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僕が生きている理由を考えてみた。

作者: 降川 昇山




 生まれて、16年が経った。僕が成したことに意味は、あっただろうか?

きっと、あったと言ってくれるだろう。

僕が、行った努力を皆、価値はあったと言ってくれるだろうか?

ああ、あったと言ってくれるだろう。

だから、当たり前のことに僕は、ぞっとするんだ。もし、僕が結果を出していなければ、僕の努力は貶され終わることになるのだろう。

ほら、やっぱりやったって無駄だって…

過去の僕が、そう言っているが聞こえてくるんだ。

そして、僕は、その恐怖に怯えながら、また、同じことを繰り返す。今度は、過去の僕を越えるものを書かなければならない。僕の人生は、これの繰り返しだ。少しでも、気を抜けば、僕は、その時、生きていなかったことになる。

 大多数の人間が、歴史の中で生きていなかったことになっている。名前すら知られずに、時代と一括りにされる。

人が生きる理由は、死にたくない理由は、自分が忘れさられない為。もし、その周りの人間が、どれだけ忘れたくないと願っても薄れていく。それが、遺された人間の生き延び方。だから、生きていける。

死んだ人間は、生きている人間に勝つことは出来ない。

だから、死ぬまでに、訴えかけること出来る『何か』を。1秒でも、自分が生きている証しを残そうとするんだ。



 本能に従って人が、この世界で生き残れるように、僕は糧にならなければならない。

そして、その証しが埋もれてしまわないように…僕が、書き続ける理由は、それなんだと思う。

きっと、僕は、誰かを誕生させる為に生まれたんだ。

 僕が、足掻くのは、それに反抗して、僕は、僕の為に生きたって言いたいから。

僕が、死ぬのは、誰かが生まれてくるから。

これを循環と呼ぶんじゃないかな。

そして、僕が、足掻いた証は、人という生物が生き残る為に使われるんだ。僕は、今、そんな脆い道を歩いているんだ。本当に、切なくなってくるよ。だって、今、この瞬間に苦しんだ僕のことは、一生、誰も分かってくれることがないから。

生きたいって、死にたくないって、楽しいって、悲しいって思ったことは、いらないものだろう?

埋もれていくんだろう?



ああ、やっぱり、僕は、書くことに辿り着くんだ。いらないものをいるものにする為に……

書かなければ、僕自身も、いらないものにしてしまうから。忘れてしまうから。

何時だって、価値ある一瞬だったと言いたいから。僕が生きた意味は、僕が生きた意味を、人類に叩きつけてやるんだ。1秒だって伸ばしてやる。僕が生きている時間を……

人は、いつ死ぬか、分からないから。体は、あまり脆くて、直ぐにぐしゃぐしゃになってしまうから。僕が死んでも、僕の思いが生き残れるように…ゴミにさせない。

絶対に!!

価値があると、認めさせてやる。誰かに、人類に、社会に、世界に、自分自身に……








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