魔王城の戦い
黒曜石の要塞、魔王城。エルトリアの北、瘴気が渦巻く闇の城。私はアリス、ヴィンス・カルトレットの依頼で勇者パーティを影から守る暗殺者。気配遮断スキルで存在を消し、白銀の髪が瘴気に揺れても誰も気づかない。ライフルを背負い、ホルスターにマグナムをかけ、相棒のリリエルは擬態スキルで壁に化け、インカムで報告する。
「アリス、勇者さんたち、玉座の間で魔王と戦ってる! カイル、めっちゃ突っ込んでるよ!」
リリエルの声は軽いが、目は鋭い。ヴィンスの資料によると、魔王ゼファードの力の源は玉座の間の黒水晶。勇者パーティ――カイル、マレク、エリエ――は正面から魔王と対峙するが、残った幹部、ザルゴスとダルゴスが脅威だ。私たちの任務は、幹部を排除し、黒水晶を破壊すること。勇者の弱点――カイルの未熟さ、マレクの過信、エリエの恐怖――を補うため、影として動く。
魔王城の中層、瘴気が濃い回廊。遠くでカイルの叫び声「正義の剣、受けろ!」、マレクの魔法の爆音、エリエの震える回復魔法が響く。瘴気が空気を重くし、息をするたびに肺が焼ける。私はライフルを構え、リリエルに指示。
「リリエル、ザルゴスの魔獣軍団を牽制。私はダルゴスの騎士団を狙う」
「了解~! 液化で魔獣の裏に回るよ!」
回廊の黒曜石の壁が赤く脈動し、まるで城が生きている。燭台の炎が揺れ、影が歪む。私の背筋に冷たいものが走る。魔王の目が、どこかで私を見ている…。
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#### 第2章:幹部との戦闘(アリス視点)
回廊にリザードマン族の将軍ザルゴスが現れる。緑の鱗が瘴気を纏い、巨大な戦斧が月光に光る。背後でバジリスクとケルベロスが咆哮し、毒の霧が漂う。私は気配遮断で柱に隠れ、ライフルを構える。リリエルが液化スキルで地面を滑り、魔獣の足元に爆薬を仕掛ける。「ドン!」と爆発、ケルベロスの一つの頭が吹き飛び、血と肉が飛び散る。ザルゴスが吼える。
「影め! 魔王様の軍を穢すな!」
私はライフルでザルゴスの肩を撃つ。「パン!」と一発、鱗が砕け、緑の血が噴き出す。だが、瘴気が私の気配遮断を弱め、ザルゴスが戦斧を投げる。私は横に飛び、爆弾生成スキルで小型爆弾を投げる。「ドン!」と爆発、魔獣が混乱し、バジリスクが地面を這う。リリエルが液化でザルゴスの背後に回り、爆薬を仕掛ける。「ドカン!」と爆発、ザルゴスの足が砕け、彼が膝をつく。
「リリエル、トドメだ!」
私はマグナムを抜き、ザルゴスの胸を撃つ。「バン!」と一発、心臓を貫く。ザルゴスが緑の血を吐き、倒れる。魔獣が弱り、散り散りに逃げる。だが、回廊の奥から重い足音。闇騎士ダルゴスだ。黒い甲冑が瘴気を纏い、剣から黒い炎が滴る。
「影…! 魔王様の玉座を汚すな!」
ダルゴスの剣が唸り、瘴気の刃が私に迫る。私は気配遮断で回避、ライフルで甲冑を撃つ。「パン! パン!」と連射、甲冑がひび割れる。リリエルが液化でダルゴスの背後に回り、爆薬を投げる。「ドン!」と爆発、ダルゴスがよろめく。私はマグナムで頭を狙うが、彼の目が闇の中で光る。
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ダルゴスの剣が閃く。私は横に飛び、爆弾を投げる。「ドン!」と爆発、甲冑が砕け、瘴気が霧散する。だが、ダルゴスが最後の力を振り絞り、剣を突き出す。
その動きに反応した私はマグナムをダルゴスに向け発射する、勝利を確信した瞬間、視界が揺れる。
腹部に痛みが走る、視線を下へと向ける、剣が私の腹を貫通、腸が抉れる感覚。血が黒曜石の床に広がり、瘴気と混ざる。
「アリス!?」
リリエルの叫び声が遠く響く。私は腹を押さえ、膝をつく。血が止まらない。視界が滲む。リリエルが液化でダルゴスの足元に爆薬を仕掛ける。「ドカン!」と爆発、ダルゴスの下半身が吹き飛び、黒い血が飛び散る。彼が絶叫し、倒れる。
私は回復魔法のポーションを飲み、傷を塞ぐ。だが、血が多すぎる。腹から溢れる血が、黒曜石の床を赤く染める。意識が霞む。リリエルが私の腕を支える。
「アリス、大丈夫!? やばい、血が…!」
「…リリエル、黒水晶を…壊せ…私は…」
言葉が途切れる。視界が暗くなり、意識が闇に沈む。
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意識が断続する。リリエルの声が、遠くで響く。
「アリス、絶対助けるから! 水晶、ぶっ壊すよ!」
彼女がハイポーションを口に含み私の口に流し込み無理矢理飲ませると私を抱え、液化スキルで玉座の間へ滑り込む。瘴気が濃く、黒水晶が赤く脈動する。遠くで勇者の叫び声。カイルの聖剣が唸り、マレクの魔法が炸裂、エリエの震える回復魔法が響く。だが、魔王の瘴気が彼らを圧倒している。リリエルが黒水晶の基部に爆薬をセットする。
「アリス、しっかり! すぐ逃げるよ!」
リリエルが私を抱え、液化で回廊を滑る。魔王城の外、荒野に出た瞬間、「ドカン!」と爆発音。黒水晶が砕け、瘴気が吹き飛ぶ。私は意識を失ったまま、リリエルの腕に揺られる。私の生死は、闇に消える。
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カイルside
玉座の間、魔王ゼファードの瘴気が俺たちを包む。俺、カイルの聖剣が火花を散らし、マレクの魔法が炎を上げる。エリエが震えながら回復魔法をかけるが、魔王の力が強すぎる。俺の未熟さで突っ込みすぎ、マレクの過信で連携が乱れ、エリエの恐怖で回復が遅れる。
「くそっ、魔王、強すぎる…!」
突然、「ドカン!」と爆発音。玉座の奥、黒水晶が砕け、瘴気が薄れる。ゼファードが叫ぶ。
「何!? 私の力が……!」
エリエが震える。
「え、えっと……! また、謎の助け……!?」
マレクが吼える。
「カイル、今だ!」
俺は聖剣を振り上げる。「正義の剣、受けろ!」と突進。ゼファードの瘴気が弱まり、剣が胸を貫く。魔王が膝をつき、倒れる。俺たちは勝利を叫ぶ。だが、エリエが呟く。
「この爆発…ガルヴァン、シルヴィアと同じ……誰……?」
俺は首を振る。
「分からねえ……だが、正義が勝った!」
心の奥で、恐怖が囁く。謎の助け…影…俺たちを助けたのは、誰だ? シルヴィアを殺したような、血と闇の存在……。
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