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第20話 入学準備の日 後編


 僕がクラウディア公爵家のご子息と言う事は隠蔽魔法と『隠蔽眼』で阻害してと。僕と言う歩くお金になる鉱脈が外をふらついてら不味いからね。


 補欠入学の時は隠蔽馬車で移動してたから分からなくしてたけど。僕って嫌でも目立っちゃうからね。いちいち存在を隠すのも大変さ。


「うわぁ~! 綺麗な人。ママ~! 銀髪の可愛い女の子がいるよ~!」

「まぁ、本当ね。まるでお人形さんみたいだわ~!」

「あの金髪のメイドエルフ。めちゃくちゃ美人じゃねえか。声かけてみるか?」

「馬鹿。エルフ族はプライドが高いんだぞ。怒らせてる様な事をしたら、何をされるか分からんぞ……そして、その隣の子供はえんな」

「あ〜! だな。なんか地味だ」


 ……なんか。僕が地味でも。僕の両隣に立っているアリアとエアリスちゃんが周りに注目されてるんだけど?


「……あのライト様を侮辱する様な目で見てくる方々。排除しましょう。エアリスちゃん」

「…………ライト様に全部見られました。これはライト様と結婚するしかありません」

「エアリスちゃん。貴女、なにをさらっととんでもない発言をしてるんですか。気持ち悪いですよ」

「私なんて…私なんて……(ブツブツ)」


 エアリスちゃんがんでいる。そんなにアリアと僕に裸を見られたのが嫌だったのかな? 

 

 なら、裸をおがませてくれたお礼……じゃなくて、裸を見てしまった謝罪をしなくちゃいけないね。


「エアリスちゃん。裸を見ちゃってゴメンね」


「ラ、ライトしゃま……あの。私と繁殖を……」


「うん。ちゃんとそこら辺の埋め合わせはしてあげるから、元気出してよ。僕、エアリスちゃんが元気がないなんて嫌だからさ。だから、エアリスちゃん。いつもの明るくて、お馬鹿ポンコツ可愛いに戻ってよ」


 僕は落ち込むエアリスちゃんの頭を、でながら謝ったよ。


「ライト様……それでは、私との将来の結婚を約束してくれるんですね?」

「な?! エアリスちゃん! 貴女、ライト様が謝っている時になんて事を言っ……んむむ!!」

「アリアさんは黙って下さい。これはライト様と私だけの問題です」


 なんかエアリスちゃんが、アリアとじゃれ合い始めたけど。元気になってくれたのかな? 


 エアリスちゃんが言った約束が何なのか分からないけど。とりあえずOKって言っとけば。エアリスちゃんは元気になるんだよね。


「うんうん。約束約束。エアリスちゃんとの将来の約束はちゃんと守るよ。だから、落ち込まないで機嫌直してね。エアリスちゃん」


 僕がニコニコ笑顔でエアリスちゃんにそう告げると。エアリスちゃんは……


「ほ、本当ですか? ライト様!! ありがとうごじゃいましゅ」


 泣いて喜び始めたよ。それと対照的にアリアは……


「ンムムムムムムムムムムム!!(ライト様!! そんな約束してはいけませんわ!!)」


 興奮した表情で僕に何かをうったえていたよ。お腹でも痛いのかな?



 エアリスちゃんの機嫌も良くなったし。まず先に僕達が向かうは魔法の服屋だね。


 これもラグナ魔法学園の指定制服を作ってもらう為だよ。


 「いらっしゃいませ~! "フリック・ラテンバース"の洋服店へようこ……そ?」


 店の中へ入店すると。お洒落な服を着て眼鏡をかけたお姉さんが出迎でむかえてくれたよ。


 ミーティアス王国を中心とした魔法洋服の店『フリック・ラテンバース』。ここには最新の魔法洋服ブライドが割と高値で売られているんだ。


「すみません。ラグナ魔法学園に入学する事になったので、制服を仕立したてて頂きたくて……あれ? 店員さんが硬直こうちょくしてる? あの〜」


「はっ! 失礼しました。まぁ! まぁまぁ! なんて可愛い女の子達なんでしょう! どこかの貴族様のご令嬢様ですか? こちらの金髪エルフのメイドさんも気品に満ちていますね。お二人共。もしかして隣国のお貴族様でいらっしゃいますか?」


「い、いえ……私はただのライト様の専属メイドで」

「……私はライト様の将来のお嫁さんです」


「はい? 専属メイドにお嫁さんですか? 凄いご職業ですね」


 ……凄いマシンガントークだね。うるさいんだけどこの店員さん。


「まぁ、クラウディア公爵家のご子息様でしたか。全くそう見えませんでした。すみません」


「いえ。よく言われるからなれてますよ。改めてまして、ライト・クラウディアです。宜しくお願いします」


「はい! 改めまして、フリック・ラテンバースの娘。アシュリ・ラテンバースです」


 アシュリさんは営業スマイル宜しく。さっきとはうってかわって、僕にめちゃくちゃ愛想良くしてれているよ。


 さっきまで空気扱いだったのにさ。


「……アシュリって、あの有名な。カリスマデザイナーですか?」

「……この方がアシュリさん?」


「何? どうしたのさ。2人共。この腹黒店員さんを見つめちゃってさ」


「あ〜! それは私が洋服作りのカリスマで世界中の女の子に有名人だからですね。エッヘン」


 それを自分で言っちゃうんだ。凄いねこの人。


 しかし、私服にこだわるアリアはとにかく、私服があれなエアリスちゃんまでカリスマデザイナーのアシュリさんを知ってるなんてね。


 有名な人なんだね。生前やっていたゲームじゃあ全然出てきてなかったけど。


「は、初めまして。アシュリさん。い、いつもアシュリさんがデザインされている服はチェックさせてもらってます。今日着ている服もアシュリブライドのを上下揃えてたりしてます」

「わ、私も。今日、着ているのはアシュリブライドのメイド服を着てます」


 なんか。アリアとエアリスちゃん。照れてるね。そんなにカリスマなの? あのアシュリって人。


「まぁまぁ! 本当に〜?! ありがとうございます〜! 嬉しい〜! どっちも作るのに結構時間をかけたんですよ〜!」


 ……なんか話が盛り上がり始めたよ。こういう女の子同士の会話が始めると、男って孤立するんだよね。


「暇だから。店内でも見て回ろうかな……なんか格好良い服とかないかな〜、眼帯コレクターだから、装飾品とか探して……」


「そうさな。クラウディア家の人間なら。黒が似合うじゃないか?」


「黒〜? いやいや。僕の名前はライトだよ。だったら白とかでしょう普通。それに僕、黒はあんまり好きじゃないんだよね……て、誰? おじさん」


「ワシか? ワシはここの亭主のフリック・ラテンバース。超大物じゃ」


 緑のシルクハットに眼鏡をかけて可笑しな格好をしているね。


「そうなんだ。今、王都の守備隊を呼んであげるから。捕まるまで待っててね。小物さん」


「止めんか。悪ガキ」


 うわ! なんで、脚を振り回してるんだい。この人は!


「ちょっと! なんで僕に蹴りなんて……怪我したらどうするのさ」


「ん? お前さんがどうして怪我をするんじゃ?……その若さで、それ程の強さを持っておるのに」


「……ゴメンね。ボケ老人さん。なに言ってるのか。分からないかな」


 この髭もじゃのお爺ちゃんが、《《あの伝説》》のフリック・ラテンバース?……絶対に偽物でしょう。


「誰がボケ老人じゃ。アホガキ……まぁ、良い。それで今日は何をしに、こんな高い洋服店にやって来たんじゃ?」


「ラグナ魔法学園の制服を仕立ててもらいたくて来た感じかな」


「ほう。うちの店でか……それはなんとも高級思考だな。まぁ、クラウディア家なら当然か。金はあるのか? たしかクラウディア家の子供の教育方針は甘やかせず。自力を覚えされるだったよな?」


 ……なんで、このお爺ちゃん。クラウディの教育方針まで把握してるの? 怖いんだけど。


「あ、あるよ。いっぱい」


 ファーストさんの家にあった金庫から持ってきお金だけど。


「おぉ!! たしかにこれだけあれば。この店の洋服全てすら帰るな。どうだ? あのめんこい娘達の為に似合う服を買ってやったらどうだ? きっと喜ぶぞ。それと制服も一番良い素材で作ってやろう。だからもっと金を出せ」


「え〜! たしかにお金はあるけどさ……」


 このお爺ちゃん。僕からガッポリ儲けるつもりだね。かもねぎにはなりたくない。なりたくないけど……アリアとエアリスちゃんはいつも僕の駄目に頑張ってくれてるし――――



「ご来店。ありがとうございました〜! いや〜! まさか。ウチの魔法洋服をこんなに買って頂けるなんて、ありがとうございます〜!」


「小僧。良い買い物ぷりだったぜ。また来いよ。高く売りつけてやる。それと制服はでき次第連絡するから、絶対にまた来いよ。(ニヤリ)」


 お爺ちゃん達がホクホク笑顔で、魔法洋服を大量購入した僕達に手を振ってるよ。



「ライト様。私の為にお洋服を買って頂きありがとうございました。ライト様が着てほしいと言っていたボーイッシュコーデ……どうでしゅか?」


「うんうん。凄く似合ってるよ。アリア、普段クールなアリアにとってもマッチしてるよ」


「あの。ライト様……私の洋服も……ライト様に選んで頂いた、白いワンピース。ちゃんと着こなせていますか?」


「うんうん。凄く凄くエロ……じゃなくて、似合ってるよ。エアリスちゃん。エルフの白いワンピースなんてコンボを人生の中で1度は見たかったから、夢が叶ったよ。ありがとう」


 結構。散財さんざいしちゃったけど。後悔はしていない。だって可愛い可愛いアリアとエアリスちゃんの可愛い私服が見たから!


「何を泣いておる。小僧、ホレ! 大量にウチの服を買ってくれたお礼じゃ。受け取れ」


「は? お礼? また大量に服を買わせる気の間違いじゃないの?」


 何だろう? いきなりお爺ちゃんがノートパソコン位の大きさの鞄を僕に渡してきたんだけど。ガラクタかな?


「開けて中身を見てみろ。ウチに長年あってな。邪魔で処分に困ってたんじゃ。受け取れ。お前さん。眼帯アクセサリーとか好きなんじゃろう? そういうのも入っておるでな」


「いや、そんなのいらないんだけど……これは?」


 鞄の中身を開けると。魔法装飾をほどこされたアクセサリーの数々と……


「緑色の玉? 何これ?」


「さぁ、知らんが受け取れ。じゃあのう。しかと渡したからな。制服取りに来た時にまた服を買え。ではのう」

「ありがとうございました〜!」


バタンッ!……カランカラン……!


「なんか強引に渡されたけど。なんか凄く価値ある物ぽいし。僕の眼飾展示場アイズ・サンクチュリアに閉まっておこうかな。この鞄は……」


『収納眼』


 僕はお爺ちゃんから渡された鞄を眼飾展示場アイズ・サンクチュリアへと閉まうと。次の目的地の魔法雑学の店へと向かったんだ。


「それじゃあ、次のお店に行こうか。2人共」


「はい。私のライト様」

「む! ライト様は私のライト様ですよ。アリアさん」

「……静かにして下さい。アルバイトメイドを止めた方。お休みでもないのに、メイド服を脱いで白いワンピースを着るなんて。職務怠慢です」

「なんですって? アリアさんだって、私服じゃないですか!」

「私は今日、休日をライト様から頂いているので良いんです。それよりもエアリスちゃんのその格好は……」


 あー、また始まったよ。2人のキャットファイト。この2人は本当に仲が良いよね。親友同士っていうか……何でも言い合える仲って、なんか羨ましいね。



「ユリウス様。居ましたよ。ライト・クラウディア様です。お会いしなくて宜しいのですか? お会いして、お体を治して頂いたお礼を言うのですよね?」

「う、うん。そうだけど。まだまだ心の準備ができていないというかね。うん。ライト君と会ってお礼を言わなくちゃね。うん」


「オーホホホ!! やっと見つけましたよ。エアリスさん。貴女を私の専属メイドしてスカウトしてあげますの」


「「え?」」

「オホッ?」


「君は……ヨワールさん?」「パープルアイ伯爵家のご令嬢?」

「貴方は……どちら様ですの?」


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