第19話 入学準備の日 前編
さてさて、見事にラグナ魔法学園の補欠入学は決めた僕達だけど。
入学前までにやる事が山の様にあるんだよね。学校用の制服を用意するとか。寮に持って行く為の家具一式を揃えるとかさ。
補欠入学試験から1日経過したんだけど。今は、王都でのアリアとの新居で今後の方針について話し合ってるんだ。
《王都 ファースト店長の家》
「結局。ラグナ魔法学園に入学する事に決まったけど。ここまで気になった事とかあるかい? アリア」
今日のアリアは黒のブラウスに白のミニスカートと私服で過ごしているよ。私服姿も可愛いね。
アリアがメイドの仕事をお休みする時は、"レコード"の子達がアリアの代わりに僕の専属メイドとしてご奉仕してくれるんだ。
それで今日は、エアリスちゃんがその当番だね。
「……そうですね。ライト様に新たなお知り合いができた事に驚きを隠せませんでしたわ。早く排除しなくてはなりません」
「うんうん。絶対に排除しちゃいけないからね。」
なんでアリアは、いつも誰かを排除したり粛清したり直ぐに考えるのかな? 物騒な娘だね。
「えっとね。昨日あった補欠入学試験だけどさ。アリアの視点で何か可笑しいと思った事はないかい? あのブライド先生と言う人とかさ。入学したら同級生になる子達とかね」
僕の考えはこうだ。僕の専属メイドとアルバイトメイドの2人以外の全員が怪しい……あ、でも僕のマブダチになってくれたユリなんとか君は別かな"呪い子の呪い"の病にかかっていたしね。
皆、何か大袈裟な動きをしてたし。会場には不穏な空気も漂っていたしね。
「そうですね……私が思ったのは、補欠入学試験と言いつつ。少人数ではありながらかなりの実力者が揃っていた事に驚きましたわ」
「あ、そうなの? まぁ、たしかに10代で名を上げている子達はいたけど。皆、ドングリの背比べでしょう? 暇な時に『鑑定眼』で皆のステータスを見たけど大差なかったよ」
「ステータスを隠蔽している場合はないでしょうか。私やライト様のように"隠し"が上手ければ。見つかりませんわ」
「"隠し"ねぇ……そんなのレベル100越えしないと出来ないんだけど。この《ゼロ・スフィア》世界の最高レベルって、たしかレベル50位だった気がするんだよね」
「レベル50?……ライト様はそこまで見えて見るのですか? 凄いですわぁ! 流石、私のライト様ですわ!」
とか言いながら。アリアがずずいっと近寄って来るんだけど。
僕は僕で、座ってるソファーに身体を倒してしまった。ま、不味い……このままじゃ襲われる。
アリアはボーッとしている様で案外肉食系女子なんだ。
僕がなにかしらの隙を見せた途端になんでか知らないけど抱き付いて来て、離れようとしなくなるんだよね。
そんな時だったよ。お風呂場の扉がガチャっと開いて、裸にバスタオル1枚を巻いた状態でエアリスちゃんが現れたのはさ。
「ライト様〜! お風呂ありがとうございました。そして、これから私……と?……アリアさん。私のライト様に何をしているんですか?」
そして、アリアと僕の姿を見た瞬間。身体をプルプルと震わせ始めたんだ。
「……何をしてるかですか? ライト様にご奉仕しようとしておりましたわ。私はエアリスちゃんと違って、アルバイトメイドではなく。クラウディア家からも認められたライト様の専属メイドですか」
「な、な、な!! そんな抜け駆け許されませんよ。自分が休日だからと、《《私》》のライト様にご奉仕しようなんて許しません! 抗議します!」
「はわぁ?……な、なにをするんですか? 私からライト様を引き離さないで下さい。ライト様~!」
よ、良かった~! エアリスちゃんが無理矢理、暴走していたアリアを僕から離してくれたよ。それで、今のアリアはエアリスちゃんに羽交い締めされて暴れてる。
アリアって本当に"レコード"の子達と一緒に居ると年相応になるよね。とくにエアリスちゃんとは精神年齢同じ的なやつ。
「全く。エアリスちゃんは何故、私が行おうとするライト様へのご奉仕をいつもいつも邪魔なされるのですか?」
「邪魔なんてしていません。貴女のハレンチ極まりない行動を抑制しているだけです」
「うんうん。2人共。楽しいキャットファイトが終わったら、着替えるんだよ。今日は王都で色々と買い物があるからね」
「はい。ライト様。第一、こんなバスタオル1枚のハレンチ姿の人にハレンチなんて言われたくありませんわ!」
興奮したアリアがエアリスちゃんが身体に巻いていたバスタオルを掴んじゃったね。そして、緩み始めるバスタオル……
「ちょ、ちょっと待って下さい。アリアさん。なんでバスタオルを掴んでいるんですかあぁ!!」
エアリスちゃんの叫び声と共にシュルシュルシュルとエアリスちゃんの身体に巻いていたバスタオルが床に落ちて、12歳とは思えないエアリスちゃんの2つのたわわが僕の目に焼き写る。
「……プルプルだね。プリンみたいだ。真ん中にチェリーでも乗せたら美味しそうだし。買い物帰りにプリンでも食べて帰るかい? エアリスちゃん」
「ふぇ///……ライトしゃま見ちゃ駄目です~!」
エアリスちゃんはその場で身体を硬直させて口をパクパクさせているね。
でも安心して良いよ。エアリスちゃん、僕は12歳エルフのたわわなボディーを見たって反応は薄いんだからさ。
「ん〜……とりあえず。今度から服を着てから脱衣場は出た方が良いよ。エアリスちゃん」
「ふえぇえぇ/// 今度からそうします〜!ライト様///」
エアリスちゃんの可愛い叫び声が家中に響き渡った。
結構叫んでいたけど。外には全然、漏れ聴こえてなかったって事は。ファーストさんから貰ったこの新居には、防音魔法と障壁がちゃんとされているんだね。凄い凄い。
「それじゃあ、エアリスちゃんが着替え終えたら買い物に行こうかりそれとアリアはエアリスちゃんを苛めた罰として、夜にお仕置きだからね」
「ライト様からのお仕置き……はい。楽しみにしておりますわ。ライト様」
……なんで嬉しそうなの? アリアちゃん?
◇
《王都 5番街》
王都ミーティアス。王都数値と呼ばれる1から14の都市番街の区画で整理されているんだ。
その都市番街の番号ごとに都市産業 区画が設けられていて、それぞれの都市番街が王都を発展させる役割を担っているよ。
「『隻眼の魔法使い』と戦った時は、真夜中だったから気づかなかったけど。王都ミーティアスって、かなり発展した首都なんだね。凄い栄えてるアリア、エアリスちゃん」
「ライト様に私の身体の全部を見られてしまいました。ライト様に私の身体の全部を見られてしまいました。ライト様に私の身体の全部を見られてしまいました...…(ブツブツ)」
あっ! エアリスちゃん、壊れちゃった。
「……《ゼロ・スフィア》でも大国に分類される国ですからね。そ、それよりもライト様。宜しかったのでしょうか?」
「ん? 何がだい? アリア」
「は、はい。私とエアリスちゃんの分の王都での生活品や学校用の道具などを、ライト様のお金から出して頂いてしまって宜しいんでしょうか?」
「なんだ。そんな事を気にしていたのかい? そんなの安心してよ。これでも僕は個人資産がいっぱいあるお金持っちたがらね。なんの問題もないよ。アリア」
「そ、そうですか。……ありがとうございます。ライト様」
「うんうん。今日はお買い物を楽しもうね。アリア、エアリスちゃん」
「はいですわ。ライト様」
「……はい。ライト様……」
まぁ、今日使う為のお金は元々は、ファーストさん達のお店のお金だから。僕の懐は全然痛まないんだけどね。




