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僕はやってない。

「それでも僕はやってないっ!(泣)」

「嘘おっしゃいっ!貴方の鞄の中に明らかな女性用の下着が入っていたのよっ!?その下着全部が女子ラクロス部のものだと判明したわっ!さぁ!白状しなさいっ!この変質者がっ!キョェエエエエエエエエエーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

な、何でこんな目に………

僕はあれから下着の件で変質者の疑いをかけられ、今こうして学園の職員室の前で正座をさせられている。

うぅ、さっきから違うって言っているのに目の前にいる変なババァに説教を受け続けている……とにかく僕は濡れ衣なんだぁ!!!何で信じてくれないっ!?

「だ、だから、それは………ある人に鞄を奪われて、とにかくっ!僕はやってないっ!僕の鞄を奪った人が下着を盗んだんですっ!」

「フンっ!そんな、三流小説家が書きそうな嘘を信じろとでもっ?!はぁん!笑わせてくれるねっ!この童貞チェリーボーイがっ!チン○でもゴシゴシ擦ってなっ!」

「そ、それが教職につく者が言っていい台詞ですかっ!?」

な、何なんだっ!この変なババァはっ!(泣)いつになったら僕を帰してくれるんだっ!あぁ、もうお外は真っ暗。地獄……終わらないババァのババァによるババァのための地獄………しまいには気が狂いそうだっ!!

「クックク……あぁ、いいさ。私に対してそんな舐めた態度取っていられるのも今のうちさぁ………さぁ、覚悟しな。これはれっきとした性犯罪だ。今からポリスメェーンを呼んでやっからなぁ!!!ギャハハハハハハハハハハーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!てめぇはブタ箱行きだっ!!!!!!」

そして、変なババァは電話のボタンを『1』・『1』・『0』と押し、応答を待った。ちょっ……嘘っ!?嘘でしょっ!?ポリスメン!?僕、前科者になるのっ!?新たなる花の学園生活はっ!?こんなところであっけなく終わっちゃうのっ!?まだ、スタートラインにも立っていないのにっ!?嫌だっ!嫌!嫌!嫌ぁーーーーー!!!!!そんなの絶対、嫌ぁあああああああああーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

「ら、らめぇえええええええええーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」






「それくらいで、勘弁してやって下さいよぉ。教頭先生ぇ」






この声……あのバンダナ野郎の声っ!?

そして、僕は声の方に振り向くとバンダナ野郎がババァの持っている電話を取り上げ、通話ボタンを切っていた。な、何だコイツ!僕に濡れ衣を着せやがった張本人っ!僕は怒りがフツフツと湧いてきたっ!コイツのせいで僕はっ……!

「お、お前っ……!」

バンダナ野郎に一言文句言ってやろうと僕はバンダナ野郎をキッと睨みつけたが、バンダナ野郎は人差し指を自分の唇にあて、ニッと笑った。……黙れ、ということなのか。……文句が言いたい事は山ほどあるが、ここはババァの手前、少し聞いておいてやるか。

「なっ、なんだいっ!?お前はっ!?私の邪魔をするんじゃないよっ!!!そこをどきなっ!!!」

ババァはバンダナ野郎に声を荒げて、必死にどかそうとする。バンダナ野郎は『やれやれ』といった表情で頭をポリポリかき始めた。

「あははっ、先生。もう、とっくに下校時間は過ぎて生徒達はほとんど帰っていますよ。それに、この学園も九時で閉まります。今はもう、8時55分です。勘弁してやってくれませんかねぇ?その子もう十分、反省してますよ。今日のところはコレくらいで帰してしてやってくれませんかねぇ?」

こ、コイツ……っ!お前のせいで僕はこんな目に合っているというのに………っ!クソゥ!僕に力があれば泣くまで思いっきり殴ってやるのにぃ!でも、僕にはそんな勇気も度胸もありまっせーーーーーん!!!

「ふっ、ふざけんじゃないよっ!!!規則は規則だっ!!!ましてや、コイツは法律を犯したんだよっ!!!性犯罪だっ!!!レイプだっ!!!女を犯したも同然っ!!!女を馬鹿にしたんだっ!!!こいつにはそれなりの刑を執行しなきゃなんねぇんだ!!!」

れ、レイプって……それ、酷すぎませんか?変なババァさん。でも、言っている事は正しいことだから反論できない。って、反論しなきゃ僕、冤罪で捕まるじゃあないかっ!イヤっ!そんなのイヤですぅ!(泣)

「規則規則って……そんなんだから、この学園はいつまで経っても堅苦しいんだよ、クソババァが」

バンダナ野郎は小さい声でブツブツと何かを呟いていた。……何て言ったんだ?僕には聞こえない………

「とにかくっ!私ぁ、そこの男を絶対許さないからねっ!さっさとそこをどきなっ!どかなきゃアンタもその男を庇った罪でこの学園から永久追放、退学処分にするよっ!」

……何かさっきからこのババァの話聞いてたら……気分悪いなぁ。確かにババァの立場からしたら、それなりの処分も下さないといけないと思うが、いくらなんでも言い過ぎじゃないだろうか?僕は悪くないけど、バンダナにそこまで言うか?まぁ、バンダナが諸悪の根源なのは確かだが。






「海斗をいじめるな」






今度は別の声、聞いたことが無い女の声だ。

でも今まで違うのは、そこには彼女独特の響き、氷のような………殺気、そんな想いが込められた声だった。

「おっ、雫ちゃ〜ん♪おっぱっぴ〜♪」

一方、バンダナ野郎は雫と呼ばれた彼女とは正反対な呑気な声でふざけているのか両手を振りながら返事をした。な、何ですか……この男の周りだけかっる〜い空気は………ま、周りの空気と温度差が違いすぎて僕が変になりそうだっ!!!

「いっ………り、理事長」

ババァは少女に一声浴びせられただけでビビリ気味。り、理事長……?えっ、何それ?おいしいの?

「まっ、ままっ!雫ちゃ〜〜〜ん♪そんなに怖い顔しないで♪ねっ、笑顔っ!ほーらっ!笑顔っ!」

バンダナ野郎はどこぞのツケメン芸人のごとく、この場の空気をまったくよめないような声を出す。雫ちゃんとやらの頭をポンポンと撫でながら……ひぃ〜!死んじゃうっ!僕、デスっちゃう!!!(泣)

「し、しかしっ……!理事長っ、お言葉ですが、この男は性犯罪を犯しました。学園の対応として処罰を下すのは当たり前だと思いますが……」

だから犯してねぇっつーのっ!僕、冤罪っ!ツケメン、イケメン、僕、冤罪っ!!!ツケメン、イケメン、僕、冤罪っ!!!

「……その男はどうでもいい。勝手にしろ」

え、えぇえええぇえええええええええぇええええーーーーーーーーーー………………

ちょっとぉ!?そこで見切り発車っ!?僕、まだ乗ってないよっ!?ちょっ、見捨てないでママーーーーーン!!!!!

「おいおいおいおいおい(汗)ちょっと待った、雫ちゃん。それはダメだって予行演習の時、俺言ったよね?どうしてこの子は人の話を半分しか聞かないのかなぁ〜〜〜?海ちゃん憤慨だプ〜(^=^)」

何か……ムカつくっ!何か知らないけどイラっとくるっ!!!

「私は……海斗がいればそれでいい。他の奴なんか……どうでもいい」

……えっ、何?この二人だけの世界。僕、空気?もしかして空気なのかなぁ?がふっ

「………っ」

変なババァは完全、空気で。少女がいるせいか、ビックビク怯えている。……今、思ったんだけどビックビクって何か表現がエロイよね。ババァだから萎えるけど。

「……まっ、そういうわけで今日のところは許してやってくださいよ教頭先生」

バンダナ野郎は素敵な笑顔で、しかし有無をいわさぬ迫力で、ババァを脅…げふんげふん、説得した。

「……くっ、きょ、今日のところはこれで許してあげます……ですがっ!次、同じような事をやればタダでは済まさないですよっ!?分かりましたねっ!?間宮君!?」

「うぇ!?は、はい……」

ババァは捨て台詞を残してこの場から去っていった。……えっ、何?何であの人、僕の名前知ってんの………?もしかして、あの人、ショタ?ひぃいいいいーーーーー!!!!!!く、喰われるっ!僕、いつかあの人に喰われちゃうっ!恐ろしや〜〜〜………

「さて、本当にもう閉まるから帰るか。……ん?お前何、ケツ振りながらクネクネしてんだ?何かのダンスか?」

「い、いや……か、帰りましょうか?海斗君」






「あぁ、そういや紹介するの忘れていたな。こいつは俺の妹の妹、つまり明美の妹でもあるけどな。橘雫たちばなしずくって言うんだ、ほらっ、こいつが俺のマブダチ、春明だ。挨拶しとけ、雫」

「………」

「………えっと(汗)」

海斗に抱きかかえられているロリっ子は僕をキッと無言で睨みつける………えっ?何コレ?何で僕、睨まれてんの?ツンデレ?今や懐かしのツンデレ娘?いや、クーデレか?まだ、どちらも需要があるからなぁ……

「何、見ている。殺すぞ」

「ひぃ!ごめんなさいっ!(泣)」

ロリっ子に普通に土下座して謝る僕。ハイ、ヘタレ、ヘタレ一丁入りますよ〜〜〜(泣)

「………」

もう一度、チラッと下から彼女の顔を見る。

……端整な顔、お人形さんみたいな愛くるしいお顔。でも、それを打ち消してゼロにするほどのキッツい性格、そして綺麗な薄い青髪のショートヘアー。地毛……だろうか?何だか、彼女からは神秘的なただならぬ雰囲気を感じる。あぁ、でも僕の好みだな〜〜〜この子。うっはぁ〜〜〜……(///)

「………海斗、何でこんなキモイやつを助けたの。こんな奴、見殺しにすればよかったのに」

「ん?でも、それが春明のステータスだろっ!そうじゃないと俺が助けた意味がねぇっ(笑)」

(笑)じゃねぇよっ!もう、古いんだよっ!そのスタイルっ!せめて、ワロタにしろっ!それにキモイのが僕のステータスなのかっ!?何だっ!?喧嘩を売られているのかっ!?僕はっ!?てめぇ、コラ!僕だってなぁ!やる時はやるんだっ!あんまり舐めんなよっ!

「お、おいっ!てめぇ!ちょ、調子乗るのもいい加減にしろよっ!」

そして、僕は海斗の胸元を掴み、喧嘩を売った。……ちょっと、震えているけどねっ!

「…お、おいおい。やめとけ、お前……今、んなことしたら死ぬぞ(汗)」

海斗は何故か汗を流しながら、僕に心配そうな瞳を向ける………む?どういう意味だ?それは?もしかしてびびってんのか?へっへー……た〜っぷり、いたぶってやるからよぉ………べ、別にビビッてなんかいないんだからねっ!

「………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

はっ!?殺気っ!?ジ○ジョみたいな敵スタンドが現れた時みたいな殺気っ!?

「………殺す」






「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」






そして、この学園に来た初日の晩、僕は雫さんの狂気というものをしりましたとさ。






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