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第171話 overwhelmingly ability

 

 視界の端で、陽愛がなんとか起き上がろうとしているのが見える。

 やめろ、起き上がるな……ベルフェゴールは、女性を嫌う特性がある。陽愛が戦うには相性が悪すぎる。

「おおおおおおおおおおおおおおッッッ――――!!」

 左手のナイフを横に持って、やや防御的な体勢のまま突っ込む。

「おや、自分から来るかい?」

 意外そうな顔のベルフェゴールが右膝をつき、合わせた両手を床に当てた。

 床は元々の動きがない……何をする気だ。

空間惰気(ゼロ・コンバート)

 グラリ、と地面が揺れた気がした。

 いや、違うな……これは……俺の脚が、力を失ったんだ。

「な、んだよ……これ……」

 奴の爪には触れていない。奴の攻撃なんて受けていない。

 それなのに……どうしたんだよ、俺の脚。

「さっき、熊の化身が消えただろ? あれ、自分で消したんだよねえ」

「な、にを……」

 左手でなんとか上半身を支え、倒れ伏すのを防ぐ。それで、精一杯だ。

「あのエネルギーを、屋内全体に染み込ませる……それを待ってたんだ。建物内に来てくれて、助かったよ」

 な、馬鹿な……俺から吸い取った分のエネルギーだけで、アリーナを埋める能力値……燃費良すぎだろうがよ……!

 立ち上がって俺に歩み寄りつつ、ベルフェゴールが右の爪を振りかざす。

 落ち着け……これは結界魔法の類だ。エネルギー消費は激しいハズ。触らなくても能力を行使できる代わりに、それほど威力も高くない。

 立て……立てるだろう、俺……!

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ――――――!!」

 両脚にありったけの力を入れる。

「腕落とそっかな」

 不吉な台詞と共に振り下ろされた右爪を、なんとか右に転がって躱す。

 ぐッ……あまり大きな動きは、難しいかもしれない……。

「往生際が悪いよ」

 ベルフェゴールの左の爪が、床のコンクリートを抉り取る。

「がっ……」

 コンクリートの破片が俺の身体に次々と当たる。その勢いで、俺の身体が横向きで一回転して吹き飛ばされた。

 出血による脱力感、ベルフェゴールの能力による倦怠感で、どんどん力がなくなっていくのが分かる。

 アリーナに場所を移したのが、こうも裏目に出るとは……。

 陽愛の方を見ると……膝と左手をついて、なんとか立ち上がろうとしているようにも見える……が、右手で、何かをしているようだ。

 声をかけたいが……ベルフェゴールの注意を向けることになる。

 正直なところ、俺も人の心配してる余裕はないしな。

 近付いてくるベルフェゴールから逃げるように、俺は制服から風魔法を出して自分の身体を移動させる。惨めだろうとなんだろうと、時間を稼がないとどうしようもない。

「ライ、セン!」

 左手のナイフを振り、雷の斬撃を飛ばす。

 ベルフェゴールは突然の攻撃にも動じず、身体を斜めに傾けてそれを躱した。

 この距離なら、躱されることは想定内だ。むしろ、躱されなければ意味がない。

 

 陽愛たちが特訓している最中、俺だって遊んでた訳ではない。

 前までは、同時にフル活動すれば五分ほどで精神力切れを起こしていた属性魔法の限界を、徐々に引き伸ばした。それに、コントロールに関しても。

 風魔法に関しては、汎用性の高さも相まって、俺はそこそこに扱えていた。

 ただ、雷魔法は戦闘以外で使う機会があまりなかったこともあり、細かなコントロールは苦手だった。特に、速さだ。

 目視して操作するのが最も楽ということもあり、雷魔法の速度は当然、本物の雷よりもかなり抑えている。それでも速いことには変わりなく、発動前に決めた動きでしか操作はできなかった。それを改善すれば――

 

「な、に……?」

 大きくカーブした雷の斬撃が、ベルフェゴールの左腕を切り裂いた。

 ナイフを動かし、発動後に雷の斬撃を操作する……本番ぶっつけだが、できたな。

「……油断したか」

 左腕を軽く振って、ベルフェゴールが左腕の熊の手を消した。

 その直後、強い危機感に襲われ、左の掌底で床を思いっ切り突く。その反動で、身体を後ろへと更に押す。

 俺とベルフェゴールの間に、先ほどと同じくらい大きさの熊がいつの間にか立っていた。

 出てきやがった……チクショウ。またかよ、こいつ。

 

 冷たい。

 突然の感覚に、床についていた左手を上げる。

 水が……薄く、床を流れていた。

 

流水の絶壁(ウォーター・ウォール)!」

 

 陽愛の声と共に、床の水が急激に流れを持ち、ベルフェゴールの周りを回り始めた。そのまま天井まで高く上がり、丸い壁となる。

「黒葉っ……今の私は、これが限界、だから……!」

 苦しそうな陽愛の声が聞こえた。

 そうか……さっき、陽愛は床に魔法式を描いていたんだ……このレベルの魔法にはまだ、思考発動ができないんだ。

 というか、属性魔法か……! 瓜屋先輩が師匠で、本人も才能があるとは聞いていたが……この短期間で、水魔法が使えるようになっているとか、すごすぎだろ。

「この程度で、俺を抑えられると思ってる訳なの? 何も知らない一般人が……」

 少しずつ邪気を孕んでいく声に、陽愛の危機を悟る。目の前の熊が、ゆっくりと俺に背を向けた。

「させるかッ!」

 時間が経ったからか、あいつの集中力が削がれたからか、全身を襲う倦怠感は弱まってきている。思い切って立ち上がり、熊の左脚をナイフで斬り付けた。

「悪いけど、遊びに付き合っている暇はない」

 熊は俺の方に向き直ったが……ベルフェゴールは未だに邪悪な雰囲気を出しているのが、水の壁越しにも伝わってくる。

 水の壁から、ゆっくりと熊の爪が突き出てきた。

 目の前には熊が……ベルフェゴールが陽愛の方を狙いにいっても、今すぐにヘルプには行けない。

 ならば、今すぐにでも、この熊を片付けにいくべきか……。

 熊は、ベルフェゴールと切り離されているためか、俺との睨み合いをしていて、攻めては来ない。だが、このままでは陽愛の努力が無駄になる。

 既に、ベルフェゴールは右肩までが出始めていた。こうなれば、もう俺のやることは決まっている――

 

 ――――パアァァァァァン…………――――!

 

 窓ガラスが割れる音と同時に、ベルフェゴールの身体が右肩を軸にして一回転しつつ吹き飛ばされた。

「……っ……」

 今の銃声は……狙撃(スナイプ)……!

「……元々、私の魔装法だけじゃ勝てないくらい分かってたよ……だから、数に頼らせてもらったんだ」

 陽愛が左手でインカムを押さえつつ立ち上がった。

 通信しながらタイミングを取りつつ、一度でも警戒されたらまずいであろう狙撃手の一発で決める……瓜屋先輩の誘導かは分からないが、作戦勝ちだ。

 床を滑ったベルフェゴールは、そのままダンボール付近にまで転がった。

 その瞬間、ダンボールの山を突き崩しつつ、瑠海が現れた。そのまま、瑠海は右手の自動式拳銃の銃口をベルフェゴールの頭に向ける。

「動かないで」

 低く、威嚇したような声で瑠海が告げる。

 俺の前にいた熊が、霧のように掻き消えた。

 それを確認し、俺はフッと息を吐く。

「いつの間に……瑠海が控えてたんだ?」

「最初っから。桃香が瓜屋先輩に、黒葉の動きを無線で伝えたら、きっとアリーナだろうって。それで、今の今まで指示をもらってたんだ」

 陽愛が拳銃をしまいつつ、ホッとしたような声で答えた。

 全部、瓜屋先輩の計算通り、ってか……敵わないな、こりゃ。

「確かにあの人、陽愛たち、って言ってたし……最初っから桃香と瑠海の戦力も考えの中ってことか」

 苦笑いして、瑠海が抑えるベルフェゴールの方へと歩いて行く。

 あれ……違うな。全てあの人の計算の通りって言うのなら……。

「ふっ……はははッ…………」

 突然、笑い声が響き渡った。

 固まる俺の前で、ゆっくりとベルフェゴールが右腕を上げる。倒れたままの体勢から、熊の爪が消えた右腕だけを。

「撃つよ!」

 戸惑いながらも、瑠海が鋭く忠告する。

「無駄だって」

 冷たい声で言うと同時に、ベルフェゴールの身体から黒い煙が上がり始めた。

「撃て!」

 俺の怒声と、人(少なくともその形をしたもの)を撃つことへの抵抗からか、瑠海の瞳が揺れる。それでも、明らかに異常な事態であると理解したのか、上げられた右腕に向けて銃弾を放った。

 瑠海の放った銃弾は、黒い煙の中に突入した途端に一瞬でその速度を落とし、重力に引っ張られて落下した。

「えっ……」

 驚きの声を上げる瑠海の前で、ベルフェゴールが倒れた状態から跳び上がり、さながら体操選手か何かのような動きを経てその場に立った。

 移動魔法を使った全力の走りで滑り込み、床のパラを拾う。そのまま、左側にいたベルフェゴールの右腕に三発撃ち込む……が、先ほどと同じように全てが届かない。

「陽愛! 援護を頼む!」

 雷魔法を使った銃弾を次々と撃ち込むが、雷さえも奴には当たらない。途中で掻き消える。

 拳銃とは違う重い発砲音と共に、狙撃(ライフル)弾が飛んでくる。桃香の援護射撃だが……運動エネルギーが高い狙撃弾でさえも、途中で落下した。

 そうだ……全て瓜屋先輩の計算通りというならば、あの人の指示通りだというならば、桃香と瑠海を戦力に入れて――今の俺たち(・・・)では勝てない、ということなのだ。

「クソッ! なんでだッ!」

 最終手段、一か八か接近戦に持ち込むしかない。

 床を蹴って、ベルフェゴールの死角からナイフを持って突貫する。身体の倦怠感などは、魔装法で補える程度だ。

 そこで、立ち上がってから動きのなかったベルフェゴールが、急に右腕を構えた。

 俺が反撃ないし、迎撃に備えた瞬間……奴の右腕が、近くにいた瑠海の喉を掴んだ。

「なッ……!?」

「瑠海っ!」

 俺と陽愛が焦って武器を下げる。

「まあ動くな……俺は、女にも容赦しない……というか、女だからこそ、ちょっとな」

 軽い口調だが、どこか苛立ったような言葉で、俺たちを牽制した。

「い、い、から……! 気にし、ないで……!」

 明らかに苦しそうなのに、瑠海はそれでも必死に、俺たちへと叫んだ。

「ふざけんな! 気にしないで、なんて無理に決まってんだろ!」

 俺が叫んだ瞬間、ベルフェゴールの雰囲気が変わった気がした。さっきよりも穏やかな――敵意は剥き出しなのだから、正確には穏やかではないが――感じがする。

「ほお……そうか、そうか……なるほどね。やはり、種は残すべきかな」

 何を言っている……? どういう意味だ?

「人質交換……ではないか。この女を連れていくから、助けたければ付いて来なよ」

「……俺と一対一(サシ)でやれよ。人質なんて、格が下がるぞ」

「そう言われても、俺の性格上、響かないんだよねえ……実際、手間とか省きたい方だし? それに、今は目的の達成が第一でね」

 巻き込まないように、なんて思ってたくせに、瑠海を連れ去られそうになるなんて……酷い話だ。どんな手を使っても取り戻す。これ以上は危険な目に遭わせる訳にはいかない。

 さりげなく、インカムの接続先にコールする。もちろん、瓜屋先輩だ。

「……事情は把握しています」

「……式は終わったんですか?」

 すぐに、瓜屋先輩の応答がきた。

「ええ、終わった途端、この状況ですから……突入は自粛してもらっています」

「すみません、俺のミスです」

「やめましょう。今は、救出が先です」

 ピシャリとした瓜屋先輩の言葉が聞こえた。

 頼もしいと思うと同時に……どこか不安を感じさせられる。どうしてだ?

「さて、と……そこから退いてもらおうか?」

 出入り口の前に立つ陽愛に、ベルフェゴールが冷たく言う。

 今の内に、瓜屋先輩と打ち合わせるぞ。

「私も、アリーナの外から動きます。白城くんは、すぐに姫波ちゃんを確保できる位置にいて下さい」

「……分かりました」

「それと一つ……彼の、全ての攻撃を無力化する技の抜け穴はないですか?」

「分かりません……ただ、あの能力は、俺たちから吸い取ったエネルギーを使っている特殊防御魔法のようなものです。時間による、エネルギー切れを待つしか……」

「……あの霧が、攻撃のエネルギーを吸い取っている、と仮定しましょう……それなら、霧に触れなければいい」

「それは……そうですけど……」

 霧は、奴の身体全体から出ている。

 黒いから、ハッキリと目視できるのだが……あれは、身体全体から出ている。奴の周りを囲んでいる形だ。どこにも、躱せる場所なんてない。

「不死鳥。どうした? 来ないのか?」

「……待てよ、瑠海は放せ」

 不死鳥、って呼ぶんじゃねえよ……とベルフェゴールに言いたかったが、もう今更か。

 それよりも、時間稼ぎだ。

「おいおい。そうしたら、君は真っ先に襲い掛かって来るだろう? 疲れたくないし、大人しく付いて来なよ。俺たちの拠点に着き次第、こいつは解放する」

「信用ならねえ」

「君に選択権があるとでも?」

 瑠海の靴が、床から離れる。首を掴まれているために瑠海は窒息して、か細い息を吐いた。

「やめろ! ……分かったから……」

「よろしい」

 悔し気に唇を噛む陽愛の方向へ、ベルフェゴールが一歩踏み出した――

影伝(かげづたえ)遠撃(えんげき)

 インカムを通し、瓜屋先輩の静かな声が聞こえた。

 空を切る音を置き去りに、狙撃弾がアリーナ内へと飛び込んでくるが……それは、ベルフェゴールの遥か上へと着弾した。

「チッ……またか……」

 嫌そうな顔で呟いて、ベルフェゴールが瑠海の首を解放した。少し出遅れたが、俺は全速力で瑠海を抱きかかえて、一定の距離を取る。

 今……おそらく、瓜屋先輩のであろう狙撃が行われ、銃弾は、天井に刺さったままのナイフへと当たった。落下したナイフは、ベルフェゴールの右手へと突き刺さっている。

 なるほど……あいつの身体が邪魔で見えなかったが、よく考えれば、瑠海が喋れている時点で、あいつの霧の魔法は右手にはなかったということだ。それに、頭上からの落下物では、そもそも自然落下だけで充分。霧に当たっても関係はない。

 上からの攻撃は視野に入れていなかったんだろう。さすがのベルフェゴールも、反応が遅れたって訳か。

「……あ~あ……もうさ、協力者を皆殺しにすればいいんじゃないかなあ?」

 明らかに苛立った様子で、ベルフェゴールが右手を振るう。ナイフが音を立てて落ちた。

 ナイフから発せられた影魔法は、紐状に動いて奴に襲い掛かったが、全てが力なく消える。

「いっそ……殺すか、全員」

 剣呑な目つきで、ベルフェゴールが俺を見た。

 おいおい……こいつの目、本気だぞ……!

 

「落ち着けよベルフェゴール。君らしくもない」

 

 幼い、少女のような声が聞こえた。

 いつの間にか、アリーナの出入り口に少女が一人立っていた。年齢は……およそ十二、三くらいだろう。ショートヘアで、細目、華奢な体型だ

「……面倒なやり方ばっかりだったんだよ。もしかして、俺のこと読まれてた?」

「関係ないんじゃないかな? きっと、そういう戦いを好む人もいるんだよ」

 俺たちを無視して、二人が会話をし始める。ベルフェゴールの纏う空気もが、少しずつ柔らかくなっていく。

 呆気に取られる俺たちに気付いたようで、少女が俺を見てニコッと笑った。

「はじめまして、お兄さん。こう呼ばれた方がいいでしょ? 周りへの配慮として」

「君は……」

 もう、嫌な予感しかしない。

 

「私はマモン。強欲を司る悪魔だよ」

 

 ……二体目。

 勝てないぞ、これは……絶望的なまでの、戦力差だ。

「今日は俺だけだったハズじゃ?」

「君が予定より遅いからね。確認、必要とあらば手助けにね」

 笑顔のマモンに、どうしても俺は銃口を向ける気になれない。青奈よりも幼い見た目で、ここまで敵意を感じないと、どうにもやる気にはなれない。

 しかし……躊躇う俺の前で、鋭い音と共に、マモンへと狙撃弾が撃ち込まれた。

「……危ないですね。これは」

 マモンの顔の前に小さな鉄板が急に現れ、銃弾を受け止めて見せた。

「敵と認識して狙ったけれど……良かったんですよね?」

 インカムからの瓜屋先輩の言葉に返事をしつつも、その冷静で冷淡な判断に背筋が凍る。

「どうやら、不意打ちは失敗だったらしいね。色々と失敗したようだし、調子(・・)も乱れてきている。今日は帰ろう」

 マモンがベルフェゴールに提案すると、どうやらそれで決定したらしく、奴の殺気が消えた。

 見送るしかない俺たちの間を通り過ぎ、二体の悪魔がアリーナを出て行く。

「ああ、どちらにしろ、お兄さんは連れて行くよ。遅いか早いか……少々、みんなが焦ってるからだけど、今度はもっと準備して来るから。その時は、よろしくね?」

「…………」

 マモンが俺を振り返って片手を振るのを……最後まで俺は、なんの反応もせずに見送るしかなかった。

 

  

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