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第24話 銀金メイドVSディオル

《ミロ広場》


「へ〜! ちゃんと姿を隠蔽いんぺいする為に結界まで張ってくれてるね。知ってたけど―――『紅蓮眼弾・レッドアイズ・バレットフロー』」


【……魔法が空中で赤いこうを描いている? あれはどんな魔法なんだ?】


「これかい? これは、この世界で僕しか扱えない特別な力さ。『朱撃弾バーミリオン・バレット』」


【これは……吸血鬼殺しの技か?!】


 僕が放った流動的な『朱撃弾バーミリオン・バレット』が『隻眼の魔法使い』の三肢みしを容赦なく切断した。




《リンゴリッツの店》


 真夜中になり店内は静まり帰っていました。


 そんな場所に私とエアリスちゃんはやって来ました。


「真っ暗ですね。ライン様の暴言を言われてしまったので、強く蹴りすぎてしまいましたわ」


「ご主人様を侮辱ぶじょくされたのなら当然ではないでしょうか? それよりも。何故、一撃で仕留めなかったのですか?」


 エアリスちゃんが、『緑風の妖精槍シェフィールド』を両手に持って私に睨んできますね。


「ミーティアス王家の血筋の私が、誰が見ているかも分からない王都で人を細切れにしろと?」


「だからって、私に魔法を使わせてエルフ族の結界を使って周囲を見せなくさせるなんて……貸し1つですからね。アリアさん。『風壁』」


 エアリスちゃんが、リンゴリッツの建物に魔法障壁が張ってくれましたね。ありがたいです。


【……この建物と外を断絶したのか? どんな力だ。クソッ!】


 暗闇から死にかけのかえるの様な声が聴こえますね。ゲボゲボと聴こえます。


「貴方を始末させて頂きます。ライト様が必要なのは、あの『隻眼の魔法使い』さんだけですので」


【ぐぅ……めやがって。テメエ等の血を吸いくしてやる。『血痕爪ブラッドクロー』】


「困り事がくなる本当に強気になりますよね。アリアさんって……まぁ、その方が良いんですけど! 『風迅』」


 エアリスちゃんの『緑風の妖精槍シェフィールド』から風の刃が暗闇に向かっていきますね。


「アシスト感謝します。ティアス流剣術『銀竜』」


 高速剣技『銀竜』。この剣撃はまととして放った相手の喉元目掛けて放つ強烈な一閃いっせんの技。



【風の斬撃だと? この暗闇で何故、それ程までに正確な攻撃を放てるんだ? オラアァ!】


 赤い閃光せんこう。腕に自分の血をまとわせているのですか。


「首元……頂きます。『銀流星』」


【嘗めんじゃねえ!! 見えてんだよ! 『血痕壁ブラッドウォール』】


ガキンッ!


「両腕の血を薄い赤い壁を形成したですか?……そんな細かい魔法術式を使えるなんて」


【俺を甘くみんなよ。クソガキ共! 俺は『隻眼の魔法使い』ブラッドの右目なんだよ! 『血痕鞭ブラッドロンド』】


 吸血鬼さんの身体から血液が? 距離を取らないといけませんね。


「エアリスちゃん! アシストお願いしますわ」


「分かってますよ。『風道』」


 エアリスちゃんの風のつかみで、掴まれて私は今、ちゅういています。


 吸血鬼さんと距離を取ることが出来ましたね。


「助かりましました。エアリスちゃん。私はちゃんと無傷ですわ」

「別に貴女の為ではありませんわ。貴女が傷付くとライト様が悲しまれますので」


【2対1……そういう事かよ。クソガキで経験が薄い分。2人でカバーし合わせてるのか。あのクラウディア家の引きこもり悪童。何者だ?】


「ライト・クラウディア様は私の最愛の方ですわ。素敵な方です」

「そして、私の将来の結婚相手です」

「……違いますわ。エアリスちゃん。ライト様は私のライト様ですわ」

「なにが違うんですか? 事実です。私は将来、ライト様と結婚するんですけど?」


 ふぅ〜! エアリスちゃんは本当に勘違いしやすい性格な方ですね。困ったちゃんですね。


「ティアス流剣術『銀星』」

「『緑風の妖精槍シェフィールド』―――『風撃』」


 お互いの攻撃で、周囲の物が吹き飛びましたね。いけません。いけません。あの吸血鬼さんの相手に集中しないといけませんのに。


【なんだ? お前等。仲が悪いのか? あのクソガキを取り合ってるのか? みにくいな。やはり人族は醜い奴等だな。キキキ】


「はい?……ライト様がクソガキですって? 『銀竜』」

「聞き捨てなりませんね……押し潰しますよ。『風圧』」


【おいおいおいおい!! 仲間割れしてたんじゃねえのかよ? なんで今度は息がピッタリ合ってやがん……だあぁ?!】


 私達の同時攻撃を喰らった吸血鬼さんが、リンゴリッツの店の奥へと吹き飛んで行きます。

 

 店の暗闇へと……


「……倒せましたでしょうか? エアリスちゃん」

「まだですよ……アリアさん。いい加減に気配察知とかの能力を身に付けた方が良いですよ。ライト様とずっと一緒に居るから安心しきってる様ですね。」

「まだでしたか。失礼しました……それでは、この技で終わらせますわ。ティアス流抜刀術奥義――――『銀竜……」

「……最初にその技を使えば良かったんじゃないですか? 剣術で遊ぶ癖もそろそろ直して下さいね」



【ギギギ……ふざけやかって。この俺がなんで一方的にやられねえといけねんだ?! すまねえがブラッド!! 俺は目立たせてもらうぜ! そもそも、なんで派手好きの俺が暗闇で静かにしてないといけねえんだよ! 『血痕吸血鬼ブラッド・ヴァンパイア』】


「……一閃』……さようなら。名も知らない吸血鬼さん」


【がへ?……なんで俺の身体が頭と離れてやがるんだ?!】


 切断した首と胴体が灰へと変わっていきますね。以前、ライト様が言われていた通り。闇落ちした吸血鬼種は首と胴を切断すれば良いと言われて試したのですが……


「全て上手くいきました。良かったで……」


 スパンッ!……バキッ……ミシミシ……ドガアアンン!!


「あらあら?……何故でしょうか? リンゴリッツの店内が崩壊していきます。これでは押し潰しされてしまう様な?」

「切り刻み過ぎだからですよ。それに、私の服まで切るなんて! この白いワンピースはライト様が私に買ってくれたものなんですよ。アリアさん」


 全裸姿のエアリスちゃんがやって来ましたね。『緑風の妖精槍シェフィールド』で私に身体を見られないように隠しています。


「あら? エアリスちゃん。なんで裸なんですか? 露出癖でもあるんですか?」

「ありませんよ! それよりも早くここから逃げないと押し潰しされて……」


 エアリスちゃんが、私に裸を見られているのが恥ずかしいのか、怒気が強くて風魔法を暴走させています。


 風が強くて……その風が崩壊する店内に当たって……建物がさっきよりも勢い良く崩壊し始めました。


「……どうやら。エアリスちゃんの魔法暴走のせいで崩壊しますね」

「へ? 私のせいですか?」


「「キャアアア!!」」



《ミロ広場》


「……なんだ。結局、まだ"赤蛇の神眼"は場所の特定しか出来てなかったのかい?」


 僕は、リンゴリッツの謎の店で、謎のお婆さんから買った赤い玉を宙へと、投げてはキャッチして遊んでいた。


【クソガキガアァァ!!……ハァ……ハァ……ハァ……私はヴァンパイアロードだぞ?! そんな私が手も足をもががれる。など……私は『隻眼の魔法使い』なんだぞ?!】


 そして、騒いでいるのは、さっきまで一方的にボコボコにしてあげていた。『隻眼の魔法使い』さん。


「うんうん。そうだね……それは君と僕との差が凄まじかっただけの事だよね。それと今日は満月だね。『隻眼の魔法使い』さん。君が喋ったてくれた通り。赤い玉を満月に照らしてみるね」


 赤い玉を夜空に光る満月にかかげる。


【……その石さえあれば……何故、それを貴様が《《所有》》している? 本来は王都の……リンゴリッツの地下深くに封印されている代物なんだぞ!!】


「大金出して買ったからね。それに、僕ってさ。よく"眼"に好かれやすいんだと思うよ。欲望のコントロールが出来るからさ……君達みたいに欲望に正直で、眼を悪用する事しか考えてないような人達と違ってさ」


 満月の光と僕の魔力に反応して、赤い玉が……いや、僕の右手に持つ"赤蛇の神眼"が赤色に怪しく光る。


【ちっ!……このクソガキがぁ!! クソガキがぁ!! クソガキがぁ!! それさえあれば、私はもっと強くなれる。貴様の様な遠くから攻撃するような卑怯者ではないんだぞ! 私を認めよ! "赤蛇の神眼"よ! 私を認め。私の失われた右目と四肢ししいやせ! 癒せ! 癒せえぇ!!】


「うるさくて欲望まみれの願いだね。『隻眼の魔法使い』さんは」


 ……正しい魔力と満月の光を受けた"赤蛇の神眼"は怪しく光って封印されていた"神の赤き瞳"の力を宿やどす。


【寄越せ! それは私の新たな右目だ。その為に隻眼にもなった。再生もせずに。神がごとき力を得る為に全てを捨ててきたのだぞ。寄越せ!クソガキ! 寄越せ寄越せ寄越せ寄越せ寄越せえぇ!!】


 うるさく夜の王都でえる瀕死ひんしの吸血鬼。


「……分かった。分かったよ。渡せば良いんでしょう? 『十四色の神眼球しょくがんきゅう』の1つ"赤蛇の神眼"をさ。でも気をつけておいた方がいいよ。《《この子達》》とちゃんと向き合わないで、好き勝手やるととんでもない事になっちゃうからね」

 

 僕はそう言って、"赤蛇の神眼"を『隻眼の魔法使い』さんの近くに置いてあげた。


【貴様は馬鹿なのか?……流石、世間知らずの公爵家貴族の子供だな。まぁ、いい……これを右目に埋め込めば。私は神の眼を得れる。あらゆる種族を超越した神への一歩を歩む事ができる】


 『隻眼の魔法使い』さんは地面をいずりながら、"赤蛇の神眼"へと近付いて失明している自身の右目へと"赤蛇の神眼"を埋め込んだ。


【……この力は?……私の血そのものが変化し生まれ変わっていく? これが神へといたる第1歩。私は頂上の力を手に入れたぞ! ライト・クラウディア!! 貴様の甘さのお陰でな。ファハハハハ!!】


 『隻眼の魔法使い』さんの失明していた右目が、見える様になってる。それにの色が赤く染まって……身体はさっきまで死にかけだったのに。新たな四肢ししが生えて復活してるね。


「うん。良いね。僕も『十四色の神眼球しょくがんきゅう』の力を得た人が、どれだけ強いのか試してみたかったんだ。魔人系統の吸血鬼種の力はとくにね」


 『隻眼の魔法使い』ことヴァンパイアロード・ブラッドは、満月の夜空にへと羽ばたき始めた。まるで蝙蝠こうもりの様に黒い翼を広げて。


【ふっ! 瀕死の時の私を殺さなかった事を後悔させてやるぞ。クソガキガアァァ!!】


「"赤蛇の神眼"の力を得た『赤眼の魔法使い』との再戦だね。どこまでやれるか楽しみだよ。"隻眼の魔法使い"ブラッドさん」


 僕は神眼しんがんの力を込めた黒眼蝶銃ブラックバタフライ銃口じゅうこうを静かにブラッドへと向けた。

 

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