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第18話 真なる実力は隠しておきたい

「合格。魔法技能の試験に行きたまえ」


「ゴホゴホ……ありがとうございます」


「合格、合格、合格、合格……もうめんどくさいな。もういい、お前達はもう合格者とする。入学式では暴れて退学にならんように」


「おぉ! マジかよ! 感謝するぜぇ。先生ぇ!」

「ありがとう~! いや、1回目は合格したのに落ちたからね~!」

「や。やりました」

「……うん。暴力事件はもう起こさない。エドが」


 あのA級パーティー、1回目の入学試験受かってたんだ……暴力事件ってなにやったんだい?


「合格……魔法技能の方へと行きたまえ。それと少し雄叫びをあげるのを止めたまえ。ミス…ヨワール嬢」

「オーホホホ! 当然ですわ~!」

「チッ!……だからうるさいと言っているのだが?」


 あのヨワールさん。かなりキャラが濃いね。後で自称勇者ことダーク君と合わせて、濃さの中和してあげないとね。


「次……ライト・クラウディアとそのお付きの……アリア、エアリス。何故、この2人はフルネームじゃないんだ?」


「「秘密主義ですので」」


 息がピッタリだね。流石、仲良しさんのアリアとエアリスちゃんだ。


「……良く分からんが。まぁ、良い。能力測定機に触れたまえ。測定が光れば、次の魔法技能の試験へと進んでもらう。(何故、この娘達はメイド服を着ているんだ?)」


「了解しました……薄い銀色に光っていますわ」


「合格……(もっと才能はありそうだが。私の勘違いだったか?)」


「アリアさんよりは光らせます……少し薄い黄緑色です」


「ぎりぎり合格だ……(なんだ? この極端な薄さは? 能力測定機が壊れているのか?)」


「次は僕だね……一点集中で2人よりも色にしてみせるよ……小さい黒染みたいな色になっちゃった」


「不合……」


 あ、ふざけ過ぎた。不味い!


「よっと……あ! ヤバい。今度は暗黒物質みたいに黒くし過ぎたよ」


「???……ご、合格!(な、なんだ? 一瞬だけ凄まじい数値が出たような?! コイツはライト・クラウディアか。ラグナ魔法学園の推薦依頼を何度も断った変わり者の公爵家。辺境住まい故にクラウディア公爵家の情報はあまり知らないが……今後の駒としては使えそうだ)」


 

 なんか、あのブライド先生。僕達を値踏みぶみしてるような目で見てるけどなんなんだろうね?


「やりましたね。ライト様、真なる実力を上手く隠せましたわ」

「ライト様。私の方がアリアさんよりも、能力測定機色を上手く薄められました」

「うんうん。そうなんだね。2人共偉い偉い」

「ラ、ライト様。ありがとうございます」

「ライト様に褒められるなんて、嬉しいです」


 こんな人が多い中で喧嘩されても困るからね。


「ちゃんと褒めてあげるのよ。良い子良い子と……」


「はふぅ……ライトしゃまの頭、で嬉しいです」

「ラ、ライト様! 私にもご褒美の撫で撫でを下さい……ふわぁ」


「君達! 試験会場の壇上で何をやり始めているのだね? 合格したのならさっさと次の試験会場に向かいたまえ」


「「「は?!」」」


 ……いけない、いけない。ついつい夜な夜な世直しの時みたいに、自然に女の子の頭を良い子良い子しちゃったよ。


 長旅で疲れきってるのかな? 気をつけていたんだけどね……何だろう? 無意識で2人の頭を撫で撫でしちゃったよ。



「将来美人確定の女をはべらせてやがるな。アイツ」


「ゴホゴホ……魔法技能試験でクラウディア家の子に接触しなくちゃ……時間ももう無いし……」


「オーホホホ!! あの殿方。女の子に対して紳士的ですわね。素敵ですわぁ!!」  


 キャラの濃い子達からの視線を感じる。マークされてるのかな?


《第2試験会場》


「能力測定試験で、合格したものは50名中30人か。まあまあ残った方だな……人数も定員よりも少し多いが。まあ、良いか。それに補欠試験はあれが目的だしな。(ブツブツ……)」


 あれ? 合格した僕達が移動して、付き添いで来ていた保護者の人達。居ないと分かった途端に言葉使いが砕けたね。顔付きも、なんか邪悪になったというか……ますます顔色が悪くなった感じするし。


「能力測定試験、合格おめでとう。先程の試験をもって、今、ここに残っている補欠試験の受験者はラグナ魔法学園への入学を認める。なお、魔法技能試験は通常通り行うものとする」



「なんだいそれ?……急展開過ぎないかい?」


「や、やりましたね。ライト様……これでライト様と寮での同棲生活が始まりますわ」


「は? ちょ、ちょっと待って下さい。そんなの許しませんよ。アリアさん! そういう事は、ちゃんと私達『レコード』の許可を取ってからにして下さい」


「それは不要です。だって私はライト様の専属メイドですので」


「そんな理不尽極まりない話がありますか。いいから今度、時間がある時にでも話し合いましょう。世界各地からメンバーを召集しますから」


 あ~、またキャットファイトしてるよ。この2人は全くもう。まぁ、いいや補欠試験も無事に合格したんだし。


「尚、魔法技能試験はサバイバルとし。今から開始とする…始めろ」


 …………あの顔色悪い人。今、なんて言ったの?


「ハハハ! これが噂に聞いてた《《裏試験》》か? デタラメだな。だが、悪くねえぞ。入学試験で暴れたかいがあったな。オラッ!! 公爵家の悪童! 俺と勝負しな! そんでその美少女達を俺のパーティーに勧誘させてもらうぜええ!! 『蟠竜ばんりゅう』」


「なんかいきなり火炎まみれで突っ込んで来る子がいるね……あの程度なら《《目》》レベルで良いかな」


『水流の目』


「あん? なんでいきなり大量の水がぁ?……ガボボ!!」


「「「エドオォ! しっかりしてぇぇ!! ガボボ!!」」」


 あれは、ハレンチハーレムパーティーかい? いきなり襲いかかって来たから。水で皆どこかに流しちゃったよ。


「ゴホゴホ……あの……君……に少し頼みたい事があるんだ……ゴホゴホ……」

「ん? 次は誰だい? 僕の背後を取るなんてさ」

「う、うん。あのね……ゴホゴホ……」


 この子……目が見えていないし。身体も

"呪いの呪い"で末期状態じゃないか。このまま放って置いたらみにくい化物に成り果てるね。


「成る程ね。今回の補欠入学試験には、かなりの裏がありそうな感じだね」

「……ゴホゴホ……オエェェ……アノボグヒドジャア……ナグナ……」

「うん。今、楽にしてあげるよ」


『煙幕の目』『快復眼』


 僕は発動した『魔眼輪廻』の力を見られない様に、試験会場全体に煙幕を張ったんだ。


 それにしても、アリアとエアリスちゃんの方も誰かと戦っているみたいだね。



「貴方……何者ですか? 何故、私からライト様を遠ざけるのです……(ライト様にあまり人前では刀を使うなと言われて、拳のみで戦っていますが。素手はやっぱり苦手ですね)」


「銀髪メイド。ユリウス様と救世主メシア様との接触は邪魔さん」


救世主メシア様?」



「オーホホホ!! 貴女、なかなかやりますのね。ですが。私が興味があるのは、あの面白い黒髪の方だけですわ」


「……踊りながら。戦うなんて、変な戦い方ですね。ライト様は戦う相手も手加減しながら戦ってと言っていましたが。手加減するのも難儀なんぎですね! 『風王……」


「そこまで!! 止めろ! お前達の現時点でよ力は良く分かった。そして、ここに居る補欠合格者は全員。入学後は俺の担任するクラスになる。今のうちに親睦しんぼくを深めておくように」


「「「は? はぁぁあ?! なんだそれ?」」」


 ……へ。そうなんだ。隻腕のブライド先生が僕の担任ね。


「それよりも気分はどうだい? 化物になる前に治してはあげたけどさ。目は見える様になったかい?……ユリなんとか君」


「う、うん。目も見えるよ……身体も気分が良いし……咳も出ないや……それと私の名前はユリウスです。救世主メシア様」


「ん〜? いや、僕はメシアなんて名前じゃなくてライトね。ライト・クラウディア」


「うん……そうだね。うん……ありがとう。ライト君……私の身体を治してくれてありがとう……本当にありがとうございます……ありがとう……うえぇぇんん!!」


 ……なんか。いきなり泣いちゃったんだけどさ。


「……とりあえず。僕達、友達になっとく? 入学したら同じクラスみたいだしさ」


「ひっく……うん。なる、なるよ……私の命の恩人の頼みだもん。絶対になります……ライト君の……うえぇぇんん!!」


 "呪いの呪い"になりかけて、情緒がバクッたのかな。この子。


「まぁ……そうだね。これから宜しく。マブダチ君」


「私を治してくれてありがとう……メシア君……ふえぇんん!!」


「……うん。僕、ライト君ね。ユリウス君」


 こうして、なんなく補欠入学試験をパスした僕は男の子?の親友を得る事に成功したんだ。やったね!


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