04 遠いワタシと彼 -明子Side-
世界が狭くなった。
幼かった頃は、自由に外を走り回り、自由な時間がまだ有ったはずなのに。
今は、何一つ残って無い。
生活は唯、窮屈だった。
そしてそれは、私の入内が決まってから、更に厳しくなる。
「姫様」
「どうしたの?」
私が直接会えるのは、仕えの女性だけ。
今日も、その彼女がやってきた。
「良次様がお見えになりました」
「わかったわ、貴女は席を外して」
久しぶりの事だった。
最近は、彼も滅多に訪ねて来てはくれない。
昔は二人でいつも一緒に遊んでいたのに。
今はもう、顔を合わせて話す事さえ叶わない。
簾で遮られた先に、彼はいた。
「明子姫様。お久しぶりで御座います。この度は、姫様の御入内、大変喜ばしく―――」
「――良次・・・」
「姫様?」
仕えの者達には皆席を外してもらって今は二人だけ。
そう思うと、ここから出て、直接良次を見たい衝動に駆られた。
そんなこと、無理だけど。
「覚えてる?初めて大内裏に一緒に行った時の事」
「・・・・・・はい」
「あの時、良次は私を助けてびしょ濡れになって」
「覚えてます。全部」
「あの頃が、一番楽しかった・・・」
自由で。貴方に触れることさえ簡単だったのに――。
「今までありがとう。何度も、良次に助けられてきた」
「私も、姫様に仕えられて光栄でした」
姫だとか、従者だとか、そんなもの無くなればいいのに。
姫という鎖が私を縛って。
「本当はね、良次のことが――――」
嗚呼。
なんて莫迦なことを言おうとしているのだろう。
其の先の言葉は、声にならず消えた
―――本当はね、良次のことが
好きなの




