表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/105

~東人(あずまびと) の前に~

2016年6月4日 午後11時59分

日本鉄道 新中野口車両基地

旧伏原線から100km程離れた、隣のC県新中野郡にある。

キハN-6型ディーゼルカー8両とN-12型ディーゼルカー50両、それに除雪専用車1編成を有する非電化路線トップクラスの規模を誇る車両基地だ。

そして、今日は保線車両1編成と甲種輸送中の新型ディーゼルカー、キハN-16型3編成6両とそれらを牽引する1型大型ディーゼル機関車2両が追加で停められていた。

そして、6月5日 午前0時

突如として、新中野口車両基地は跡形もなく消え去った。

車両基地が突如消えたことに気がついた警備員、基地要員たちは、直ちに日鉄に連絡した。しかし、時間が時間だけに動けず、詳細は日が昇ってからになった。

午前8時

調査員たちが調べるも原因は勿論、どこに消え去ったかすらも分からなかった。唯一分かったことは、旧伏原線の様に人が一緒に消えると言うことが無かったということだけだ。



正暦1506年6月8日 日の日

午前5時

「ん………………もう朝か。大分、日が昇るのも早くなったな……



よいしょっと。」

大沼啓治は、ゆっくりと布団から出、窓を開けた。

「よし。それj………………(ゴシゴシ)…………








ぬぅわんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!!!」

叫んでから数秒後

バン!!

「どうした!?」

田中亮が扉をぶち壊しそうな勢いで突入してきた。

「あ、あああ!!」

「うん?」

「あれ!!」

窓の外を指差す。

「…………!!!!!

何だありゃ!?」

「どうしたんです?」

「おおっ。岩根。ちょうどいいところに来た。あれは何だ?」

「………………いえ、私に聞かれましても…………一度見に行かないと、何も分かりませんから。」

「そうだな。じゃあ、後で手空きの集めて見に行くか。」

と、言うことで

午後1時

「じゃあ、交代も終わったし、行くか。」

田中・井上・岩根・大沼の4人で謎の(?)建物を見に行くことにした。

本線から繋がった線路を辿り、到着。

「あれっ?」

「岩根。どうした?」

「いえ。何か見たことがあるような気がしまして…………」

「確かに、見たことあるような気がするな。どこだっけな…………」

「おいおい。亮さんも見たことあんのかい?」

「まぁな。ただ、曖昧過ぎて覚えてないんだよな。」

「まぁ、入りましょうよ!居ても仕方ないし!!」

暫く外周を歩き

「あれは……門ですね。」

「なら、何か書いてるんじゃないか?」

「ですね。ちょっと見てきましょう。」

亮と共に走る岩根。9秒程で門に到着した。

「これは…………見たことがあるわけですね。」

「だな。だが、喜んでいいのかどうか、悩むな…………」

「ですね…………」

「お~~い!!どうだった??」

「「…………………………」」

「どうした?黙りこんで。





………………マジ?」

「「マジ」」

「3人ともどうしたん………………これは…………」

「日鉄新中野口車両基地。俺ら以外にも来たんだな……」

「亮さんよ。そんな事言ってないでとっとと入ろうや。誰か居ないとも限らん。」

「そうか。俺らと同じの可能性も否定できんな。岩根。門は?」

「鍵はかかってますが、横の通用口が開いてますね。」

「よし。行こうか。」




「誰か~~。居ないか~!!」

「「「………………………………」」」

「誰も……居ないようですね。」

「そうみたいだな。ただ、新中野口クラスの車両基地に誰も居ないというのは考えにくい。」

「確かにな。これだけの規模に甲種輸送まであるんだ。誰も居なかったとは思えん。なら…………」

「整備長と同感だな。今回はモノだけが飛んできたんだろ。」

「それについては良いんですが…………これ、どうします?」

岩根が指差す先には、大量のディーゼルカーがあった。

「恐らく、あの能力は適用されて無いでしょう。かと言ってそのまま放置も出来ませんし…………」

「いや、分からんぞ。線路は繋がってるんだよな?」

「ええ。ですが、まさか!!」

「分からんのなら分かるようにしてしまえば良い。整備長。車両の確認を頼む。岩根とサリちゃんは線路の確認だ。」

「見た限り大丈夫そうだが…………まぁ、一応見ておこう。」

「しっかり本線に繋がっていますし、枕木等も問題無さそうです。」

「分かった。」



20分後……


グォォォォォォン!!

「やっぱ機関車は音がデカイな!!!」

「亮!!良いぞ!!」

「了解!!!」

亮がブレーキを解除し、ノッチを1に入れると、1型大型ディーゼル機関車1両はゆっくりと動き始めた。

オオスミ駅(元栗丘駅)と、森の方に少し行ったところにあるオオスミ車両基地(元栗丘車両基地)のちょうど真ん中辺りの本線に繋がっている線路に向けて、時速5km程度の低速で機関車は進む。

「煙…………出ないな。」

「速度が遅いからでは?」

「いや、5kmでもこいつなら出るはずなんだが…………」

「なら………………」

「こいつら全部、動くかもしれないな…………」

結局、エンジンを起動させたまま、半日放置したが、油を一切消費しなかった。

そして、他のディーゼルカーも実験したが、同じような結果になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ