ヤンデレ脳筋聖女にハイパーキャリーされてなぜか楽々魔王討伐してるけど何かがおかしい
勇者は魔王を倒し聖女はそのサポートを、そして二人はそれが終わったら国へ戻り結婚してハッピーエンド……
そんなこと誰が決めたんだーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
このままじゃ…このままじゃ……魔王を倒し切ってしまう……
魔王もっと耐えて!
ちゃんと俺の剣を受け止めろ!
なーに自分の地位にあぐらかいて鍛錬さぼってたんだよ!
よわすぎんだろ!
聖女も聖女だよ何あれ。
俺なぜか体力一切減らないしなぜか一振り一振り桁違いに重いんだわ。
こんなのほぼ女の力じゃん。
もうお前自分にバフかけて殴り掛かれよそれが一番強いって。
もうそろそろ魔王と必死に戦ってるふりも疲れてきたって、いまは何とか剣どうしだからごまかせてるけどなんかの間違いで魔王の体に当たったら装甲ごと真っ二つよたぶん?
「フフフ……さすがは勇者よ……我がここまで追い詰められたのはいつぶりだったか……」
しらない!
知らないけどその逆境俺の力のせいで起こったことじゃないんだごめん!
「勇者様……あと……あともう少しです!あともう少しで平和が……!―――そしてもう少しで私と勇者様の甘い蜜月が……」
聖女さん!
私あなたの名前すら知らないんですけど!
名前すら知らないまま気づいたら王城に召集されて気づいたらあたりの魔物蹴散らしまき散らしあんなに血気盛んな奴らが蜘蛛の子を散らすように全力敗走していく後姿を見ててきづいたらこんなところにいたんですけど!
そんな状態であなたには何が見えてるんですか!
ねぇ!
「そういえば前にやってきた勇者……確か……五年前だったか懐かしい。あの時も今と似たような状況だった。」
魔王のいう通り五年前、一度魔王討伐に勇者が派遣されたらしい。
しかしながらあと一歩のところで魔王に敗北したと当時の聖女から報告された。
「そう、確かあの時もあの女がいたな。」
……ん?
そんなはずはない。
当時の聖女と今の聖女は違うはず。
それにもし五年前この女がいたなら負けるわけが……
聖女のほうを見ると―――彼女の顔はぞっとするほど無表情だった。
待った。
これは何かおかしい。
絶対におかしい
バフが続いているうちに早く魔王を倒して帰ろう。
この際あとのことは何でもいい。
何かすごい嫌な予感がする。
集中しなおし一撃を腹に叩き込もうとしたとき―――突如として聖女からのバフの供給が切れた。
はっ?
どういう―――
困惑の刹那首に振り下ろされる魔王の剣をそんな精神状態で防げるはずもなく一瞬にして俺の意識はなくなった。
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こんな都市伝説がある。
ある国の少女の家には数多くの頭蓋骨が保管されている。
魔術が過去現在を見回しても並び立つものがいないほど優れている少女は顔を変え骨格を変え天候を変え様々な国の発展に貢献をしてきた。
ただ一方でいつ何時もある時は国王にまたある時は村の少年の一人だけの友人にまたある時は聖女と姿を変えて自分の好みな男を探しているという。
そして今日も彼女は自分の好みな男を探しそして殺していると。