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エテルナをお願いします

ブルードラゴン機の前に緊急発進する、レッドドラゴンからの通信‥‥‥エルゼ=マフィンからだった。ギルシェの前にいきなり32インチ程の映像モニターが現れた。そのモニターに映し出された綺麗な女性にギルシェは座っていたキャプテンシートからスクッと立ち上がると、胸に手を置き敬礼をする。その姿は新米兵が緊張して敬礼をする仕草に似ていた。


「エルゼチーフ‥‥いえ、エルゼ‥さん」


ギルシェは緊張なのか、言葉を詰まらせる。

そんなギルシェの様子にメイリは驚き、クラリスに小声で、


「あのう〜、先輩。あの人は誰なんですか?チーフがかなり緊張しているんですけど‥」


「あの人はレッドドラゴンチームのチーフのエルゼ=マフィン。ああ見えてもギルシェチーフの先輩にあたる人よ!しかもギルシェチーフより強いの!」


「えっ!チーフよりも強いんですか!」


「そうよ!別名魔女エルゼて呼ばれるぐらいだから。因みにうちのチーフは鬼筋のギルシェね」


メイリはクラリスの説明に驚き、モニターのエルゼに見入っていた。エルゼは金髪で髪は肩より少し長いか?それをポニーテールで縛っている。顔はどう見ても二十代前半に見える。ただ顔は優しそうに見える為、メイリは「本当に魔女?で、あのレッドドラゴンのチーフ?」と思えるほど。


「ギルシェ!悪いけど私達から先に緊急発進させてもらうわね。魔人が現れたから!」


「やはりそうでしたか。で、今度はどちらに‥」


「エテルナ、エルフ族の住む異世界。そこの女神から連絡があったの」


「エテルナですって!」


驚くクラリスは自分が座っていた席から立ち上がるとモニターの方を見た。


「本当なんですか?エテルナに魔人が現れたのわ!」


クラリスはモニターのエルゼに問うと、エルゼはコクリと頷いた。

エテルナはクラリスの生まれ育った異世界。魔法が盛んなエルフ族だけの住む世界。メイリもエルフ族だが別の異世界から来たエルフ族。

魔法は使うが道具も使う。エテルナ程、魔法が盛んな世界ではない。

そんなエテルナに魔人が現れた。居ても立っても居られないクラリスは思わず、


「エルゼチーフ‥‥私も‥‥」


そう言いかけた時、エルゼは


「安心しなさい!私達を誰だと思っているの?レッドドラゴンよ!クラリス、あなたが助けに行きたい気持ちは分かるわ!けど!今は貴女の力を‥助けを待っている世界があるのよ!後の事は任せなさい!今は自分の事に集中して!」


その言葉にクラリスは力が抜けた様に席に腰掛け直した。そして下を向きながら少し悔しい気持ちを出し、


「エテルナを‥‥みんなを‥お願いします」


「うむ!それでいいのよ。クラリス。」


エルゼはニコリと微笑むと発進準備を急がせた。


「エルゼさん」ギルシェが、


「なに?ギルシェ」エルゼ。


「お気をつけて」ギルシェはまた敬礼をすると、


「ええ、貴女もねギルシェ」


「チーフ!いつでも行けます!」

「ヨシ!」


その掛け声と同時にレッドドラゴンとブルードラゴンの間に防御シィールドの様な透明な板が張り巡らされる。

「キィーン」高鳴る魔法エンジン音。それはまるでジェット機のエンジン音の様。さらに高鳴る魔法エンジン音。そして‥‥‥


「レッドドラゴン発進!」


エルゼの掛け声と共に「ゴォー!」と音がして急加速するレッドドラゴン機。それはまぶたを一回閉じただけなのにもう豆粒ぐらいの距離まで行ってしまった。

目の前にあった機体のあまりの早さにメイリは驚き前を唖然とし、見ていた。

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