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緑の海のぷーりあ  作者: 阿釜月高
緑の海
3/10

長い廊下

 さわれないとなるとガゼンさわりたくなります。

 何とかお腹の石みたいのにさわってみようと、体をひねったり転がったりしてがんばってみましたが、どうしてもお腹に手がとどきません。

「ぷー……」

 ちょっとガッカリです。

 仕方がないのでピカピカの壁にうつったお腹の石にさわってみました。

 これもちょっとくふうがいりましたが何とかとどきました。


 つるつるです。


 ピカピカの壁のかんしょくです。

 お腹の石のかんしょくではありません。

 ちょっと気まずいかんじです。

 その時、ふわりとぷーりあのお腹の石が光りました。

 いえ、違いました。

 光っているのはピカピカの壁のぷーりあの手がさわっているところです。

 しゅっと音がするとピカピカの壁がするりと横にずれてへっこんだ段差の中にすいこまれていきました。

「ぷぷーー!」

 びっくりです。

 ぷーりあは知っています。これはたしか『ドア』というものです。

 『ドア』のむこうには別のお部屋だったり、ろーかがあったりするのです。

「ぷー……?」

 ドアのむこうはこっちのお部屋よりちょっと暗いみたいです。

 ぷーりあはそろりそろりとドアのむこうをのぞきこみました。

 ドアのむこうにあったのは長い長い廊下(ろーか)でした。

 廊下はずっととおくまでつづいているみたいです。とおくへ行くほど明かりは暗くなっていて、廊下のはしっこがどうなっているのか、ここからでは見ることができません。

 一歩二歩とあたりを見まわしていると、しゅっと音がしてドアが閉まりました。

「ぷぷ!」

 ちょっとびっくりしました。

 ちょっとだけです。

 ぷーりあはつよい子ですから。

 廊下はみぎの方とひだりの方に続いています。

 ちょっとの間考えて、ぷーりあはみぎの方に進むことにしました。

 みぎの方が何だかひだりの方よりもとおくが明るく見えたからです。

 暗いのがこわいわけではありません。

 ぷーりあはつよい子ですから、暗くてもこわくなったりしません。

 それに、ここではこわいことは何もおこらないと分っていましたから。

 何でそれが分っていたかは分かりません。

 でも、それはきっとだいじなことではありません。

 長い長い廊下を進んでいきました。

 ぷーりあはちっちゃいので、ちょっとずつしか進めません。

 時間がかかりそうですが、がんばって歩きました。

 

 長い長い廊下を歩いた先で、やがて廊下の奥が曲がり角になっているのが分りました。

 曲がり角のむこうは何だかこちらの廊下より明るいようです。

 何があるのでしょうか、自然と早足になってしまいます。

 


歩いてるだけって言う……

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