僕は妄想した。(そのさーん)
僕達三人が通された部屋は予想を反して、殺風景な部屋だった。
『カオス……だよなぁ』
てっきり、大魔王っていうぐらいのお方だから部屋の中は変なプレッシャーと『てめっ、ちょっとうまそうじゃないデースカ』的なデススメルで満たされているかと思ったけど……まぁ普通ではないけど、昔のお殿様がキャッキャウッホウッホゥ!とハッスルしてそうな何畳もの和風ちっくなお部屋だった。
『へー、そうなんですかぁ、それで隣の吉村さんが豆腐の角に小指をぶつけて病院送りになったんですね、ポリポリ』
『そーなんだぜ、あいつバカちーだよな。菱村さんなんかその影でトカゲのしっぽ、ぷちぷち切っては接着剤でつけての繰り返し奇声を上げながら楽しんでいたんだぜ、バリバリ!』
僕の隣で高宮さんと礼二さんはパパン座りでぽてちーを食いながらイミフな談笑しているし……ていうか貴方達なんでそんな余裕のよっちゃんなんですか?ここ一応大魔王のお部屋なんですよ?畳の床にポロッポロぽてちーの食べカスが落ちてますよ?貴方達はそんなにデッドフラグを立てたいんですか?ていうかこの人達、現実世界とキャラ違いすぎでしょ!あぁ、もぅ!ツッコミどころが満載ですよーん!
『はぁ……』
『?どうしたハルもん?そんな溜め息ついて……ほら、これでもごきゅごきゅ飲んで元気出せーもんきっきー!』
『ハルもんって……ていうかこの人口調も何かどんどん変になってるし。ていうか、え?Diet……?えぇ!?いや、さすがにこれはまずいでしょ!?大魔王の部屋でアルコール飲むなんて!あんたはこの部屋を宴会か何かと勘違いしてないですかっ!?』
『大丈夫だっ、カロリー50%カット!糖質70%カット!俺の愛おしさも50%カット!いける!うぃっく!』
『何が大丈夫なんだ!うぃっくって……あんたさては飲んだなっ!?酔ってるなっ!?』
『酔ってないれすよー……わたしら、よってないれすぅ~、あいうぉっしゅ!』
酔いどれ礼二さんと話の噛み合わない会話をしていると、突然僕の背中に柔らかな二つのマショマロの感触が……って僕、高宮さんに抱きつかれている!抱きつかれていまフォオオオオオオ!
『ちょっ……ちょっと、高宮さんまずいって!この状況は色んな意味でまずいよぉおおお!』
『でへへー、いいじゃないれすかいいじゃないれすかー……ハルピーのお耳ぺろん♪ぺろん♪』
そう言いながら高宮さんはさらに僕をぎゅ~っと抱きしめ、今度は耳に変な感触が……き、気持ちいぃって何か舌で舐められてるし!耳を舐められてまヒィイイイイイ!
『なにぃ~?ずるいぞぉーん……じゃあ俺はハルもんのウインナーを舐めてやるかもだし』
ギ、ギャァアアアアアーーーーーー!それだけはヤメテェエエエエエーーーーーー!
そして僕らがモッフルしている最中、横開きの戸が開かれる音がした。ま、まさか……
『……なんぢゃ、この有様は』
それから十分後、僕は一人大魔王と思われる方の前で座禅、じゃなくて正座させられお説教を受けていた。
『……まったく、どーしてくれるんぢゃコンチッキチキショーめが』
『は、はぁ……ごめんなさい』
『ぐかぁーぐかぁー』
『すぴるーすぴるー』
……何か部屋の隅っこで酔った礼二さんと高宮さんはいびきをかきながら寝てるし。ちっくしょぉおおお、何で僕だけがこんな目にぃ!やっぱり夢世界でも理不尽だ!
『きぃ~い~て~る~か~なのぢゃあ!』バッタンッバッタンッ
『ひゃううぅ!ごめんなさいぃ!』
大魔王様、もといどこからどーみても昔のお姫様しか見えないロングの黒髪お嬢ちゃまはその場で足踏みし、僕を睨みつける。し、しっかし……これがかの一日でソ●マップの一店舗のエロゲーを買いつくしたと言われる大魔王様なのか……あっ、今、おぱんちゅ見えた。ラッキー☆マン
『はぁはぁ…………どいつもこいつも妾を馬鹿にしおってぇ!これでも妾はなぁ!この間、苦手だったぴーたんを克服したのぢゃぞぉ!なのに黒服の彼奴等ときたら真顔で『おめでとうございます、大魔王様』の一言だけなのぢゃあ!なんでぢゃあー!褒めろぉ!もっと妾を褒めろぉー!頭を撫で撫でして敬えぇー!』
大魔王様は少し涙目になりながらそんな事を僕に向かって仰る。何この子、ちょーかぁいい。
『よしよし、よく頑張って食べたね。あれ臭いやっばいもんね。よしよし良い子だね』
『…………ぇ?』
僕は自然とお姫様、じゃなくて大魔王様の頭の上に手を載せ撫で撫でしていた。……って、あぁー!ぼ、僕ってばだ大魔王様に向かってなんてことをぉー!ひぃーころされYOUー!
『うっ、うわぁー!ごめぇん!』
『…………』
大魔王様は僕に不思議そうな視線を送る。のぅっ!あ、あぁ~……すっごいよぉ、すっごいよぉこのプレッシャー!怖いよ~怖いよ~ヘタレな僕をそんな瞳で見つめないでー!そして僕は勇気を振り絞って恐る恐る大魔王様の方に向き……
『…………あ、あの?大、まほー様?(汗)』
『…………不思議な、感触ぢゃった。……もっと撫でろ』
『……えっ?えぇ~?あ、あのぅ……?』
『妾は撫でろと言っておるのぢゃ!撫でなきゃコロスー!』
『は、はぃー!撫で撫でしますぅー!』
そして僕は優しく大魔王様の黒髪を撫でていく。……柔らかいさらさらへあーは撫で心地が良かった。
『……んっ』
……何、この微エロタイム?




