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第11話 王都の新鮮な裏事情


(……ライト様。録音の魔道具。発動できましたわ)

(うん。ありがとう。アリア……全部記録し終わったら。ヤバイ発言だけ切り抜きして、王政の秘密局に魔道具は送りつけるからね)

(了解しましたわ……入店前に立てた作戦通りに事を進めます)


 なんて事をアリアと眼を使ったアイコンタクトで会話をしながら、この店での作戦を続けていくよ。


「え~と。どこから話ば宜しいですかね。話せる話題は豊富にあるんでけどね……ん~……そうですね。 まずはラグナ魔法学園についてお話しましょう」


「カァ?……ラグナ魔法学園ですか? 確か王都郊外にある大きな学園でしたね」


「ええ! いかにもその通りです。ミーティアス王国が誇る。"世界六大魔法学園"の頂点。それがラグナ魔法学園になります」


 ファースト店長さんは、テーブルの上に置いてあるグラスに食前の飲み物を注ぎながらオディちゃんとの《《会話》》を楽しんでいるね。


 どんだけオディちゃんの事を気に入ったんだい。このスケベ店長。僕とアリアの存続完全無視してるんだけど。


「カァ……"世界六大魔法学園"の頂点ですか? それは凄い言い方をするのですね? たしかに世界には極東魔法学園や亜人を中心とした魔法学園などの優れた学舎もあると聞きますが」


「まぁ、自国の魔法学園が1番だと言うのを信じて止まないのは当たり前の考えですな。ですが、ラグナ魔法学園が魔法学園の頂点というのは嘘ではありません。ラグナ魔法学園は、多くの公明な魔法使いを輩出し、魔法使いの頂点。"十二星座ドゥオデキム・ステラ"のうち6名もの人物を《《送り込んでいる》》のですから」


「"十二星座ドゥオデキム・ステラ"……《ゼロ・スフィア》世界の魔法使いの頂点ですカァ」


「ええ、いかにも。極東魔法学園でも1人名……魔法使いのミカドと言う人物が十二星座ドゥオデキム・ステラが居るのでご存知でしょう」


 十二星座ドゥオデキム・ステラねえ……たしかゲームだと主人公の味方になったり。敵になったり。裏切ったり。同盟関係になったりで色々と濃いキャラ達だったのを覚えてるよ。


 ていうか、僕の魔法の師匠。『最古の魔女』ラミエルもその1人だったよね。多分だけどさ。


十二星座ドゥオデキム・ステラに輩出している人数が多いから、ラグナ魔法学園が魔法学園の頂点という事かしら?」


「いえいえ。それだけでは選ばれません。魔法競技。魔道学。魔道具技法。魔法学術等々。ラグナ魔法学園は高水準の教育機関として世界各国から高い評価を受けているのです。とかいう私もその1人なのですよ。極東の貴婦人様!」


 ……あ~! やっと分かったよ。なんでさっきからファースト店長さんが、ラグナ魔法学園推してるいるのか。


 自分の卒業校で、自分がいかにも凄い魔法学園を卒業したのかをアピールしたいんだね。


 いや、たしかにラグナ魔法学園は凄い人も輩出してるけどさ。変な人も輩出してる場合もあるんだよね。目の前のファースト店長みたいな犯罪者みたいなさ。


「カァ……それは凄いですね。その他にも面白いお話はありませんのカァ?」


「ありがとうございます!ありがとうございます! 極東の貴婦人様に褒めて頂けるなんて嬉しい限りでございます。そうですね……今年はクラウディア公爵家のクソガ……中央王都では評判が宜しくないクラウディア家のご子息と。王都から追われた王家の血筋がラグナ魔法学園の補欠の入学試験に出るとか出ないとかですな」


 このスケベ。僕の事をクソガキって言おうとしなかったかい?


(ライト様。この方。ライト様を侮辱しました。排除しますわ)


 そんで、アリアはなんでキレてるの?


(駄目にきまってるでしょうが。このスケベは後で、僕達の傀儡になってもらうんだからさ)

(ですが。《《私》》のライト様が侮辱されたんです。排除します)

(誰がアリアの僕だい。僕は僕だけの物だよ)

(違います。ライト様は私だけの人です)

(もう。話がワケわからない方向に行ってるよ。とりあえず。そのふところで構えてる短刀をしますの。ハウス)

(ぁぅ……クゥ~ン)


 ふぅ。なんとかアリアの頭をでたら大人しくなってくれたよ。良かった良かった。


「カァ?……補欠入学試験ですか? それはいったい?」


 僕達がジャレている間にもオディちゃんとスケベの話は続いてたみたいだね。


「はい。噂によるとクラウディア公爵婦人がラグナ魔法学園の入学試験よ日にちを意図的に間違えたんじゃないかって噂ですね」


「……何故、その様な行為を? 公爵家の地位ともなればメンツもあるのでは?」


「いえいえ。クラウディア公爵家に至ってはそんな事はありませんよ。ミーティアス王国でクラウディア公爵家というのは変わり者貴族で有名ですかね」


「カァ……変わり者貴族ですか?」


「はい。クラウディア家でかくまっている王家の血筋をどうしてもラグナ魔法学園へと入学させたとかなんとかで、あえて補欠入学試験に、ご子息とそのお付きのメイドを受けさせるらしいですよ。その方が安全だとか。まぁ、これも不確定な噂でしかありませんがね」


 成る程。それでクラウディア家のお屋敷を出てて行く時は真夜中だったわけだね。


 王都までの護衛にはクーヘンさんやラミエル師匠の私兵団まで付けてくれたし。お母様とお父様は、かなり僕とアリアに配慮してくれてたんだね。


 別荘の件も王都の住む場所を《《敵対者》》にバレないようにする為のフェイクかな?


 だとしたら、なるべく早く魔法学園の寮以外の活動拠点も手に入れなくちゃね。


「カァ……成る程。他にも王都に関する噂はあるのでしょうか? できれば王都での伝記や面白い噂などを聞きたいのですが?」


「他ですか。そうですね。王家貴族の話は食事の場で合いませんな。面白い噂……面白いお話ですね……最近、世界各国で起こっている。正義の組織、黒銀団ブラックシルバーと悪の組織、ルシフェル教会との戦いは知っていますか?」


(……むん?!)


 アリアのお口が✕になってる。驚いてるのかな? 可愛いんだけど。


 あれ? そういえば。なんで僕とアリアの夜な夜な世直しの活動中のチーム名がスケベ店長の口から出てるんだろう?


「カァ……いえ、そういう闇の組織についてはうといので知りませんね。ごめんなさい」


「いえいえ。知らなければ私がお教えしますとも。お任せ下さい……キキキキ」


 スケベ店長。気持ち悪い笑みをまた浮かべたよ。なんか、このスケベ店長の正体がだんだん分かってきたかもね。


「カァ……それで? その正義と悪の組織と言うのは対立しているのですか?」


「ええ、その通りです。ルシフェル教会は昔から《ゼロ・スフィア》の世界各国で悪事をしながら暗躍していたのですがね……遂に現れたのです。ルシフェル教会を脅かす正義の組織があられたのです。その名も黒銀団ブラックシルバーズ です」


 いや、黒銀団ブラックシルバーズって僕とアリアの2人だけの筈なんだけど。なんで組織とか言われてんの?


 そういえば。オディちゃんが食事が始まる前に僕達が保護した子供達の現状を報告してくれた時に〖世界各地で好きに過ごしてます〗とか言ってたけど。まさか? 


(オディちゃん。この10年間で保護した子供達を皆。黒銀団ブラックシルバーズの構成員とかにして世界各地に行かせてるわけじゃないんだよね?)


 僕は気になり過ぎて、隣に座っているオディちゃんに小声で聞いたんだ。すると……


「カァ?…不味いですね。バレましたカァ……ファースト店長さん。お話の続きをどうぞ」


 不味いとか言いながら僕の質問を眼無視がんむししてくれたよ。この使い魔ちゃん。


「はい~! お任せ下さい。極東の貴婦人様……今は丁度、ゼロ・スフィア新暦500年になりますが、丁度100年程くらいになりますね。魔王ルシフェルと言う魔人が中心とした悪の教会。"ルシフェル教会"が世界各地で暗躍し闇の世界で暴れ始めたのは」


「カァ……魔王ルシフェルは有名ですね。今はもういませんが」


「えぇ、10年前に突然、現れた光の幼子に倒され。伝説の光の勇者の一団でさえ倒せなかった魔王ルシフェルを打倒したのです」


「カァ……まぁ、そのせいで悪さをする魔人、モンスター、盗賊などが増えたとも聞きますね」


「それを粛清し回ったのが"黒銀団ブラックシルバーズ"と言う正義の組織です。かの組織は無償で人助けを行い。悪には正義の鉄槌を下すとか。構成員も数千を軽く越える超巨大組織との噂もありますね」


(そうなの? アリア)

(い、いいえ。私も詳しい事は……異空眼の世界にいる子供達のお世話にはしょっちゅう顔を出しには行っていましたが、まさか組織かしてるなんて知りませんでしたわ) 

(……成る程)


 この元焼き鳥性転換黒髪美少女使い魔は僕の許可も相談もなしで、 僕とアリアが遊びで活動していた黒銀団ブラックシルバーズを勝手に構成員を増やして組織化たってことね。


 後で本物の鳥の丸焼きにしてあげるからね。オディちゃん……汗だらだらしながらこっちに顔も合わせないよ。このブラックバードめ。


「成る程ですカァ。それで、そのルシフェル教会と黒銀団ブラックシルバーズは世界各地で戦いを繰り広げているのですね。カァ……」


「はい! そうなります。流石は極東の貴婦人様。ご理解が早くて助かります」


「カカカ。そ、そうですか。ありがとうございますカァ……(わ、話題を変えないと。ライト様に後で丸焼きにされちゃいます。カァ)……ほ、他にも何か面白いお話はありませんの? 王都の事などで」


「他ですね。王都、王都、王都でございますと……あぁ、『十四色の神眼球しんがんきゅう』と『隻眼の魔法使い』の話はご存知ですかな?」


(『十四色の神眼球しんがんきゅう』と『隻眼の魔法使い』……)

(? どうされましたか。ライト様)

(いや。遂に僕が知りたかった情報をやっと言ってくれたと思ってね)

(……やっと言ってくれた情報ですか。良かったですね。ライト様)


 アリアが優しく微笑んでくれた。天使みたいに可愛いね。


『思念眼』


 オディちゃん。とりあえず。スケベ店長から『十四色の神眼球』と『隻眼の魔法使い』の話を、聞け出せるだけ聞き出せば。勝手に黒銀団ブラックシルバーズの名前を使って組織運営してた事は不問にしてあげるよ。


 僕は、目線を合わせようとしなあオディちゃんに向かって『思念眼』を飛ばして言葉を伝えたよ。するとオディちゃんは……


「カァ……了解しましたカァ!」


「きょ、極東の貴婦人様。い、いったいどうなさいましたか?」


 いきなり立ち上がって敬礼し始めたよ。ちょっ! 疑われるから。敬礼中止中止。


「カァ?……失礼しました。お話の続きをお願いします」


「了解です……店の外には怪しい気配はありませんね。ここにはいつもお世話になっておられる検問兵の方々しかおりませんし。大丈夫そうですな」


 あれ? なんか。やけに周囲に気をつけているね。


 『十四色の神眼球』と『隻眼の魔法使い』ってそんなに大それた話だったかな?


「このお話は異国の地より訪れた極東の貴婦人様だからお話する情報でございますので、ミーティアス王国内では他言無用でお願い致します」


「カ、カァ……はい。畏まりましたわ」


「ありがとうございます……このゼロ・スフィアと言う世界には、『十四色の神眼球』と言う、人智を越えた力を持つ14色の《《神眼玉》》が存在すると言われているのはご存知でしょうか?」


「ええ、幾つカァは……たしか、このミーティアス王国のどこかに隠されているとか。書物で読みましたわ」


「はい。確実にあります。ミーティアス王国のどこかに。色は赤か。はたまた紅か……その本物の色を見た者は確認されていませんが。その眼玉を手に入れ。目に埋め込み自在に力を使用できたのならば、その人物は絶大な力を得る事ができると言われています」


「カァ……絶大な力をですか」


(……絶大な力ねえ)

(……ライト様?)


 僕の右目の眼帯を触りながらつぶやいた。


「『十四色の神眼球』は、その十四色の神眼色によって、様々な力を宿してと言われており。ミーティアス王国のどこかにあるとされる"赤蛇の神眼"の眼は、あらゆる火の根源魔法を操れるとされています」


「火の根源魔法……それは旧世紀の古代魔法ですね」


「ほう。本当に博識ですね……まぁ、最近、極東にも流れ着いたから知っていても不思議ではないですな。たしか色は紫色でしたか?」


「さ、さぁ? なにぶん私は旅をしながら世界各地を回っていますので、最近の極東の事までは知りませんの」


「おお、これは失礼しました」


「カァ……はい」


「まぁ、話を戻しましょう。このミーティアス王国のどこかにあると言われる"赤蛇の神眼"ですが、狙ってる人物がいるのですよ。ミーティアス王家の至宝たる"赤蛇の神眼"を」


「……その人物と言うのがまさか?」


「はい。『隻眼の魔法使い』です。なんでも、"赤蛇の神眼"を手に入れる為に、わざわざ自分の片目をみずから潰した変わり者らしいのです」


「カァ……それは変わっていますね」


「何故だか分かりますか? 極東の貴婦人様」


「……いえ。全く」


「『十四色の神眼球』の力を手に入れるには、自身のを犠牲にしなければ手に入らないからです。その為にあのお方は右目を潰し。新たなるを探し求めて夜な夜な王都をさ迷っているのですよ。まるで亡霊の様に……キキキキ!!」


「そ、そうなのですね。少し不気味なお話ですこと」


「ええ、全く……それでは、次のお料理をお持ちしますので少々御待ち下さい。美しき極東の貴婦人様……あぁ、それと次のお話は眠り人についてもお話致しましょう……キキ」


 ファースト店長はそう告げ終えると不気味な笑みを浮かべてVIPルームから出ていった。


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