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第2話 異空眼世界での特訓


この『ゼロ・スフィア』の世界では強くなる為には様々な方法があるんだ。


 モンスターを倒して経験値を獲得してレベルアップ。


 冒険者ギルドのクエスト受注や特殊クエストをクリアして強力な装備の報酬を得たり、特別な力を得られる。


 書庫にある魔法書を読み解き新たな魔法を覚えて熟練度を上げていったりと。


 色々な流派の修練場で剣技や魔法を取得したりとプレイヤーの選択次第で、主人公を始めとしたプレイアブルキャラクター達は色々な強さの方向性決められるのが『ゼロ・スフィア』というゲームの魅力の1つなんだ。


 まあ、簡単に言えば剣技、魔法、特殊能力、強いアイテムが欲しかったら。経験値や熟練度を上げていってね事だね。


 強い装備が欲しくて、可愛い女の子と知り合いたかったらダンジョン潜れやコラって事だね。


 そして、ボクの固有能力『魔眼』も魔力を使って熟練度を上げていけば色々な『眼』の力を使えるようになっていくんだけど。それには膨大な時間や瞑想が必要なんだ。


 じっとしながら瞑想に近い形で手足も動かさず、眼に魔力を込めて力を開眼させていく為、莫大な時間と魔力が必要なんだ。


 まぁ、ボクは赤ん坊だからあまり関係ないけどね。まだ立つ事も出来ないし、言葉だって話せない……だけど思考はできる。『ゼロ・スフィア』の原作知識もあるしね。


 そう原作知識を使えばライト・クラウディアの『魔眼』の力をあっさりと開眼させる事が出来るんだ────


 『魔眼』の修行を始めて早くも2年が経ったよ。毎日、暇で暇で仕方がなかったのから無駄に多い自分の魔力を、枯渇するまで眼の修行についやしたんだ。


 そのお陰なのか色々な種類の『魔眼』の力を開眼して、最近じゃあ、自身の魔力の数値も測定不能としか表示されなくなったんだ。


 たしかこれって『ゼロ・スフィア』だと何かの強さがカンストした時に表示される記号だった筈だから、僅か2年程でボクの魔力は膨大に増えたみたいだね。


 まあ、屋敷の外に出れる様になったら、ステータス限界値を無理矢理底上げする為のチートアイテムを手に入れて、更に魔力を向上させていく予定だけどね。


「………シャぐガン」


 右目が緑色の眼から赤色に染まる。


 『灼眼しゃくがん』。この魔眼はあらゆる物体に炎を付与する魔眼。ボクは近くのテーブルにあった燭台しょくだいにボッと火をつけて────


「……ヘキガン」


 碧眼へきがん。こちらの魔眼は一定の場所に水滴を発生される『魔眼』。


「まぁ! ライト。また新しい言葉を覚えてのね偉いわ」


 辿々しい言葉を僕が言うだけでお母様は大喜びするから、子煩悩にも程があるよね。


 あれから色々な能力を持った『眼』を扱えるようになったけど。最初の頃は『眼』のコントロールが難しくて大変だったんだよ。


「それにしても、ライトは本当に大人しい子ね。私に似たのかしら?」


 いや、それはないですよ。お母様。貴女は常にテンション高い面白い人なんですからね。


「あぅ!」


「え~? ライトもそう思うの? 私達。やっぱり親子ね~、ギュウ~!」


 違う違う。僕、そんな風に言ってないよ。お母様~!


 まぁ、こんな感じでこの2年間はお母様に愛され、お父様には溺愛されながら僕は成長してきたんだ。





 皆が眠りについて静まりかえった深夜。僕だけは起きているよ。


 なんでかって? それはお昼にいっぱいお昼寝して、夜に眠れなくなっちゃたからだね。


 昼に『魔眼』の特訓ですっかりなくなった筈の魔力も半分くらい回復してるし、『異空眼』の中に行って本格的な『眼』の修行でもしようかな


「………イクウガンハチュウドウ」


『異空眼』


 僕がそう唱えると左目の中に魔法陣が浮かんで、僕の身体は吸い込まれる様にねじ曲がりながら屋敷から姿を消したんだ。


《異空眼の世界》


 ここは『魔眼』を開眼させた者しか入れない世界。『異空眼いくうがん』。


 この世界には、特殊な《《眼》》を持つ、種族、魔獣、物質が迷い込んで来る不思議な場所。


 そんな場所に1人の子供が現れた。


「……ツイタァ」


「ルォオオオオ!!」


「……うるしゃ」


 金眼きんかんを持つ黄眼鳥おうがんちょうが、赤子を食すためにくちばしを開けて襲いかかる。


『爆烈眼』


 僕の右目には魔法属性の目力が宿ってるんだ。そして、今発動した『魔眼』は対象相手の身体を爆発させる爆裂眼。


「グエ?……ガギャア?!……キエエェ!!」


 タラララ~ン!


 あれ? 黄眼鳥おうがんちょうを倒したらレベルが上がったみたいだね。各ステータスも少し上昇したみたい、やったね。


 黄眼鳥おうがんちょうの身体が内側から破裂しちゃった。素材は異空眼の中に建てた僕の秘密の場所に閉まっとかないとね。


 ここに迷い込んで来る子達は皆、高レベルだから素材も高く売れんるんだ。将来、何かあった時の為に素材貯蓄しとかないとね。


「……カクノウガン」


 左目の異能の力を宿した力。格納眼を発動して落ちた素材を回収回収。


 『魔眼』って本当に極めれば便利な固有能力だね。極めれば極める程色々できるもの。そのうち次元も超越できたりして前の世界に帰れたりしてね(笑)


「……メノチカラチュカィシュタ」


 目がショボショボしてきたよ……最後に上がったステータスを確認して屋敷に戻ろうかな。


「シュテイタシュおーぷん」


ライト・グラウディア

種族・人間

レベル109

筋力3 

魔力10000

知力100

体力10

運 99

スキル お漏らし

称号 漏らしの中級者

固有能力『魔眼』



「……フシャア………ネムネム……カエ……リョ……」



【グルルル……贖罪せよ。汝の罪は片眼で償え】


 あれ? 誰あれ?……黒コートのとり


ドスッ!


 木製のクロスボーガンみたいな物で僕射たれ……


「ヘァ?…………ミギュメ?……アアァァァァ?!!……イタァ……」


 右目が射たれた? 痛い痛い痛い痛い!!


【……片眼の《《視力》》だけ貰う。かえして欲しければ取り返しに来い。魔眼の罪人よ】


 その日僕は右目の視力を失ったんだ……

 

「アアァァァァ!!」


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