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僕は困惑した。

十二畳の和室。

僕みたいな六畳間より広い場所で暮らしたことのないボンビー庶民からすればそれはかなり広いボンボン和室といえる。

ボンボン和室から見える美しき庭園。

僕みたいな野良犬や野良猫が餌を求めてわんさか集まってくるような小汚い庭しかない家でしか暮らしたことのないボンビー庶民からすれば、噴水すげーとかうわっ岩地中に埋まってるよかっけぇーとか思ってしまうボンボン庭園といえる。

そしてサンドイッチされるような形で、僕の右隣りに白ひげを蓄えた素敵なおぢ様、あらやだ老神父……そして左隣にはニコニコ笑顔がかぁいい、あらやだ冥土さん……このお二方が正座で座っていらっしゃる状況でございますですぅ。

「何ですかこれ何ですかこれ」

僕は救いを求めるような愛らしいワンちゃんのような面持でまずは右隣りにいるダンデェな老神父を見つめる。

「…………フッ」

は、鼻で笑われた!?感じ悪っ!

し、仕方ない……今度は僕はオ★シ★オ★キを求めるような雄犬のような面持で左隣にいるかぁいい冥土さんを見つめる。

「にへー」

はにかむメイドさん。

にへー、でへへっ。って、いいよ今はそんなかぁいらしい表情は求めてないですよかぁいいから許しますけどありがとうちゅっちゅっちゅぱっ!と、とにかく一刻も早く今のこの状況を知りたいです……!えーと、えーっと……前回は確か、エロ院じゃなくて上奏院さんに拉致られたんだよな……いきなり背後から誰かにエーテルが染み込んだハンカチを嗅がされて。それからそれからえーっと……そっから記憶ないニダ!うおぉー、結局何なんだぁこの状況ー!

「間宮様、少し落ち着いて下さいませ」チャカッ

僕がいやいやばかぁーんと頭を抱えていると、隣にいる老神父様が突然僕の後頭部に黒光りする拳銃を額に押し付けた。

既に安全装置が外され、おぢ様の人差しフィンガァーを少し動かせば火が噴くフィンガァー。

「少し落ち着きます」

そう言うしか僕には選択肢が残されていなかった。

「むふー、そんなに軽くキンチョーしなくてもいいですよまみまみー」

メイドさんが笑顔で僕を緊張から解すようにそう言う。

いや、軽くないんですけれど……とその前に。

「ま、まみまみ……?何ですかそれ?(汗)」

「むほー?間宮春明、通称まみまみ。ついでに軽く自称まみまみですねー」

メイドさんは何言ってるんですかぁー貴方アフォですかぁー?みたいな表情で言う。

なっるー……あだ名のことですか。でも、自称ではないですねソレ。軽くもないですハイ。

「他のあだ名候補としては、『もみもみ』とか『はぁはぁ』とか『くんかくんか』とか『ぱんぱん』とか『ちゅるちゅる』とか『ちゅぱちゅぱ』とか軽く色々あったんですけどねー」

「…………」

……さて、とりあえず今のこの状況を知りたい……。






①立派な黒光りするビッグマグナムを下腹部に携えた老神父に聞こうかな……。


②ちょっと軽そうな(主に下腹部)ビッチ冥土さんに聞こうかな……。


③とりあえず自家発電……かな……。


④今晩のオカズは姉様インモラルでビックビックだぜ!んぎぃいいもぉおお!


⑤ふぅ……。ティッシュ、ティッシュッシュッ……ないよっ!んもうっ!






……多いよ、僕の脳内選択肢。

「ところで、春明様……。私、春香様から春明様へ言伝を頂戴しております」

僕が脳内でどうしようかと小人の春明(←脳内妖精)と相談していると、意外にも今までほとんど無口だった老神父のおぢ様が僕に声をかけてきた。言伝……?そういえば、上奏院さんを見かけないと思ったら……。

「では、読み上げます……『わたくしの影武者としてめんどくさいお見合いに出て下さいまし』以上です」

「は、はやっ。って、お、お見合い~!?一体全体何ですかそれぇ!?」

お、お見合いだとぉ!?聞いてないっ、僕は聞いてないですワン!って拉致られたから当たり前か。

じゃ、じゃあ何か!?このボンボンなセッティングはお見合いの場のため用意されたのですかい!?

「だからぁー、お見合いはお見合いですよまみまみー」

冥土さんは口を尖らせて、何故か不貞腐れた子供のような表情で言う。

何で君が不貞腐れるんだっ。僕が不貞腐れたくなるよもう!

「そ、そんなっ……。お、お見合いだなんて……!だいたい、僕男の子ですよ!?影武者ってことは、相手も男の子ですよね!無茶な鰤ですよ!略してムチャブリ!」

「お気遣いなく、お相手の方には『男の娘』で通してあり、了承済みでございます」

「一ミクロンも気遣ってなんかいないよっ!何でそんな勝手なことするんですか!?ていうか、よく相手もそれで納得しましたね!?」

「お相手の方によりますと、『普通のビッチでは刺激が足りない』とのことで……新境地、いや新世界を開拓したいとのことでございまして……。まさに掘り掘られる関係と申しましょうか」

「むほー、開拓戦士ア●ルマンですねー」

「いやぁあああ!いやっ絶対やだっ!そんな危ない感じの人と会うのやだっやだやだもんっ!!!ていうか、何であんたらはそんな冷静なんですかえぇ!?」

じょ、冗談じゃあない!そんなっ、そんな人と……!んぐぅううー!想像したくないっ!

とにかく、そんな僕の人生が急転直下しそうなイベントは絶対避けなければ、永遠にむふふでおほほなハッピーエンドやハーレムエンドを迎えられないじゃあないか!

「そんなー、軽くインモラルな関係になるだけじゃあないですかーずっこばっこ」

「うっうるさいよっ。他人事だと思って適当なこと言うな冥土!」

まだ誰にも汚されたことのない未知の神秘な春明の領域なのにぃ!そんな変態に弄られるなんて死ぬのと同じくくらい嫌だっ!

「とにかく、春明様。お見合いをお受け下さいませ……」チャカッ

老神父のおぢ様はそう言いながら僕の脇腹に黒光りする拳銃を突きつける。汚いっ、大人はなんて汚いんだっ。

そして僕はそんな汚い大人に絶対ならないぞ!

「大丈夫でございます……痛いのは最初だけ、あとはよがるだけ……」

「なっ何が大丈夫なんですか!?それもう事後ですよね!?」

「よがるまみまみ、テラ萌え~w」

「想像するな冥土!」

汚いっほんっっとうに大人は汚いですにゃあ!

「まぁ、冗談は置いときまして……とにかく、お相手の方を気持ちよ…決して、不快にされぬよう丁重に傷付かぬようお断りください」

「ちょっちょっと待て!あんた、今何言いかけた!?言ってみろぉー!今ならおかん許したるで!」

「もし万が一、お見合いが成功して春香様にご迷惑をかけるようなことをしたら……容赦なく消しますので、どうか慎重に言葉を選ぶよう心掛けて下さいませ春明様……」

老神父のおぢ様の目は本気と書いてマジだった。こぇー!何だこの蟻地獄っ!くそぉー!やっぱり僕は不幸が服を着ているような人間だっ!!!






そして、数十分後。

僕の向かいには金ぱつぱっつんぱっつんのサラサラロン毛……分かりやすく言うと、ベル●イユの薔薇に出てきそうな美少年と家●婦は見たのような火サスに出てきそうなおばさんと見るからにサディストっぽい顔つきの冥土さんが座っていた。ちなみに美少年は僕の向かい、家●婦もどきは僕から見て右隣、サディスト冥土は左隣に座った。

「HAHAHAHA、コレガオトコノムスメデスネーびゅーてぃふる!」

違うよ。

「……ふーん、はーん」ジーロジロ

さっきから隣のばぁさんに全身を舐められるような眼でめっちゃ見られてるんですけど……こぇえ!

「ご主人様、どうか落ち着いて死んでください豚助」

「HAHAHAHA」

いや、HAHAHAHAじゃねぇよ成金。あんたの部下、今さらっと酷いこと言ったぞおい。

「それでは全員お揃いのようですし、始めたいと思います。まず、本日はこのようなお見合いの場を設けて頂き、誠にありがとうございます。さてさっそくでございますが、両家の方の自己紹介をしていただこうかと思います。まずは、お嬢様……お願いします」

老神父のおぢ様は僕という名の『上奏院春香』に自己紹介をするよう促す。

「は、はい……」

当然だが、上奏院さんの影武者ということで今の僕は『上奏院春香』でお見合いを受けている。男の娘だがなんだか知らないが、とっととこんなふざけたお見合いぶち壊さなければ!僕の命と貞操が危ないっ!かと言って、失礼のないように断らなければならないと……うっ~、とにかく今は無難に、あまり心の残らないような、かつ失礼のないような自己紹介……えぇい、条件多いよ!もう、勝手に僕はやってやるっ!

「あ、あの……私は、その……上奏院春香でございますですのよ……よろしくお願いしますですわよ……」

何か、ぎこちない言葉使いになったけれど……!えぇい!とにかく僕はやった!やってやったかんな!

「オ~ゥ、インモラルデスネェ~ワタシ、コーフンシマシタ!ビックビック!」

どこかだよ!頭、何か湧いてるんじゃあないかコイツ!?

「コッホン、デハツギハワタクシデスネェ……初めまして、私、下奏院重雄かそういんしげおと申します。本日は宜しくお願いします」

重雄君は日本語がめちゃくちゃ流暢だった!

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