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ひとりごと
まったく、つまんねえ世界に生まれちまった。
世界のどっかではガキンチョが腹減って死んでって、俺のマンションの隣の部屋には太り過ぎて自分の足の爪が切れない醜いババアが住んでんだ。テレビのキャスターが政権交代がどうのこうのいってても、証券市場がてんやわんやで大騒ぎしてても、俺は毎日なんもかわらず朝起きてクソして寝てるんだ。別にロックスターになりたいわけでも、魔法を使ってみたいわけでもないけども、少しは刺激があってもいいんじゃないか?
さっき電車のなかでみかけた女子高生たちは、アスファルトに干からびたミミズほどにどうでもいいことを堂々巡りで話してた。さも楽しそうな声で、周りの人間なんか気にもかけないような笑顔で。きっと彼女らはこの世界が楽しいんだろう。そういうもんさ。俺だってそうだった。
つまんなくなったのは世界だろうか。それとも俺のほうなんだろうか。そんなことはどうでもいいか、どっちにしろたいした問題じゃないんだ。だいじなことは今日が昨日と違う日なのかどうか、ってことなんだ。
なあ、そうじゃないかい。