが「ヒューーーーン!」と勢いよくキマエラに向け飛んでいく。そして「ズドドドドオォ!」とキマエラにあたるが、キマエラは無傷。

そんなキマエラは今度は神目掛け突進してきた。


「神!逃げてえええ!!!」


ミュウは叫び神の手を取り逃げようとしたが、キマエラはもう目の前まで迫って来た。


「ま、間に合わない!」


ミュウが目を閉じた時、誰かが空から叫ぶ


「ファイアーアロー!!!」


同時に炎の矢がキマエラ目掛け飛んで行き、キマエラの体を貫いた。


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