プロローグ
ちょうど十年前――
それが始まりだったらしい。
魔法という、昔なら馬鹿げた力は、ほんの十年前についに実現となり現実となった。
しかし、その力は魔法研究者が、当初に思っていたものとは大きく違った。
呪文はない。そのためにMPも必要ない。
だが、発動は出来ても効果が得られなかった。
分かりやすく言うと、火を発生させる魔法を使い、火をつける。
しかし、それは温かみもなく一瞬で消える。
その時は、そこが限界だと思われた。
周りはそれでも充分だと褒め称えた。小さい頃に憧れた夢の力が、効果はなくても存在しているという事実に、大人たちは安らいだのだ。
しかし、研究者たちは諦めなかった。
更に二年を費やし、発見したのが魔器魔法だ。
または魔装魔法や、縮めて魔装法なんても呼ばれる。
つまるところ、道具や武器に魔法を纏わせるのだ。
今や一般的だが、どういう考えで、どういう経緯なのかは不明である。
まあ、そこは重要ではない。
その結果だ。
果たして――使い方や、魔法を使う人間の力、その武器や道具とのシンクロ率……などの条件によって異なるが、魔法は効果を発揮した。
そして――
世界には魔法が溢れ、魔法は一般常識とされ、魔法と武器の世界は始まった。