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第17話 選定は時に厳しく


「お、おい! アイツ……もしかして、クラウディア公爵家の悪童か? 噂だと社交界に1度も出席せず。屋敷に引き込もってるって聴いたんだが」

「いやいや。夜な夜な領地に遊びに行っては暴れまわってると父上から聞いたぞ」

「それに観客席の頭の可笑しい金髪とも知り合いっぽいわ。近寄らないで起きましょう」



 おーおー、僕の悪い噂が飛び交ってる。飛び交ってる。


 まあね、そもそもクラウディア公爵家は王家ともそんな関係が深いわけじゃないしね。


 辺境公爵なんて、隣国が攻めてきたら対抗する為のダムみたいな役割だし。ぞんざいに扱われて、悪い噂も立つのは重々承知だけどさ……


「それはそうと。あの悪童に付き従っている。銀髪メイドと金髪エルフメイドはどちらも可愛いな。声をかけるか?」

「馬鹿言うな。評判は最悪でもクラウディア《《公爵》》家だぞ。関わって何か恨まれるまねでもしてみろ。家取り潰しにもなりかねないんだぞ」

「そうよ! それに……あの2人のメイド。私達の方をずっと睨んでわ……行きましょう! 殺されるわ!」

「「お、おう!」」


「あ! ちょっと待って! 君達。王都に住む貴族の子供達でしょう? 僕と仲良く握手でも……」


 なんか変な勘違いをされてたから、声をかけて勘違いを解こうと思ったら逃げ出して行っちゃったね。


「記憶しました……エアリスちゃん。あの方達のお顔覚えましたか?」

「ええ、バッチリですよ。アリアさん。いつでも粛清しゅくせいできますよ」

「はい。全てはライト様の為にですわ」

「当然です!」


「「フフフ……」」


 ……なんか。アリアとエアリスちゃんが不穏な笑みを浮かべているんだけど。あの貴族の子達に2人は何をする気なんだろうね。全くもう。


「2人共。ここはクラウディア領地や隣国じゃないんだからね。王都でさわぎはご法度はっとだよ。王都で暗躍しづらくなるでしょう」


 いちを2人には釘を刺しておこうね。さっきみたいな勝手な行動をされたら、僕が王都で生活しづらくなるしさ。


 それにアリア達は、昨日の夜みたいに『隻眼の魔法使い』が、勝手に結界を作って正体がバレないようにしているんじゃないんだから。


「ライト様……ごめんなさいですわ」

「……勝手な真似をしようとして申し訳ありません」


 この2人。冷静沈着な性格のくせに、なんで僕の事になるとこんなに感情的になるんだろうね。


「うん。さっさと補欠試験に行こうか。今の騒ぎで、僕達に興味を持った子達が寄ってこうとしてるからね」


『金縛眼』



「あの野郎がはべらせてる。可愛い子達に声をかけようと思ったら。身体が動かねえ?! 何なんだ?」

「エド! また浮気しようとしてたの?」

「アンタ。ふざけんじゃないわよ!」

「……う、動けない」


「ゴホゴホ……あれがミサの疫病を救った

ライト・クラウディア君……身体がカチンコチンだよ……全然動けないや」

「同意します。坊っちゃま」


《補欠試験会場》


「補欠試験者達は1列に並んで下さい~! 不正行為防止の為、ご協力お願い致します~!」


 補欠試験とあって、試験者の人数は50人位だね。


 これなら直ぐに試験は終わりそうだけど……なんでこんな面白い受験者ばかり集まっているんだろうね。


 まるで最初にあった入学試験をわざと受けなかった様に思えるよ。《《どこかの誰か》》と接触する為にわざとさ。




「アリア、エアリスちゃん。いいかい? 本来の力は隠して《《能力測定機》》にさわるんだよ。僕はあんまり、ラグナ魔法学園では目立ちたくないからね」


「はい。ライト様。実力はひた隠しに致しますわ」

「お任せ下さい。ライト様」


 ただでさえ、クラウディア公爵家の子息で王都では悪評ばかりささやかれているのに、ラグナ魔法学園の入学試験まで受けずに補欠試験に望んでいるだ。


 恐らく僕は、ラグナ魔法学園に入学した後は、嫌でも目立つだろうし。真の実力をひた隠す悪役貴族ってなんかカッコ良いもんね。


 ……ていうか。僕ってエアリスちゃんの真なる実力知らないんだよね。『鑑定眼』で少しだけ見てみようかな。


『鑑定眼』


エアリス・シルフィード

12歳

種族・エルフ

レベル472

筋力807

魔力1000000

知力1526

体力502

運 99

スキル 妖精姫

称号 ご奉仕金髪エルフ 妄想エロフ

固有能力『妖精契約』


 へ~、流石に女主人公で高ステータスのアリアには少し劣るけど。魔力と知力はエアリスちゃんの方が上なんだね。


 流石、元はエルフの王族なだけはあるよ。妄想エロフって言うのが何なのか気になるけどね……それと、これは初めて知ったんだけど。エアリスちゃんって、僕とアリアと同い年だったんだね。


 12歳であんなにナイスバディーって……ナイスハレンチ。



「本日はラグナ魔法学園の補欠合格試験へとお越し頂きありがとうございます。今回の試験官をつとめさせて頂く、ブライド・フェルマーと言います。よろしくお願い致します! 今から試験を行いますが。あらかじ何点なんてんか注意事項をお伝え致します」


 おお、始まったね。ブライド先生ね。灰色の髪に不健康そうな顔で今にも倒れそうな感じだけど大丈夫なのかな?


「まず始めに申しておきます。今回行われる試験に補欠合格試験ですが。これは別に最初に入学試験で受かった入学者の方々と差別する試験ではありません」


 へ~! そうなんだ。でも最初に合格した人でそう思ってる子とかもういると思うんだけどね。男勇者君とかさ。


「……むしろ。才能あるにも関わらず、ラグナ魔法学園から送った入学試験案内の通知書にも目を通さずに入学試験を受けなかった者。(キッ!)」


 ……なんか。あの不健康先生。凄く僕達を睨んでる様な気がするんだけど。気のせいかな?


「ライト様……この殺気……以前に」

「あ~! アリア。気分悪くなっちゃったかい? 肩貸そうか? 寄っかる?」

「はい……是非お願い致します。私のライト様」

「ちょっと待って下さい。アリアさん。駄目に決まってますよ。公共の場ですよ。ここは。ライト様。やるな私にも肩を貸して下さい」


 アリアに肩を貸そうとしたら、エアリスちゃんに強く止められちゃったよ。


「また、本試験で暴力を働き不合格になった。方々を集め。再び合格させれる為に開いた補欠入学試験のようなものと思って頂ければいいでしょう」


 あの生徒に厳しいラグナ魔法学園にしては、随分と優しい采配をしてくれたものだね。


 それだけ今年度の入学生の中で欲しい人材がいたのかな?


「そして、今回行う試験はシンプルに2つ。能力測定と魔法技術のみ。入学試験のようなまどろっこしい数々の試験はありません」


 あれ? 本当にシンプルだね。ラグナ魔法学園の入学試験はかなりの難関で厳しいとかお母様から聞いていたんだけどさ。



「なんだ。やはり父上に言われた通り。以前あった通常の入学試験をサボって良かったのか」

「まぁ、最初は落ちこぼれ扱いされても入ってしまえばこっちのものだからな」

「やったわね。これでラグナ魔法学園を現役で入学して卒業までスムーズにいけるわね」


 そんで、僕達の近くで大喜びしているのはさっきの王都の貴族の子達だね。


「それでは、早速試験を始めます。ライウット・カッシュ。リグナ・シュウズ。リリナーラ・オータニ。前へ」


「俺達が先頭か。気分が良いな」

「貴族の気品というものを回りの奴等に見せてやろうぜ」

「とくに公爵家の分際で補欠試験を受けに来た。無様な悪童にね」


 わぁ~! 皆が居る前でも僕の悪口が止まらないね。貴族のお子様の戯言たわごとだから、心のダメージなんて皆無かいむだけどさ。僕の両隣のメイドさん達は違う様だけどね。


「「はい?!」」

「はい。ドウドウだよ~! こんな人が大勢居る前で騒ぎなんて起こさないでね」


 なんて事をやってたら。ブライド先生に呼ばれた子達が能力測定機に手を置いて一斉に測定し始めたね。


「楽勝……」

「これで俺達も名門魔法学園の生徒に……」

「上級生を誘惑して玉の輿を狙うわよ」


「これは反応すらしないとはな……入学規定値よりも低いとはな。お前達3名は不合格。直ぐに試験会場から出ていけ」


 そんな声がブライド先生の口から聞こえて来た。


「「「は、はぁ?!! 不合格くぅぅ?!」」」


「魔法兵。ご退場の手伝いをしてあげろ。我が名門たるラグナ魔法学園に異物は入らないのでな……次の受験者前へどうぞ」


 彼は冷たい声音こわねでそう告げた。

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