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一枚のチラシの怪 調査レポート 003

作者: 夢川 彩渚

 この日、サラは広島市中心街を歩いていた。良く晴れた少し風が強い日だった。サラが歩いていると、車や路面電車が走って行く。普段通りの広島市だった。


 「都会っていいね!」サラは思った。都会は田舎と違い空気が違う。歩いている人々の顔を見るとそれは一目瞭然だった。田舎は生活をする場所で、都会は遊ぶ場所。当然気分も変わる。サラは都会の解放された空気が好きだった。


 サラが歩いていると強い風が前方から吹いてきた。そして、一枚のチラシがサラの顔に当たったのである。サラはチラシを手に取った。そこにはサラが数分後に歩いた所にあるシップの宣伝が書かれていた。サラはチラシを手に取り足を止めた。どれほど足を止めていたのだろう?おおよそ1分程度だったのかもしれない。


 サラはただの偶然だと思ってチラシを手放した。そして歩き続けた。すると数分後、さっきのチラシに書かれていたショップが見えてきた。「ああっ、あのお店なんだ」とサラは思い、お店の前を通り掛かろうとしたその時、お店の看板が突風で外れ下に落ちた。


 サラは足を止め真っ青になった。もしサラがあの場所を歩いていたら、サラの上に落ちてきたのかもしれない。サラはそう頭の中で考えると恐くて動けなかったのだった。サラは「運が良かったのだ」と思った。あのチラシが自分を救ってくれたのだと偶然に感謝した。落ちた看板の周りに人が集まり、お店のスタッフたちも動揺していた。幸いけが人がいなかったので、お店のスタッフたちは片づける準備に入った。結局、警察は呼ばないことになったようだった。


 サラは幸運に感謝しつつも本気で恐怖を感じていた。サラがそのまま現場を離れ先へと歩いていく。そして、サラはおかしいということに気付いた。そこにはいつも知っているサラの道路や建物と違っていたのだ。大きく変化した世界ではない。ただいつもと違う場所だと感じたのだった。


 サラは戸惑っていた。「いつもの世界と違う。ここどこ?」と戸惑って立っていると、前方から少女が歩いて来た。それはサラ自身だった。街を歩くサラは楽しそうに見えた。そしてサラが通る場所にはチラシに書かれたショップがあった。サラは「危ない!このまま行かないで!危険なの!」と叫ぶ。しかし、その声は前方から歩いてくるもう一人のサラには届かなかった。前方のサラが歩いていると、ショップの看板が強風で外れ下へ落ちた。そして下を歩いていたサラを直撃したのである。


 サラは立ったまま恐怖で身体がガタガタと震えていた。現場周辺はパニックになっていた。お店のスタッフたちもどうしていいのか分からない様子でウロウロしているだけだった。暫くして、パトカーや救急車のサイレンの音が遠くから聞こえてきたのだった。サラは自分がいつの間にか別の次元に入り込んだことを知らなかった。


 救急車で運ばれていくサラは「危ないから行かないで!危険なの!」とうわごとのように言い続けていた。


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